名称：Stone Circles of Senegambia
住所：Senegal／Gambia
公式・関連サイトURL：http://whc.unesco.org/ja/list/1226
セネガルとガンビアの両国にまたがる世界遺産「セネガンビアのストーン・サークル群（Stone Circles of Senegambia）」。西アフリカのガンビア川沿いに1000ヶ所以上にもわたって分布するこの遺跡群は、紀元前3世紀頃から建てられたという墳墓です。
中でも最大の大きさを誇るものは、ガンビア共和国のワッス（Wassu）周辺にある52の環状列石で、1000を超える巨石が使われています。イギリスの世界遺産「ストーンヘンジ（Stonehenge）」のように巨大な建造物ではありませんが、神秘を感じられるスポットですよ！
それでは、世界遺産「セネガンビアのストーン・サークル群」についてご紹介していきましょう。
目次
壮大な古代人の墳墓！セネガルとガンビアに跨るストーン・サークル群
セネガンビアのストーン・サークル群とは？
出典： Sheff Digital Pictures／Shutterstock
「セネガンビアのストーン・サークル群（Stone Circles of Senegambia）」は、大きさ、密度、複雑さにおいて世界的にも類がない大変珍しい世界遺産です。独特の広大な景観の中に高度な石工文化を伝えるものとして、2006年にセネガルとガンビア両国の世界遺産に登録されました。
このストーン・サークルは墓の上に墓標として建てられたもので、10～24個の石でそれぞれの環が形成されています。石の重さは大きいもので10tほどに及びますが、高さはだいたい1mから2.5mくらいと人間と比べてもあまり大きくないのが特徴。また、石は鉄器などを使ってきれいに削られているため、ほぼ完全な円筒形や多角形になっています。
未だ謎に包まれたままのストーン・サークル群ですが、組織社会が長きにわたって繁栄してきたことを語る遺跡であると共に、この地で行われていた埋葬習慣を知る上でとても貴重な資料となっているのです。
ちなみに、遺跡の総数は計1,965ヶ所。シネ・ンガエネ（Sine Ngayéne）とワナール（Warnar）、ワッス（Wassu）、ケルバチ（Kerbatch）の4ヶ所が世界遺産の対象となっています。
セネガンビアのストーン・サークル群へのアクセス
セネガンビア（Senegambia）に位置するストーン・サークル群は、長さ約350km、幅約100kmという広大なエリアに広がっています。全ての遺跡を見学するのは難しいので、事前に見たいスポットを絞っておくようにしましょう。
なお、最も大きなストーン・サークル群があるワッス（Wassu）までは、ガンビアの首都バンジュール（Banjul）から東方向に約200km、セネガルの首都ダカール（Dakar）からは南東方向に約350kmです。
どちらからも離れた場所にありますので、車とガイドを手配し一日かけて周れるようスケジュールに余裕を持たせておくと良いですよ。
セネガンビアのストーン・サークル群のおすすめポイント
◆環状列石27号
環状列石27号（monument27）は、世界遺産「セネガンビアのストーン・サークル群」の中でも珍しい二重の環状列石です。サークルの直径は約10mで、内側には15基の石柱が建てられています。ストーン・サークルは墳墓として建てられたものが多いため、遺跡からは人骨や遺体が身に着けていたと思われる装飾品らしきものが発掘されたりもするのだとか。
もちろん、この環状列石27号からも色々なものが出土しているんですよ。頭蓋骨が20個と大腿骨のような骨が100本、そのほか組合せがバラバラの人骨が数体発見されいますが、いつ、誰が、どのように埋葬したかということは未だわかっていません。
環状列石27号はセネガル中部のカオラック州シネ・ンガエネ（Sine Ngayéne）に位置しています。
◆たった一か所だけある儀礼の場
世界遺産「セネガンビアのストーン・サークル群」には、ラテライトの岩の塊がただ立っているだけのような場所が一ヶ所あります。「儀礼的空間」と呼ばれるSN-03には2つの立石の基壇があり、かつて儀礼的なことが行われていたのではと推測されています。
一見ただ地面の上に石が散乱しているような場所なのですが、2003年の発掘調査によってこの地が遺跡であるということが判明。3つの基壇と何らかの儀式で使ったであろう土器なども発見されています。しかし、セネガンビアのストーン・サークル群はまだまだ謎が多く、今後も引き続き調査が行われるとのことです。
◎まとめ
大きさや密度、複雑性においても世界的に大変珍しいといわれる世界遺産「セネガンビアのストーン・サークル群」。セネガルとガンビアにまたがる約3万9000平方Kmの広大なエリアには、4つのストーン・サークル群があり、壮大な歴史スペクタルを感じられるスポットとなっています。セネガルからもガンビアからも訪れることができる世界遺産ですので、ぜひ気軽に足を運んでみてくださいね。
