名称:バルデス半島
住所:RP3, Chubut, Argentina
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/937
世界遺産「バルデス半島」は、アルゼンチンの南部、南太平洋に突き出ている場所にあり、パタゴニア地方に含まれています。ここは、数の減少が懸念されているミナミセミクジラやミナミゾウアザラシの重要な繁殖地となっていることや、ペンギンやアザラシなど様々な種類の動物が生息している重要な場所として、1999年に自然遺産として世界遺産に登録されました。
世界でも珍しいバルデス半島の豊かな動物相は、海や沿岸部だけではなく、陸地にも広がっています。そんな自然豊かで、動物たちの住処となっている世界遺産「バルデス半島」をご紹介します。
目次
絶滅に瀕した動物たちの楽園!アルゼンチンの世界遺産バルデス半島
バルデス半島とは?
世界遺産「バルデス半島」には、絶壁や入り江など複雑で入り組んだ沿岸部があり、絶滅の危機に瀕しているミナミセミクジラやミナミゾウアザラシなど数種の動物たちの生息地域。そのためバルデス半島は、海域や海岸部、空域や一部の陸地が、世界遺産になる以前から重要な自然保護区として守られています。
バルデス半島は、アルゼンチン南部のチュブト州北東部にある南太平洋に突出している草地が広がる場所で、パタゴニア地方に含まれる地域。パタゴニアは、年間を通じて強風が吹き、気温が低く厳しい気候なので、育つ草や木々は限られています。そのためパタゴニアの陸地には、独特の動物たちが生息しており、保護されていますよ。この半島でも、パタゴニアうさぎやスカンク、アルマジロなどを見ることができます。
バルデス半島は、世界遺産として観光地化されつつありますが、動物たちが主役の場所。観光する時は、その生活を少し見せてもらうという気持ちで、彼らの生活を見守るようにしてくださいね。
バルデス半島へのアクセス
日本からアルゼンチンまでは直行便はないので、ニューヨークやマイアミ、ヒューストンなどを経由してアルゼンチンの首都ブエノスアイレスのエセイサ国際空港まで行きます。フライトは、航空会社にもよりますが、30時間前後かかります。
エセイサ国際空港から国内便に乗り換え、トレレウ空港まで2時間ほどで到着。バルデス半島までは、交通手段がないので現地オプショナルツアー等で行くことをお勧めします。
バルデス半島のおすすめポイント2
海、沿岸部
出典: Ivonne Wierink/shutterstock
バルデス半島で重要な環境といえば、海や沿岸部が一番に挙げられるでしょう。バルデス半島で生息している絶滅に瀕したミナミセミクジラやミナミゾウアザラシなどは、この半島の近海もしくは沿岸部に生息しています。ここでは貴重な生物たちがたくさん見られますよ。
ミナミセミクジラは、毎年6月から12月に繁殖のためにバルデス半島近海に訪れます。その時期がホエールウォッチングに最適。マゼランペンギンとクジラの両方を見るには、9月終わりから11月の終わりがおすすめです。
またバルデス半島の東側海岸のカレタ・バルデスには、ゾウアザラシが生息しており、5mを超える大きなオスも見ることができますよ。さらにシャチやオタリア、パンダイルカやラプラタカワイルカなど、さすが世界遺産というほどにたくさんの海洋生物が生息しています。アクティビティでは、スキューバダイビングも人気で、アシカと一緒に泳ぐ体験ができるかもしれませんよ。
陸地
バルデス半島の陸地には、パタゴニア特有の生物が多く見られます。その中でも、パタゴニアウサギやリャマの祖先のグアナコ、カンムリシギダチョウなど、ほとんどアルゼンチンでしか見られないような珍しい動物が生息。特にパタゴニアウサギは、日本でペットとして飼われていることもある可愛らしい動物ですが、ウサギではなくネズミなのです。
またアルマジロは、南アメリカに多く生息する動物ですが、ここでは人からエサを与えられているので、人になついています。世界遺産となることにより観光地化された影響で、駐車場など人が暮らしているエリアでも愛くるしい姿を見ることができますよ。その他にもバルデス半島では、野生の馬やスカンク、キツネなど、移動中にも見られるかもしれないので、目が離せません。じっくり世界遺産を満喫してください。
バルデス半島の注意事項
バルデス半島は、世界遺産であり保護区域となっているので、動物たちへの配慮を忘れないようにしてくださいね。また、バルデス半島では年中、強い風が吹き、気温以上に寒く感じるので、防寒、防風を考慮した服装がおすすめです。
またアルゼンチンの首都ブエノスアイレスでは、スリや強盗などが頻発している地域のあるのでご注意ください。
◎まとめ
アルゼンチンの世界遺産「バルデス半島」をご紹介しました。動物園で見るような動物たちが自然の中で生きている姿を見る機会は、なかなかありません。ペンギンやアザラシ、クジラなどたくさんいるので、迫力満点。日本から遥か遠く離れた場所ですが、素晴らしい世界遺産なので、ぜひ旅行を計画してみてはいかがでしょうか。