名称:黄龍の景観と歴史地域(Huanglong Scenic and Historic Interest Area)
住所:中国四川省アバザン族羌族自治州松潘県
公式・関連サイトURL:https://whc.unesco.org/en/list/638
黄色がかった乳白色の石灰棚を、天に向かって昇っていく龍に例えられた景勝地こそ、中国の世界遺産「黄龍」です。四川省にあるこの手つかずの場所は、1992年に「黄龍の景観と歴史地域」いう名前で世界自然遺産に登録されています。
黄龍は地震で閉鎖されている九塞溝と近く、山を隔てた約60km南側に位置していますが、景観的な地震の被害は免れています。太陽光によって変化する湖沼の色が神々しいまでの世界遺産「黄龍の景観と歴史地域」へご案内しましょう。
目次
【世界遺産】黄龍の景観と歴史地域とは?|ブルーに輝く石灰華段が魅力!
目次を閉じる
黄龍の景観と歴史地域とは?
中国中央部には、標高4000m~5000m級の山々が約500kmにも連なる岷山山脈があります。その山脈の主峰、標高5588mの雪宝頂を望む玉翠峰から伸びる峡谷が、世界遺産に登録されている「黄龍溝」。3~4億年前の海底が隆起した石灰岩層が氷河に侵食されてできた世界有数のカルスト地形です。
黄龍の入り口である涪源橋の海抜は約3100m、最も上流の「五彩池」は海抜約3553mという高い場所にあります。入り口から五彩池までは、渓谷沿いの遊歩道を約3時間近く上ることになるため、往路だけでもロープウェーを利用するのがおすすめ。可能な高山病対策をして、絶景の景勝地をゆっくりと観光してください。
木々に囲まれた渓流には乳白色の石灰岩層が露出しています。ブルーやグリーンの透き通った水をたたえた大小の池が棚田のように連なった独特の石灰華段は、この世のものとは思えない絶景!天気や角度、沈殿物の具合で変化する水の色も魅力です。
また黄龍溝周辺には絶滅危惧種のジャイアントパンダやキンシコウが生息していることで知られており、ユネスコの世界自然遺産とともに生物圏保護区にも指定されています。
「黄龍の景観と歴史地域」へのアクセス
黄龍へ行くには、まず中国の成都へ向かいます。成田から成都まで、直行便なら約5時間半。成都から黄龍の最寄り空港である四川九寨黄龍空港までは、約1時間のフライトです。
四川九寨黄龍空港から黄龍は、車で約2時間。午前中なら乗り合いバスを利用することができ、タクシーは空港に待機しています。タクシー料金は行き先で決まっているので、乗車前に確認するようにしましょう。
「黄龍の景観と歴史地域」おすすめポイント①:五彩池
世界遺産の景勝地である黄龍のなかでも一番の見どころは、最も上流に位置する「五彩池」。約700ともいわれる乳白色の石灰華段と、目が覚めるようなスカイブルーの水の色が大変美しい場所です。周囲にも遊歩道があるので、のんびり1周すると良いでしょう。
ここは海抜約3553m、富士山の9合目と同じくらいの高地で空気がうすくて辛いのですが、可能であればぜひ全景を見渡せる展望台にも足を伸ばしてくださいね。
「黄龍の景観と歴史地域」おすすめポイント②:金沙舗地
黄龍の真ん中あたり、娑夢映彩池と明鏡倒映池の間にはさまれた「金沙舗地」には、金色のウロコのような石灰棚が連なっています。その上を水が流れる様は、まさに黄龍!ここが、黄龍という名前の由来となった場所といわれています。
黄龍の景観と歴史地域のおすすめポイント②:飛瀑流輝と迎賓彩池
大小のさまざまな池を見ながらどんどん下り、入り口近くにあるのが「飛瀑流輝」と呼ばれる石灰華の滝です。飛瀑流輝は高さ約15m、幅は約70mという大きな滝で、飛び散る水しぶきが太陽の光で輝く様子から名付けられました。
エメラルドグリーンやブルーに輝く350ほどの池からなる「迎賓彩池」は入り口から一番近い池。飛瀑流輝から落ちた水が流れて落ちています。
入り口から歩いて上る場合には最初に迎えてくれる彩鮮やかな迎賓彩池ですが、往路にロープウェイを利用する場合は最後に通ります。
◎まとめ
標高の高い場所にある黄龍は、初夏から秋に訪れるのがおすすめ。秋には湖面のブルーやグリーンの水面に紅葉が映え、色彩や豊かな景観が楽しめますよ。
春にはまだ雪があり、水は凍って流れていない場所もあります。季節によって水量が変わりますし、天気の良し悪しで色も異なります。できればベストシーズンに、スケジュールの余裕を持たせて晴れ間を狙って行くと良いでしょう。高山病対策をしっかりとして、世界遺産の絶景を堪能してくださいね。