名称:プランタン=モレトゥスの家屋・工房・博物館複合体
住所:Vrijdagmarkt 22-23, 2000 Antwerpen, Belgi
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/1185
ルネサンス期からヨーロッパ三大印刷として栄えていたベルギーの都市アントワープには、世界で初めて単独の博物館として世界遺産に登録された博物館があります。それが「プランタン=モレトゥスの家屋・工房・博物館複合体」であり、印刷に関する博物館で世界でも珍しい観光スポット。
さらに、世界最大級のコレクション量や、貴重な文書、絵画の数々を鑑賞することができますよ。今回はそんな「プランタン=モレトゥスの家屋・工房・博物館複合体」についてご紹介します。
目次
ベルギーの世界遺産!プランタン=モレトゥスの家屋・工房・博物館複合体
プランタン=モレトゥスの家屋・工房・博物館複合体とは?
「ルネサンス三大発明」といわれている羅針盤、火薬、活版印刷のうち、活版印刷業は15世紀後半にはヨーロッパ中に普及しました。その中でもベルギーのアントワープは、ヴェネツィアやパリと並んでヨーロッパの三大印刷として繁栄した街。
1555年にフランス出身の出版業者クリストフ・プランタンが印刷工房「オフィキナ・プランティニアナ」を建てたことから始まり、多くの出版物を世に送りました。その精巧さから、プランタンの印刷工房であるオフィキナ・プランティニアナとその街、アントワープは一躍ヨーロッパ中に知れ渡るほど有名になります。彼の死後も、1867年まで出版事業を継続して伝統を守り続けました。
その後オフィキナ・プランティニアナは、印刷博物館として公開され、世界最古の印刷機などの設備や、当時の印刷・製本の工程の展示などが評価されて2005年に世界遺産に登録されました。所蔵品はその貴重さだけでなく、印刷博物館として世界最大の規模を誇る点なども特徴の一つとして挙げられます。また「プランタン=モレトゥスの家屋・工房・博物館複合体」は単体として世界で初めて世界遺産に登録された博物館物件としても有名となっています。
プランタン=モレトゥスの家屋・工房・博物館複合体へのアクセス
「プランタン=モレトゥスの家屋・工房・博物館複合体」があるベルギーのアントワープは、ベルギーの首都ブリュッセルから電車で約40分ほどの場所にあります。ブリュッセル北駅から直通の快速電車に乗り、アントワープ中央駅で下車。駅からは、15分から20分ぐらいかかりますが、徒歩で行くこともできます。
プランタン=モレトゥスの家屋・工房・博物館複合体のおすすめポイント2
世界最大規模の印刷博物館
16世紀の大印刷業者であり、出版人であったクリストフ・プランタンの邸宅・工房を母体にして、公開された印刷博物館「プランタン=モレトゥスの家屋・工房・博物館複合体」。ここの最大の魅力は、なんといってもそのコレクションの豊富さです。その精巧さからヨーロッパの中でも最も有名な印刷所の一つであったため、この印刷博物館には世界最大規模のコレクションが揃っていますよ。
書物や写本は約3万冊、木版画は約1万5千枚、銅版画は約3千枚、初期の活版印刷の活字印刷物であるインキュナブラは約150冊と他の追随を許さないコレクション量はまさに圧巻。さらには「ビブリア・ポリュグロッタ」をはじめとするプランタンが手掛けた出版物や、三十六行聖書といった稀覯書などの貴重な蔵書も展示されており、愛書家にとっては外すことのできない観光スポットです。
蔵書以外のコレクション
「プランタン=モレトゥスの家屋・工房・博物館複合体」は、印刷博物館として世界遺産に登録されていますが、ここの魅力は出版物や蔵書だけではありません。印刷工房の最盛期には、世界的にも有名な画家ルーベンスやブリューゲルなどが出入りしており、印刷博物館内には彼らの絵画も飾られています。
他にもこの印刷博物館には、2001年にユネスコの世界記録遺産に登録された、当時の知識人たちの往復書簡や会計記録などの貴重な古文書「オフィキナ・プランティニアナの事業文書」を多数所蔵。さらに、世界最古の印刷機や当時の活字一式などの設備を所有しており、建物自体が職・住一体となった大建築物として注目を集めています。是非、見所が満載の「プランタン=モレトゥスの家屋・工房・博物館複合体」を見学してみてくださいね。
◎まとめ
ベルギーの世界遺産「プランタン=モレトゥスの家屋・工房・博物館複合体」についてご紹介しました。そのコレクション量だけでなく、貴重な古文書や設備、絵画や建物などをまとめて堪能できる世界初の単独世界遺産は魅力的。ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。