イスラムの宗教・学問の中心だったイエメンの世界遺産「古都ザビード」!

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イスラムの宗教・学問の中心だったイエメンの世界遺産「古都ザビード」!

イエメンの西海岸から20kmほど内陸に入ったところにある世界遺産の古都ザビード。2つの涸れ川に挟まれた小さな街ですが、かつてはいくつもの王朝が都を置き、農業や学術、宗教の中心地として繁栄しました。

ザビードは紅海を通じた交易で栄えただけでなく、エチオピア方面からのイスラム教の巡礼者でも賑わいました。そのためイスラム教の学府としても発展し、最盛期には200を超えるモスクやマドラサ(イスラム教の学校)が立ち並んでいたとされています。

現在、都市としての昨日はサナアやフダイアに移り、ザビードは静かな一地方都市になっています。この記事では1993年に世界遺産に登録された古都ザビードの見どころについてご紹介しましょう。

目次

イスラムの宗教・学問の中心だったイエメンの世界遺産「古都ザビード」!

古都ザビードとは

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ザビードの歴史はこの地域では比較的新しく、イスラム教誕生以降の9世紀初頭に遡ります。すなわち、部族反乱を鎮圧するために派遣されたアッバース朝の武将ムハンマド・イブン・ズィヤードが、その後の統治のために城塞を築いたのが始まりとされています。

ズィヤードは819年に自立してズィヤード朝を打ち立ててザビードを首都とし、都市としての第一歩を踏み出します。ズィヤード朝は1018年に滅びましたが、続くナジャフ朝もザビードを都としました。このころには「イエメンのバグダード」と呼ばれるほどに発展していたとされています。

ナジャフ朝は1158年に滅亡し、以後は首都となることはありませんでしたが、その時々の支配王朝によって、ザビードは重視され続けました。12世紀末ごろにはこの地域で最初のマドラサが建設され、14世紀には全長9kmともいわれる城壁が築かれました。

しかし、16世紀にオスマン帝国の支配下に入ると、イエメン地域の中心はサナアに移り、ザビードは急速に廃れていきました。

古都ザビードへのアクセス

世界遺産の古都ザビードへは、イエメンの首都サナアか紅海沿岸の都市フダイダからバスかタクシーで行けます。

どちらの都市にも国際空港がありますが、日本からの便はありません。

古都ザビードのおすすめ①:街並み

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かつてのザビードは城壁に囲まれた要塞都市でしたが、現在まで残っている建物は多いとはいえません。ザビードの伝統的な家屋はレンガを積み重ねて漆喰で固めて造られています。

ファサード(正面)が幾何学的な模様のレリーフで飾られているのが特徴で、家々が寄り集まって迷路のような路地を形成しています。一般庶民の住居(ムラバス)は基本的に平屋建てで、2階建て以上の建物に住んでいるのは富裕層です。

古都ザビードのおすすめスポット②:モスク

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かつてはイスラム世界の宗教と学問の一大拠点だったザビードには、今でも街の規模と比べてとても多くのモスクが建っています。

なかでも「要塞モスク」とも呼ばれる「アル=イスカンデリヤ・モスク」は、白亜のミナレット(尖塔)と城壁のコントラストが美しいザビードのシンボル的な存在。

ほかにもオスマン様式の影響が見られるグランド・モスク(金曜モスク)や、円形のドームと方形の塔が印象的なアル=カミリヤ・モスクなど、世界遺産の古都ザビードには気になるモスクがいっぱいですよ。

◎まとめ

イエメンは2015年に始まった内戦が泥沼化の様相を呈していて、2018年現在で外務省から海外渡航危険情報のレベル4(退避勧告)が出されています。

残念ながら、観光はもちろんのこといかなる理由であってもイエメンへの渡航はできない状態です。

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