【世界遺産】開平の望楼と村落とは?|華僑の富と夢の跡!

【世界遺産】開平の望楼と村落とは?|華僑の富と夢の跡!

中国の世界遺産「開平の望楼と村落」についてご紹介します。

のんびりとした美しい田園風景の中に、突然現れる不思議な塔の数々。2007年世界遺産に登録された「開平の望楼と村落」は、中国華僑の歴史と文化を今に伝える独特な建築群です。そこには、まるで華僑の富と夢が詰まっているようです。

また、敵の攻撃から自分たちを守る方法として要塞さながらの望楼を建築した華僑達の知恵は、素晴らしいの一言に尽きます。この、不思議な中洋混合された建築物である「開平の望楼と村落」。以下で詳細情報を見ていきましょう。

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【世界遺産】開平の望楼と村落とは?|華僑の富と夢の跡!

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開平の望楼と村落群とは?

【世界遺産】開平の望楼と村落

中国広東省開平市の「開平の望楼と村落群」は、2007年に世界遺産に登録されました。
その昔、開平は度々水害に襲われ、社会秩序が乱れていたので、人々は何かあった時のための防御策として、頑丈な望楼を次々と建てました。

また、清朝末期から民国の時代には、多くの人が新天地を求めて海外に渡り、その中には海外で成功した人もいて、それらの人は華僑と呼ばれるようになりました。華僑は、西欧文化の影響を強く受けていたので、中国に帰国後、自分の財を守るため、中洋混合の立派な望楼を建てるようになったのです。その数は、最盛期には3000棟以上あったと言います。
開平の望楼と村落群は、それらの中で現存しているものです。

現在開平に残っている望楼は1800棟以上あり、そのうちの4村(三門里、自力村、馬隆龍、錦江里)20棟が世界遺産に登録されています。

アクセス

開平市

開平は、マカオから北西に約90㎞、広州から南西に約110㎞、香港から西に150㎞という位置なので、日本からはまずこれらの都市にアクセスしましょう。マカオ・広州・香港の各都市からは、開平への現地ツアーが出ているので、利用すると便利です。

ツアー以外で行く場合は、広州からは、バスを利用すると約2時間、珠海を経由すると珠海から約2時間半で開平に行くことができます。また、香港からは、バスを利用すると約4時間、深圳を経由すると深圳から約2時間半で開平に到着します。

おすすめポイント①三門里・自力村

三門里・自力村

三門里は、16世紀、明の嘉靖帝の時代に、関氏によって造られた村です。迷路のように張り巡らされた通路が、200近い家々をつないでいます。

三門里で世界遺産に登録されている望楼「迎龍楼」は、開平最古の望楼です。他の家が青レンガ製なのに対して、迎龍楼は赤レンガで築かれています。高さは約11メートル、3階建ての迎龍楼。壁の厚さは1メートル近くあり、強力な城壁としての機能を果たしていました。また、迎龍楼の4隅の角楼には、銃眼が付けられていて、どの側面から来る敵をも迎撃できる仕組みになっています。

自力村は、1837年に建設されました。安和里、合和里、永安里の3村92棟の建物から成り立っています。自力村の見どころは、1930年までに建てられた9棟の望楼と6棟の廬(望楼の元となった非高層の洋風建築)。望楼群の周囲には、のんびりとした田園風景が広がり、蓮池があったり、牛の放牧が行われていたりします。その景色と望楼群の調和には、何とも言えない素朴さと美しさがあります。

おすすめポイント②馬隆龍・錦江里

馬隆龍・錦江里

龍江、慶臨、河東、南安、永安の5つの村から成り立っているのが馬隆龍です。昔、この辺りは盗賊が出たため、その対策として家を密集して建てていたそうです。また、前方には池や運河を配置、周りは竹林で囲み、そして、東西には、見張り台として更楼を築きました。

20世紀のはじめに建てられた7棟の望楼と8棟の廬が現在も残っています。馬隆龍の村々は竹林で繋がっていて、その竹林の上にひょっこりと望楼が顔を覗かせている風景は、独特の趣があります。

錦江里も、馬隆江同様、周囲を竹林で囲まれた村です。村は、清朝の時代に建設され、瑞石楼、錦江楼、昇峰楼の3棟の望楼が今も残っています。
9階建ての瑞石楼は、開平で一番美しく一番高い望楼として有名です。また、昇峰楼はフランス人建築家によって設計され、バロック様式の荘厳な雰囲気が漂っているのが特徴。この2つの望楼に挟まれるように最も歴史の長い錦江楼が建っています。

注意事項

個人で開平を訪れた時には、現地でタクシーをチャーターして回ると便利かもしれません。回りたい場所を予めピックアップして、運転手に伝えると良いでしょう。ただ、タクシーは料金の面などで不安という方は、路線バスや景区観光バスが運行しているので、路線を調べて利用して下さい。

開平に限らず、中国では簡略字が使われているので、日本の漢字表記とは異なる文字があります。目的地の地名や建物の名前などの表記に注意して観光しましょう。

◎まとめ

華僑が残した偉大な世界遺産「開平の望楼と村落」、いかがでしたでしょうか?周囲ののんびりとした風景と、今も大切に残されている望楼や村々の建物の素晴らしい融合は、開平でしか見られない貴重な景観です。マカオや広州、香港など、主要都市からのアクセスも便利なので、日帰りで訪れることも可能です。

ぜひ、少し足を延ばして、華僑独自の偉大な文化遺産を訪れてみて下さい。あなたの忘れられない旅の思い出となることでしょう。

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