地中海に面した湾岸都市!イスラエルの世界遺産「アッコ旧市街」

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地中海に面した湾岸都市!イスラエルの世界遺産「アッコ旧市街」

地中海に突き出た岬を利用したイスラエル国内の都市アッコ。英語読みでアークルないしアクレとも呼ばれていて、アッコはヘブライ語読みになります。現在地上に見えている遺構はオスマン・トルコによって建てられたものですが、地下にはより古い時代の十字軍の遺跡が残っています。そのため、アッコでは今後さらに世界遺産都市にふさわしい遺跡が発掘される可能性を秘めています。

アッコは、バハーイー教の聖地ともなっています。アッコ周辺にはバハーイー教の施設が点在していますが、これらは「ハイファと西ガリラヤのバハーイー教聖地群」として別の世界遺産に登録されています。いくつかの文明が交錯する要塞都市アッコ。その旧市街の魅力をお伝えします。

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地中海に面した湾岸都市!イスラエルの世界遺産「アッコ旧市街」

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アッコ旧市街とは?

出典: alexeys / PIXTA(ピクスタ)

アッコの歴史は紀元前フェニキア時代にまでさかのぼります。フェニキア商人の地中海交易の拠点として発展し、現在はパレスチナ人が人口の3分の1を占めています。

1104年に第1回十字軍が結成されると、アッコはエルサレム王ボードゥアン1世によって攻め落とされます。ボードゥアン1世はアッコをエルサレム王国の首都およびパレスチナの中心都市として整備しました。

1291年、当時十字軍が中東に保持する最後の拠点となっていたアッコは、マムルーク朝エジプトに攻め落とされました。16世紀にはオスマン・トルコに制圧され現在の旧市街の基礎が固められます。1799年にはフランスのナポレオンがアッコを攻囲しましたが、多大な被害を出したものの落とすことができず撤退しました(アッコ攻囲戦)。

アッコ旧市街へのアクセス

アッコ旧市街までは、ハイファからバス271、272で約1時間でアクセスできます。鉄道の場合、ハイファから約30分でアクセスできますが、電車の間隔が30分~1時間ていどなので、事前に現地で時間を調べておくことをおすすめします。ハイファまでは、テルアビブから快速列車で1時間前後です。

アッコのバス停または駅からは、徒歩かタクシーで旧市街に向かいます。徒歩の場合は約20分かかります。

アッコ旧市街のおすすめポイント①:十字軍の遺跡

出典: yzw / PIXTA(ピクスタ)

アッコ旧市街の地下には、12世紀ごろに十字軍が築いた巨大な地下都市空間が広がっています。1104年に第1回十字軍の指導者の1人であるボードゥアン1世がアッコの街を占領すると、エルサレム王国の首都およびパレスチナの中心都市として整備されました。1229年にホスピタル騎士団の支配下となりましたが、イスラム勢力のアイユーブ朝やマムルーク朝の反撃に遭います。13世紀後半になると、アッコは十字軍国家に残された数少ない重要拠点となりました。

アッコ旧市街にあるこの巨大な地下遺構は、1950年代に発見されました。しかし地上に人が住んでいたため、発掘が始まるまでには40年ほども要しました。十字軍により建てられた建築物が単体ではなく、街全体として残っているのは世界でもこのアッコの旧市街だけといわれているんですよ!今でも夏になると。この場所はコンサート会場としても利用されている貴重な世界遺産。複雑なイスラエル周辺の歴史を学ぶためにも、世界遺産アッコの十字軍の遺構を訪ねてみてください。

アッコ旧市街のおすすめポイント②:城壁

出典: Leonid Andronov / PIXTA(ピクスタ)

アッコ旧市街を訪ねてまず驚かされるのが、とても幅広く豪快に残る城壁と堀です。一部は稜堡式になっていて、その堅固さがうかがえます。城壁の上は歩くことができ、アッコの新市街の景色を楽しむことができますよ。

また、城壁に付属する塔は歴史博物館になっています。館内には出土品やアッコに伝わる装飾品、果ては近年まで使われていた昔懐かしい家庭用品のコレクションまで、アッコにまつわる多種多様な展示品が並べられています。

中世の城塞都市を観光するなら、なにはともあれまずは城壁に登るべきでしょう。

アッコ旧市街のおすすめポイント③:ジャッザール・モスク

出典: Leonid Andronov / PIXTA(ピクスタ)

北から世界遺産アッコに入ると、しばらくして正面に青緑色の丸い屋根が見えてきます。これが、1781年にオスマン帝国にアッコの支配者ジャッザール・アフマド・バッシャーによって建てられたジャッザール・モスクです。

内部もアラベスク模様の装飾などが見事で、ムハンマドの頭髪なども保管されているとか。イスラエル領内では、公表されている限りエルサレムを除けば最大のモスクといわれています。もともとはユダヤ教のシナゴーグだったそうで、歴史の皮肉を感じさせる世界遺産スポットです。

◎まとめ

イスラエル沿岸部の世界遺産アッコ旧市街をご紹介しました。バハーイー教の創始者であるバハーウッラーは、オスマン政府により流刑となりアッコで没し葬られたため、バハーイー教ではアッコは聖地なんですよ。アッコ周辺に点在しているバハーイー教の聖地群は、ハイファにあるものと合わせて、「ハイファと西ガリラヤのバハーイー教聖地群」の名で2008年にイスラエルの世界遺産に登録されています。

アッコ旧市街にある、シュークと呼ばれるアラブの雰囲気が漂う市場には、新鮮な魚や野菜、アラビックコーヒー、水パイプ、洋服、お土産などを売っているお店がたくさん並んでいます。シュークはどれも活気があり、コーヒーや水パイプの香りが漂っていて、ここでしか味わえない楽しさに出会えるはず。地下に眠る十字軍の遺跡よろしく、とっておきの掘り出し物のお土産が見つかるかもしれませんよ。

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