名称:Gunung Mulu National Park
住所:Miri, Sarawak Malaysia
公式・関連サイトURL:http://mulupark.com/
日本のおよそ2倍の面積を誇るボルネオ島は、インドネシア、マレーシア、ブルネイの3ヶ国の領土から成り立っています。その内マレーシアの領土は北部にあるサバ州とサラワク州で、熱帯雨林のジャングルになっているのが特徴です。このボルネオ島のジャングルは、サバ州の「キナバル自然公園」とサラワク州の「グヌン・ムル国立公園」として、それぞれ世界遺産にも登録されています。
南米のアマゾンやアフリカ大陸のジャングルよりも古くから存在するというボルネオ島のジャングルには、世界的にも希少な動植物がいっぱい!観光としてはもちろんのこと、生物学者たちの研究対象としても注目のスポットとなっています。
それでは、マレーシアの世界遺産「グヌン・ムル国立公園」の魅力についてご紹介しましょう。
目次
世界最大級の洞窟と無数のコウモリたち!世界遺産グヌン・ムル国立公園
グヌン・ムル国立公園とは?
世界遺産「グヌン・ムル国立公園(Gunung Mulu National Park)」は、サラワク州で最も大きい国立公園です。標高2,377mのムル山を保護するために造られた自然公園で、砂岩質と石灰質の山々に囲まれたカルスト地形と熱帯雨林のジャングルが混在しています。グヌン・ムル国立公園といえば人気なのが巨大洞窟群!
観光用に公開されているのは現在4つの洞窟のみですが、どれも謎に満ちたすごい洞窟ばかりですよ。
「サラワク・チャンバー」は世界最大の地下空洞として有名です。その空間は想像を絶する程の規模で、ジャンボジェット機をなんと40台も収容できてしまう程の広さなのだとか。
「ディア・ケイブ」には数百万匹のコウモリが生息しており、夕方になると一斉に洞窟の外へを飛び立つ「ドラゴン・ダンス」はグヌン・ムル国立公園の観光の目玉となっています。
その名の通り澄んだ水が流れる「クリア・ウォーター・ケイブ」は、東南アジア最長を誇る全長170Kmの洞窟。「ラングス・ケイブ」の洞窟内はライトアップが美しく、幻想的な雰囲気に思わずうっとりしてしまうでしょう。人気のアトラクション「アドベンチャーケイビング」に参加して、探検家気分を味わってみるのも良いですね。
熱帯雨林のジャングルには300種類以上の鳥類や哺乳類のほか、1500種類以上の植物が生息しており「自然の宝庫」と呼ばれています。園内に設置されたトレッキングコースは、初心者向けの易しいコースから熟練者向けのコースまで揃っており、誰でも大自然を楽しめるようになっているので安心!敷地内には宿泊施設も完備されているので、ぜひ日数をかけて世界遺産「グヌン・ムル国立公園」を満喫してみてくださいね。
グヌン・ムル国立公園へのアクセス
ボルネオ島は広いので、島内でも飛行機の移動が一般的です。グヌン・ムル国立公園の玄関口となるムル空港までは、同じサラワク州内にあるクチンかミリからアクセスすると良いでしょう。ただし、どちらも便数が少ない上、天候によっては欠航となる場合があるので注意が必要です。
ミリからムルまでのフライト時間は約30分。毎日運航している朝9時台の便のほか、週4日のみ運行の13時台の便を含む計2便があります。一方、クチンからムルまでは約90分で、こちらは1日1便のみ。週4日の運航となりますので、フライトスケジュールをしっかり確認して旅程を組みましょう。
ムル国際空港から「グヌン・ムル国立公園」の公園事務所までは、車で10分程です。周辺にはレストランやギフトショップもあるので、こちらの宿泊施設を利用するとより効率よく観光を楽しむことができますよ。
グヌン・ムル国立公園のおすすめポイント
◆世界最大規模の洞窟
世界遺産「グヌン・ムル国立公園」の敷地内には、数えきれないほどの洞窟があると考えられています。
現時点では大小100ほどの洞窟が発見されているのですが、そのうち一般公開されているのは4つのみ。
中でも「ディア・ケイブ(Deer Cave)」は世界最大の入り口を持つといわれる洞窟で、数百万匹ものコウモリが住み着いていることで知られています。
ディア・ケイブの一番の見どころは、コウモリが一斉に輪のようになって空に飛んでいく「ドラゴン・ダンス」。その数は200万匹から300万匹ともいわれおり、別名「黒い龍」と呼ばれています。
この「ドラゴン・ダンス」が見たくて、何度もグヌン・ムル国立公園を訪れる観光客もいるそうですよ。
洞窟の入り口には観客席が用意されているので、ゆっくり座って鑑賞してみてください。
雨の日など天候によっては現れないこともあるので、絶対に見たい!という方はムルでの滞在日数に余裕を持っておくのがおすすめ。だいたい夕方の17時30分頃から飛び始め、すべてのコウモリが洞窟の外へ出るまで1時間近く飛び続けるのだとか。その間は、航空機の離着陸も許可されないというから驚きですよね。
◆多彩なアドベンチャーコース
大自然といえばトレッキングを忘れてはいけません。世界遺産「グヌン・ムル国立公園」では、来園者の経験や体力に応じて様々なアドベンチャーコースが用意されています。熱帯雨林ならではの自然を楽しみたい方には「キャノピーウォーク」がおすすめ。世界最長を誇るという約480mのつり橋を渡りながら、鳥になった気分でジャングルの緑に酔いしれましょう。
最も難易度が高いのは「クリア・ウォーター・ケイブ」の連結部を5時間もかけて進んで行くコース。
懐中電灯の光だけを頼りに真っ暗闇の中を歩いていくのですが、途中でサソリや蛇に遭遇することもあるのだとか。水に浸かならければ進めない難所もあるので、事前にコースをチェックしておくと良いでしょう。
他にも、夜のジャングルを散策する「ナイト・ウォーク」や薄暗い地下洞窟をひたすら歩く「ファースト・レーン」、尖った岩山「ピナクルズ山」の登山など、魅力たっぷりのアトラクションがたくさん揃っています。現地発のツアーはもちろん、専属ガイドをつけての個人手配も可能ですよ。
グヌン・ムル国立公園観光の際の注意点
世界遺産「グヌン・ムル国立公園」は、総面積528平方Kmを誇る広大な公園です。天候が変わりやすい山での個人行動は遭難などの恐れがあり大変危険ですので、団体もしくはガイドを同行した上で観光するよう注意しましょう。
また、公園内は熱帯雨林のジャングルとなっており、日頃見かけない動植物が多数生息しています。
中には刺されると危険なヒルや虫もいますので、肌の露出を避け虫よけ対策を万全に。歩きやすいトレッキングシューズを着用するのが好ましいです。
絶滅危惧種に指定されている動植物はもちろんのこと、鍾乳洞は触れることが禁止されていますので、むやみやたらに触らないようルールをしっかり守って観光を楽しんでくださいね。
◎まとめ
世界遺産「グヌン・ムル国立公園」の魅力をお伝えしてきましたが、いかがでしたか?
巨大洞窟内での探検にジャングルのトレッキング、熱帯雨林のリバークルーズ、コウモリの大群と、聞いただけでワクワクするようなアイテムが揃っていますよね。広大な公園内にはまだまだ未開の地がたくさんあり、特に洞窟に至っては全体の半分ほどしか発見できていないとも言われているそうです。
日本ではお目にかかれない貴重な熱帯植物や動物たちは、マレーシアの長い歴史が育んだ宝そのもの。
これからも大事に守っていきたい世界遺産なのです。ぜひ神秘的な絶景を眺めに「グヌン・ムル国立公園」を訪れてみてくださいね!