名称：Great Living Chola Temples
公式・関連サイトURL：http://whc.unesco.org/en/list/250
南インド、タミルナードゥ州にある世界遺産の一つ大チョーラ朝寺院群は9世紀から13世紀にかけて南インドを支配したチョーラ朝の王によって建造された3つの寺院からなります。デルタ地帯にあるこれらの寺院はユネスコ世界遺産として順々に登録されました。1987年にはタンジャーヴールのブリハディーシュワラ寺院、続いて2004年にガンガイコンダチョーラプラムのブリハディーシュワラ寺院とアイラーヴァテシュワラ寺院が追加されました。実際に3つのヒンドゥー寺院は東南アジアにある寺院の模範となったインド宗教建築の原型とも言われています。それでは大チョーラ朝寺院群の魅力に迫ります！
目次
インドの宗教建築と言えば！世界遺産大チョーラ朝寺院群の魅力をご紹介
大チョーラ朝寺院群とは？
チョーラ朝は南インドにおいて最も長く栄えたタミル系の王朝です。中世インドにおいて寺院は文化の軸として首都に欠かせないものでした。王は領地拡大の度に敗者の文化を取り入れ、寺院を大きくしていったと言われています。寺院はこれらの建造物が造られる以前はインドの伝統的な聖地に造られていました。しかしこの頃から王の居る首都に置かれ、王権の絶対化を目論んでいたと言われており、インドの長い歴史においても重要な事柄とされています。
タンジャーヴールのブリハディーシュヴァラ寺院は、インドにあるシヴァ神を祀るヒンドゥー寺院の中で最大規模の寺院の一つです。ラージャラージャ1世によって建てられ、1010年に王自身で落成式を行いました。ブリハディーシュヴァラ寺院は息子であるラージェーンドラ1世により1035年に完成され、1025年から250年もの間チョーラ朝の都が置かれていました。
そしてアイラーヴァティーシュヴァラ寺院はラージャラージャ2世によって12世紀に建てられました。インドラ神が乗っている白い象アイラーヴァタがシヴァ神を崇拝したことからシヴァ神はアイラーヴァティーシュヴァラとして名を知られています。
アクセス
ティルチラパリ空港からタンジャーヴールのブリハディーシュヴァラ寺院 所要時間、約1.5時間
ティルチラパリ空港からダラシュラムのアイラーヴァティーシュヴァラ寺院 所要時間、約2時間
ティルチラパリ空港からガンガイコンダチョーラプラムのブリハディーシュヴァラ寺院 所要時間、約2.5時間
バンガロールやチェンナイからタンジャーヴールまでバスで約9時間
大チョーラ朝寺院群のおすすめスポット2
1.ブリハディーシュワラ寺院
チョーラ朝寺院の中でも最高傑作と呼び声高いのがこのブリハディーシュワラ寺院です。ピラミッド型の屋根を特徴とした南方型寺院建築の最高峰でありました。寺院があるタンジャヴールはかつてチョーラ王朝の都であり、チョーラ王朝はパッラヴァ王朝を9世紀に滅ぼし、11世紀にはデカン・タミル地方を支配する大きな勢力となりました。ラージャ・ラージャ1世の時代にピークをむかえ、南インドだけにとどまらず、スリランカも支配し、東南アジア諸国との交易で栄えました。
寺院の内部は約29,000平方m、高さは63mあり、インド国内だけでなく世界において最大級の建造物でした。本殿内にあるシヴァ・リンガ、本堂前のナンディもインド最大級の大きさを誇ります。かつて王は神と同一とされており、その大きさは王の権威とイコールであったとも言われています。寺院の本堂の上部には半円型の石、通称シカラが置かれています。シカラは重さが80トンもあり、いかに8上部まで運び上げたかは現在でもわかっておりません。
2.アイラーヴァテシュワラ寺院
白い象の山車のシヴァを意味するアイラーヴァテシュワラ寺院。12世紀の半ばにラージャ・ラージャ2世によって建立されたこの寺院は大チョーラ朝寺院の中で最も美しいと評判を集めています。コンパクトな寺院ではありますが、彫刻の繊細さ技術は一つ頭が抜けていると言われています。名前の通り、山車に見立てられ壁面には寺院を引く象や馬、車輪などの彫刻がなされており、本殿への階段には車輪を引く象のレリーフがあります。そこには寺院に車輪をつけて象が引くという意味が込められているそうです。
本堂の外側の柱にはヤーリーと言われる架空の動物の彫刻があります。ライオン、象、ワニ、牛、ワシら動物を合わせたもののようです。他にも美しい天井のレリーフ、規則的に打たれた柱のレリーフなど見所がたくさんあります。また当時の寺院建築のイロハを知ることもできる歴史的に重要なスポットとしても重宝されています。アイラーヴァテシュワラ寺院の構造としては開放感のある前殿、前室、シヴァ神が祀られている本殿という構造を持っています。柱のレリーフが美しい空間は前殿にあたり、奥に前室、本殿と続いています。
◎まとめ
いかがでしたでしょうか？南インドの世界遺産大チョーラ朝寺院群の魅力に迫りました。3つの建造物はどれも深い歴史があり、見所がたくさん詰まっています。インド宗教建築の模範とも言われるこれらの寺院群は今もこの場で権威を誇っています。ぜひ、実際に訪れてじっくりと大チョーラ朝寺院群の魅力を感じてみてくださいね！
