【世界遺産】泰山とは？｜皇帝が祈りを捧げた中国一の霊峰！

世界文化遺産は800件以上ある中で、世界文化遺産の登録基準6項目を全て満たしたものは、イタリアの「ヴェネツィアとその潟」、中国では「莫高窟」、そして今回ご紹介する「泰山」の3か所のみとなっています。そして泰山はさらに世界自然遺産の登録基準「類まれな自然の美や美的要素を有した自然現象、または地域を含むもの」も満たした世界複合遺産なのです！まさに泰山はトップ・オブ・世界遺産といえるのではないでしょうか！それでは、中国一の霊峰・泰山をご紹介します！

泰山とは？

山東省の中央部に位置し、華北平原にそびえ立つ世界遺産「泰山」は、祟山（河南省）、華山（陝西省）、恒山（山西省）、衡山（湖南省）とともに中国の伝統宗教、道教の最高の聖地として中国五岳の筆頭に君臨しています。

泰山は、中国歴代王朝の皇帝自ら「封禅の儀」を執り行う神聖な山として知られています。山頂の祭壇で天に感謝の気持ちを表すのが「封」、泰山のふもとで大地に感謝を捧げるのが「禅」といわれ、この2つを合わせて「封禅の儀」といい、皇帝の地位を盤石なものにする大切な儀式でした。史実に残るものでは、秦の始皇帝が封禅の儀を行った最初の皇帝で、以降清の時代まで10人以上の皇帝が行ったとされています。

世界遺産「泰山」の最高峰、玉皇頂は標高1,545メートル。山麓の岱廟から約10km続く参道には7,000段もの長大な階段が設けられています。これを一歩一歩踏みしめながら自力で上りきるのは相当大変そうですが、参道に沿って約2,200もの石刻などの文献、旧跡が残されているので、世界遺産観光の思い出にチャレンジしてみるのもいいですね！体力に自信のない方は、中腹までは車で、そこから山頂に近い南天門まではロープウェイでわずか7分で到着できるのでご安心を！

泰山へのアクセス

泰山に最も近い都市が泰安です。泰安へは、北京や上海、済南などから新幹線が発着しています。泰安駅から泰山の登山口である紅門までバスで30分ほど。紅門から山頂まで頑張って歩いて3～4時間くらいかかります。泰安中心部と泰山の間にある天外村から、泰山中腹の中天門まではバスで40分くらい。そして、この中天門から頂上の玉皇頂までロープウェイで10分足らず、徒歩なら40分くらいです。

泰山のおすすめポイント①：岱廟

世界遺産「泰山」の南麓にある泰山を祀るための廟で、紀元前の秦の時代にはすでに存在していたとの記録が残っています。秦の始皇帝など中国の歴代皇帝たちが泰山に登る前に行った封禅の儀もここから始まりました。

岱廟はいくつもの壁に囲まれた造りになっていて、正殿の天貺殿(てんきょうでん)にたどり着くまでにいくつもの門をくぐる様は、まさに北京の紫禁城のようです！天貺殿は宋の時代1009年の創建で、間口48.7 m、高さ22.3m、奥行き19.8mの壮大な建物で、「紫禁城の太和殿」、曲阜にある「孔廟の大成殿」と並んで中国三大宮殿建築の一つに数えられます。

天貺殿には泰山の神であり、人の生死を司る神でもある泰山府君が祀られています。世界遺産「泰山」の7000段の階段を上る前に、無事をお祈りしてから行くといいですね！

泰山のおすすめポイント②：玉皇頂

世界遺産「泰山」の最高峰である玉皇頂は標高1,545mのところに位置します。なんと泰山は宿泊が可能な世界遺産でもあります！山頂付近の「天街」にはたくさんの宿泊施設が建ち並んでいます。宿泊したい方は事前に予約しておくといいでしょう。1日目は麓から上ってきて日没を鑑賞した後に山頂付近で宿泊し、翌朝早くに日の出を見るというのが泰山のおすすめのコースです。

泰山の日の出と日の入りは、その素晴らしい景色の中でも特に壮麗で、運が良いと雲海に登る日の出が拝むことができます！世界遺産「泰山」への山岳信仰は古くから中国の人々の心に深く刻まれているだけでなく、他の国の人でも感動を覚えるはずですよ！

泰山についての注意事項

泰山観光は天気によって左右されやすいので行く前には天気予報をよくチェックして計画してください。雨が強い時には、7000段の階段が滝のようになって危険なため入山禁止になります。また、濃霧や強風の際はロープウェイが止まることもあるようなので、直前まで運行状況もチェックしておくといいですね。

泰山ではトイレが混雑することが多いので、泰山を登る前には一度お手洗いを済ませておくといいでしょう。

＠まとめ

古来より泰山は中国で最も重要な霊山として庶民から皇帝まで広く篤く信仰を寄せてきました。中国の5元紙幣の裏にデザインされているほど、人々の心に今も深く刻まれている場所です。強すぎるほどのパワースポットともいわれる泰山、登ればきっとご利益満点ですね！

【世界遺産】泰山とは？｜皇帝が祈りを捧げた中国一の霊峰！