名称:ラポニアン・エリア(ラポニア地域)
公式・関連サイトURL: http://whc.unesco.org/en/list/774
スウェーデンの北部には、約5000年も前からトナカイと共に生活している先住民が住む地域があることをご存知でしょうか?その場所はラポニアン・エリアまたはラポニア地域といい、その伝統的な文化や自然が評価され1996年に複合遺産として世界遺産にも登録されました。
ラポニアン・エリアに住むサーミ人と呼ばれる先住民たちのほとんどは、今は現代的な暮らしをしています。しかし彼らには伝統が根付き、オーロラが見られる雄大な自然は言葉には言い表せないほど。そんな観光スポットとしても人気がある世界遺産、ラポニアン・エリアを紹介しましょう。
目次
サーミ人がトナカイと生きるスウェーデンの世界遺産、ラポニアン・エリア
ラポニアン・エリアとは?
出典: Por los caminos de Málaga (CC BY 2.0)
ラポニアン・エリアはラポニア地域とも呼ばれ、スウェーデン北部にある山岳地帯。スウェーデン、ロシア、ノルウェー、フィンランドの4ヵ国にまたがる地域である「ラップランド」にも含まれます。ラポニアン・エリアではサーミ人と呼ばれる少数民族が約5000年も前からトナカイと共に居住しており、現在でもその伝統的な暮らしをしているサーミ人の文化や取り囲む自然は世界遺産へ登録されました。
総面積が約9400平方kmもあるラポニアン・エリアには、氷河が作り出したU字谷や凹地、湖、滝などスケールの大きな自然を満喫することができます。その美しさや貴重さから、ラポニアン・エリアはヨーロッパでも数少ない文化遺産と自然遺産の複合遺産となっています。またこのラポニアン・エリアでは、美しく舞うオーロラや太陽が沈まない白夜なども観光客を魅了しています。
世界遺産に登録されているラポニアン・エリアは、その95%が国立公園もしくは自然保護区となっており、1年間で最も気温の差がる時期にはマイナス40度を下回る厳しい気候となることも特徴です。
ラポニアン・エリアへのアクセス
スウェーデンの世界遺産ラポニアン・エリアへ向かう場合は、キルナが起点となります。スウェーデンの首都であるストックホルムから国内線でキルナに移動し、そこから車もしくはバスでラポニアン・エリアへ向かうことが可能。
なお起点とするキルナには世界的に有名なアイスホテルがありますので、観光の際にあわせてご利用してみてはいかがでしょうか?冬季限定の営業ですが、部屋からベッドなどの家具、バーではカウンターや椅子、グラスまで全て氷でできているホテルです。
ラポニアン・エリアのおすすめポイント①:雄大な大自然
ラポニアン・エリアの最大の特徴といえば、美しく雄大な大自然。このエリアにはムッドゥス国立公園、パジェランタ国立公園、サーレク国立公園、ストーラ・ショーファレット国立公園の4つの国立公園と、シャウンニャ自然保護区、ストゥッバ自然保護区の2つの自然保護区があります。95%を公園や保護区で占められているラポニアン・エリアでは、日本とは全く違う雄大な自然を満喫できますよ。神秘的なほど真っ青の川では、積雪のない夏場にキャンプをする人が後を絶たず、連なる大きな山々を映す湖は写真撮影をするのに最適なスポットとなっています。
また雪の降る冬は一面の銀世界!さらに日照時間の短い11月下旬から3月にオーロラを観測することができたり、太陽が沈まない白夜の夏を体験することができますよ。
ラポニアン・エリアのおすすめポイント②:伝統的な文化
世界遺産にもなったラポニアン・エリアには、約5000年も前からこの場所に暮らしている先住民族サーミ人がいます。今でもトナカイと一緒に生活している人々もおり、ラポニアン・エリアではそんな伝統的な文化を体験できるとして世界中から注目を集めている観光スポットでもあります。
柵もない状態で飼われているトナカイは、夏には山で、冬には東の針葉樹林で放牧しています。その移牧のために、年に数回たくさんのトナカイを一箇所に集める必要があり、昔は犬、現在ではヘリコプターやスノーモービルなどで行っています。スウェーデンに訪れた際は、約5000年も前からトナカイと一緒に生活しているサーミ人の文化に触れることのできるラポニアン・エリアに足を運んでみてはいかがでしょうか?
◎まとめ
スウェーデンの世界遺産ラポニアン・エリアについてご紹介いたしました。ラポニアン地域ではトナカイと生活を共にするサーミ人の文化に触れることができたり、季節によってその表情を変える雄大な自然を満喫したり、日本では味わうことのできないことばかり!オーロラや白夜は、一生に一度は見てみたい光景ではないでしょうか?ぜひスウェーデンに観光に訪れた際は、伝統的な文化や美しい自然が満喫できるラポニアン・エリアに足を運んでみてくださいね。