異文化が混在する街・アルジェで見るべき観光スポットはここ！

アルジェリア民主人民共和国の首都であり、国内最大の都市として栄えるアルジェ。地中海に面していて、要塞として発達しました。その魅力はなんといっても「北アフリカのパリ」と呼ばれる美しい街並です。フランスの植民地であったことからフランス文化と北アフリカ、そしてイスラム教の文化が融合したその姿は異国情緒が溢れます。

またフランスを代表する小説家、アルベール・カミュのノーベル文学賞受賞のきっかけとなったと言われている代表作『異邦人』の舞台としてもおなじみ。またポール・ボウルズ作、ベルナルド・ベルトリッチ監督「シェルタリング・スカイ」（原作名：『天蓋の空』）、ジュリアン・デュヴィヴィエ監督『望郷』など、多くの芸術作品の舞台ともなってきました。

そんな世界中のアーティストを魅了するアルジェのおすすめ観光スポットをご紹介します！

1.カスバ

世界遺産に登録されている「カスバ」とは、アルジェの旧市街の一角の呼び名のこと。アラビア語で要塞という意味であり、16世紀にオスマン帝国の城塞として築かれました。

118mもの高低差の中を縫うように走る路地は、観光客を中世アラブの世界へと誘ってくれます。さらに斜面に立てられた民家の、中庭を囲んだ様式が、さらに謎めいた雰囲気を醸し出しています。また展望台近くには10世紀頃のものと言われるモスクがあり、路地裏には市場や工房が点在。ここでは昔ながらの伝統的な生活様式が大切に守られており、沿岸部のフランスの影響を受けた街並とは全く違う雰囲気を味わえます。

またカスバはアルジェリアを舞台とした映画や音楽にも登場します。映画『望郷』、『カスバの戦い』、日本の歌『カスバの女』など、重要な拠点として、また望郷の象徴として、芸術家たちに愛されてきたのです。

2.ノートルダム・ダフリク大聖堂

19世紀、フランス植民地時代に建設されたローマ・カトリック教会のバシリカ（アーケードがある長方形の礼拝堂の一種）で、植民地時代のフランス風建築の代表とされています。

この教会にある黒いマリア像は、地中海の守護神です。海を挟んだ遠いマルセイユのバジリク・ノートル＝ダム・ド・ラ・ガルドと向き合って安置されているとのこと。聖堂内部の天井には、聖母子のフレスコ画があり、保存状態もよく、鮮やかな色彩で描かれています。

素晴らしいのが、この教会からの眺望！丘の上に建っているので、アルジェ市内と地中海を一望できるんです。アルジェ屈指の絶景ポイントとしても人気の観光スポットです。

3.アルジェ中央郵便局

1913年に建築された、アルジェのランドマーク的存在の美しい建築。アルジェ市の観光客向けの絵はがきには必ずと言っていいほど登場する観光名所です。

白亜の宮殿のような外観ですが、中に入ると細かい透かし彫りが一面に施されたドーム天井が圧巻。青いタイルで装飾された壁面はモスクにも似て、アラブの雰囲気を醸し出しています。さらに観光客を驚かせるのは、カウンターなどの木造建築。細かい装飾が施され、職人芸を感じさせてくれます。

こんな美しい郵便局を使っているのは、もちろん一般の庶民の人々。日常にこんな芸術作品がとけ込んでいるのもアルジェならではですね。

4.ティパサ遺跡

アルジェから北に70km、日帰り観光で訪れることができる世界遺産。紀元前1〜2世紀頃に立てられたと見られる、珍しい半円形のピラミッドで、古代モーリタニア王国の王族の墓ですが、「クレオパトラの娘の墓」と呼ばれています。

小高い丘の上にそびえるティパサは高さ32m、直径61mとかなり巨大。クレオパトラの娘であるクレオパトラ・セレーネがこの地域の王子と結婚したことから、その死を悼んで建設された墓であるという説もありました。

財宝は盗掘されてしまいましたが、内部は天井の低い回廊になっていて、人ひとりやっと通れるほどの狭さ。反時計回りに進んで行くと、最後に中心部に辿り着きます。そこには、あたかもエジプトのピラミッドのように、石棺が安置されていました。

ティパサ遺跡では、神殿や墓地、浴場などの遺跡も残されていて、敷地内の美術館では出土したモザイクを見学することもできます。

◎まとめ

アルジェリアの首都アルジェの観光名所をご紹介しました。いかがでしたでしょうか？街そのものが芸術作品かのようなアルジェは、観光客を魅了するスポットがまだまだたくさんあります。ぜひお気に入りの場所を見つけて、アルジェ観光を楽しんでみてください。

異文化が混在する街・アルジェで見るべき観光スポットはここ！