名称:カパック・ニャン アンデスの道(Qhapaq Ñan, Andean Road System)
公式・関連サイトURL:https://whc.unesco.org/en/list/1459
世界遺産「カパック・ニャン アンデスの道」は、南米6か国にまたがる新しいタイプの世界遺産です。主にインカ帝国の貿易や文化、防衛システムの繁栄に、重要な役割を果たしたインカ道とその遺跡群が含まれます。インカ道が存在する南米のコロンビア、エクアドル、ペルー、ボリビア、チリ、アルゼンチンの6ヵ国が同時に申請し、2014年に世界遺産として登録されました。
インカの人々が築いたこの壮大なカパック・ニャン アンデスの道。魅力と見どころをたっぷりとお届けしますので、旅の参考にしてくださいね!
目次
世界遺産「カパック・ニャン アンデスの道」とは?
出典: Ministerio de Cultura de la Nación Argentina (CC BY-SA 2.0)
南米の6ヵ国にまたがる世界文化遺産「カパック・ニャン アンデスの道」。この道があったからこそ、インカ帝国の首都クスコを中心に、遠く離れた地域を統括することができたと言われています。インカの使者や、租税の徴収者、貿易商、労働者、兵士、旅行者などがこの道を使っていたと思うとロマンを感じますね。
2014年、世界遺産として登録されたアンデスの道の長さは約23000km!その中には、インカ帝国の遺跡などを含む資産が270個以上存在しています。カパック・ニャン アンデスの道は、海側を通る道と、山側を通る道の2つがあり、海側と山側の主要な街を結ぶコネクションとしての道も各所に見られます。インカ時代に様々な人々に使われてきたこの道は、世界遺産に登録されたことで注目度がUPしているんですよ。
ここでは主に、アルゼンチンに属する世界遺産カパック・ニャンの主要観光スポットをご紹介!アルゼンチンの国土には、山側のインカ道と、数か所のコネクションが存在しています。インカ道が通過する主なインカシティは北から、ティルカラ、ラ・パヤ、ランチリョス、アコンキハ、チレシトなどで、道は現在のメンドーサ付近が終点です。
世界遺産「カパック・ニャン アンデスの道」へのアクセス
出典: Kimon Berlin (CC BY-SA 2.0)
アルゼンチンの世界遺産カパック・ニャンは、ティルカラからスタートしてみましょう。
まずは飛行機で、アメリカを経由してアルゼンチンのブエノスアイレスまで行きます。エセイサ国際空港からバスかタクシーで同市内のホルヘ・ニューベリー空港へ移動し、国内線に乗り換えて、次はサルタを目指します。サルタには宿泊施設や観光案内所がそろっており、ティルカラのプカラ遺跡や、近隣の世界遺産ケブラーダ・デ・ウマワーカへ行くツアーもありますよ。
世界遺産「カパック・ニャン アンデスの道」おすすめポイント①:ティルカラ周辺
出典: Simon and Erin (CC BY 2.0)
「カパック・ニャン アンデスの道」の北部にあるティルカラは、標高約2460mに位置する人口5000人ほどの町。アルゼンチンを通る山側の主要なインカ道上にあるわけではありませんが、コネクションがこの町にまで伸びています。
ここには「ティルカラのプカラ遺跡」と呼ばれるインカ時代の住居跡や要塞跡が残っています。保存状態の良い建物もあれば、外構しか残っていない場所も見られる、非常に広範囲にわたる遺跡群。遺跡の他に印象的なのは、青い空に映える沢山のサボテン!ここに咲くサボテンの花はとても美しく、遺跡とのコラボレーションも見どころです。
出典: Marianocecowski (CC BY-SA 3.0)
付近一帯は、色彩豊かなグラデーションの渓谷「七色の丘」が有名な世界遺産の「ケブラーダ・デ・ウマワーカ(ウマワーカ渓谷)」。プルママルカは小さな街なので、絶景を楽しみながら歩いたり、ハイキングもできます。
世界遺産「カパック・ニャン アンデスの道」おすすめポイント②:インカ道的な景観と様々な遺跡群
世界遺産カパック・ニャンを、ティルカラからさらに南に下って行くと、アコンキハがあります。ここは山の高所にあり、行くタイミングによっては強い風が吹いていることも。砂と岩が混ざった土地で、低木やサボテンが隙間をあけて生えています。ここの世界遺産で見られるのは、四角い玄関口の付いた、ほぼ四角の低い建物。なかには、入口が地面より低いものも存在しています。崩れている遺跡も多く、まさに遺跡跡地という感じ。インカらしい雰囲気と、山地でのトレッキングが楽しめるでしょう!
世界遺産インカ道をさらに南に行くと、チレシトがあります。ここには、「Tamberías del Inca」と呼ばれる重要な遺跡が残っています。建物がしっかり残っているというわけではありませんが、丸い大きな土地の跡があり興味深く、現在も調査が続けられています。
◎まとめ
世界遺産「カパック・ニャン アンデスの道」は6か国にも及ぶ長い道ですが、現在の人気観光スポットはほとんどがペルーのクスコ周辺です。しかしアルゼンチンのカパック・ニャン周辺は、ペルーとはまた違った景色を楽しめるので、ぜひ訪れてみてくださいね。