【世界遺産】三清山国立公園とは？｜雲海から仙人が表れそうな景観

2008年に世界自然遺産として登録された三清山国立公園。中国の世界自然遺産としては7つ目で、三清山国立公園の持つ様々な峰の表情や多くの植物が景観を作っています。訪れた人々に癒しを与えるような、素晴らしい景色です。

都会の喧騒から離れ、癒しの時を過ごしてみませんか？本記事ではそんな三清山国立公園の魅力をご紹介します。

三清山国立公園とは？

三清山国立公園は、江西省北東部にある自然公園です。三清山は岩山で花崗岩（石材では「御影石」と呼ばれている）によって造られており、その独特な岩石が様々な形で山の至るところにあります。また、自然豊富な三清山では季節ごとの緑や花も鮮やかでその種類は1000種以上あると言われています。

三清山が中国全土で広く知られるようになったのは、葛洪という東晋時代の人によってでした。葛洪は、欠点だらけの人で出世を諦めましたが、その代わりに湅丹術（霊薬を作る技術）などの神仙術を学び、それを書物にしました。この書物が後に道教の名作になり、葛洪が霊薬を作っていた三清山も道教の聖地として有名になったのです。

また、三清山は単に道教の聖地としてだけでなく、その自然が生み出す景観の素晴らしさも人々の心を捉えています。雲海がかかった時の三峰の景色などは、本当に仙人が表れそうで、とても幻想的です。人々が癒しの時を求めて三清山を訪れるのは、このような景観に心洗われるからでしょう。

アクセス

三清山は江西省上饒市玉山県と徳興市の境目に位置するため、上海か広州から鉄道を利用し上饒駅と玉山駅の両方からアクセスすることができます。鉄道の駅からは三清山南山麓までバスに乗り、バスを降りて10分ほど歩くとロープウエィの山麓駅に到着。ロープウェイで山頂駅を目指します。

ちなみに、徒歩で山頂駅までは2時間強。体力に自信のある方は、歩いて登るのもよいかもしれません。また、個人での鉄道やバス移動は、乗り継ぎや時間の関係で心配だという方は、ツアーに参加することをおすすめします。ツアーの場合、上海や広州から三清山まで観光バスで行くのが一般的です。

三清山国立公園のおすすめポイント

1.三峰

自然豊かな三清山は、多くの高等植物が生息し、また多種多様な野生動物の宝庫でもあります。そのような生物環境と長期的な地形の変化によって、不思議な峰と奥深い渓谷が多数形成され、急流の瀑布などの雄大な景観が創り出されてきました。

そんな三清山には、名峰といわれる3つの峰があります。玉京峰、玉華峰、玉虚峰がそれです。その景観は、「三清」とよばれる道教の世界で天上界の最高天にあたる、「玉清境」「上清境」「太清境」に例えられるほど素晴らしいもので、三清山の名称も、このことにちなんで付けられました。

その中でも特に玉京峰は、標高が1819mあり、ここからの日の出は三清山の一大景観となっています。その日の出を見ようと、その場にテントを張って待つ人がいるほどの景観で、玉京峰からのご来光を拝むことのできる人はかなりラッキーだといえるでしょう。

2.奇岩

三清山には、奇岩といわれるたくさんの岩石があります。長年の浸食などによってそれらは造られ、様々な形に見えるので、いろいろな物に例えられたり、名付けられたりしてきました。中でも有名なのが、三清山のシンボル的景観で、「巨蟒出山の大蛇」と言われている大蛇の形をした奇岩です。岩山に張り付くように生える低木の間から鎌首をもたげた大蛇の姿に見えることからこの名が付けられました。

また、「司春女神」と言われる奇岩は、峰にたたずむ髪の長い少女のような姿をしています。実はこの少女は春の女神で、峰から地上を見下ろしているのだそうです。このように、三清山には様々な奇岩が点在し、素晴らしい景観と共に訪れる人の心を捉えています。

注意事項

三清山へは、ツアーで行くなら上海や広州から観光バスを使うのが一般的です。個人で行く場合、最寄り駅まで鉄道を使いますが、玉山駅からは現地までのバスが少ないので、上饒駅を利用した方が良いでしょう。上饒駅は、規模も大きく、三清山までのバス便も多くあります。また、ロープウェイは東側と南側にありますが、故障やメンテナンスのため片方だけしか運行していないことがあります。現地でよく確かめてから山に入りましょう。

◎まとめ

いかがでしたか？雲海の間から仙人が本当に出てきそうな景観が広がる世界遺産三清山国立公園。都会の喧騒から逃れて、そこには別世界が広がります。静かな美しい世界で、心も癒されることでしょう。日常の様々なことから離れて、あなたも三清山国立公園をぜひ訪れてみてください。

【世界遺産】三清山国立公園とは？｜雲海から仙人が表れそうな景観