ロシア・タゲスタン共和国に残る中世の要塞!世界遺産の町デルベント

ロシア・タゲスタン共和国に残る中世の要塞!世界遺産の町デルベント

ロシア連邦には22の共和国があり、その一つタゲスタン共和国。カスピ海の西岸に位置し、ロシアの南端、そしてアゼルバイジャンとの国境にあります。ロシア・タゲスタン共和国は、アレクサンダー大王ゆかりの世界遺産がある神秘的な町。5世紀に要塞として発達したデルベントは、訪れる人を今もなお中世へタイムスリップしたかのような錯覚を見せてくれます。

残念ながら現在、ロシア・タゲスタン共和国は外務省の海外安全情報でレベル3に分類され、渡航してはいけません。しかし治安が改善されれば、ぜひ自分の目で見てみたい世界遺産です。そんなロシア・タゲスタン共和国の世界遺産、デルベントのシタデル、古代都市、要塞建築物群を紹介します。

目次

ロシア・タゲスタン共和国に残る中世の要塞!世界遺産の町デルベント

デルベントのシタデル、古代都市、要塞建築物群とは?

世界遺産があるタゲスタン共和国はアゼルバイジャンとの国境にあり、山岳地帯という特徴から様々な民族が暮らしています。世界遺産の町デルベントはペルシア語で「関所」という意味であり、文字通りユーラシア大陸と中東を結ぶ重要な交易の中心であり要塞でもありました。石造りの2つの壁からなる要塞に囲まれたデルベントは、中世から残る古い建物が数多く残されています。要塞は5世紀から19世紀の1500年近くも戦略的に重宝されていたという長い歴史を持っています。

デルベントの歴史は5000年にも及ぶと言われ、ロシアで最古の町です。伝説ではアレキサンダー大王が北方から野蛮人が侵入しないよう壁を作り、唯一の門をこの地に作りました。なぜならデルベントはカスピ海とコーカサス山脈に挟まれて幅が3キロしかなく、天然の要塞でもあったからです。しかしこの説はロマンであり、実際はペルシャ君主によって建設されたものとわかっています。

デルベントのシタデル、古代都市、要塞建築物群へのアクセス

ロシア・タゲスタン共和国のデルベントへ行くのに一番早くて楽な方法は、まずタゲスタン共和国の首都マハチカラにあるウイタシ空港へ向かいます。マハチカラからデルベントまではバス・電車ともに3時間弱。

デルベントを経由する、ロシアの首都モスクワからアゼルバイジャンのバクーまでの長距離列車があり、モスクワからデルベントまでは1日と19時間。バクーからの場合、第三国の外国人は列車での移動はできません。電車での移動は時間に余裕のある方におすすめです。

おすすめポイント①:シタデル(砦)

デルベントの1番の見どころ、石造りの強固な壁と塔でできたシタデルは1500年近くもの間町を守ってきました。要塞の拠点として山の頂上に位置しており、カスピ海及びデルベントの町を一望できる絶好の景勝地でもあるんですよ。博物館として一般に解放されており、ガイドツアーもあります。軍事施設として利用されていた当時のまま残っており、中世に思いを馳せるのもいいでしょう。

かつて北と南で並行に壁がありましたが、南側はほとんど取り壊されてしまいました。ペルシアの要塞として当時のままの姿が残っているのはこのデルベントのシタデルだけ。歴史的にも需要な世界遺産です。

おすすめポイント②:ジュマモスク

デルベントで世界遺産に指定されているジュマモスクは、ロシアで最古のモスクと言われています。モハメッドの後継者たちが、この地にイスラム教を布教した8世紀に建設されました。彼らは北部コーカサスにおけるイスラム教の聖地としてデルベントを捉え、ジュマモスクはイスラム帝国の影響の外で生まれた、最大で最古のモスクとして歴史的にも大変価値が高い特別なモスクです。

ジュマモスクは旧ソビエト時代には秘密警察の管理下に置かれ、刑務所として利用された時期があります。その後大祖国戦争中の1943年にイスラム教徒に返還され、モスクとして復活するという数奇な運命を辿った場所でもあります。マジュモスクはクーポラを超える巨大な4つのプラナタスの木がが目印で、町のどこからでも見つけることができます。

◎まとめ

ロシア・ダゲスタン共和国が誇る世界遺産、デルベントのシタデル、古代都市、要塞建築物群は中世の町並みが大変美しい場所。さらにカーペットや木製品が特産で、ロシアのブランデー生産の中心でもあります。コーカサスという場所柄いろいろな宗教が混じり合い、教会やモスクが混在していて、それでも人々は穏やかに暮らしているんですよ。そんな世界遺産デルベントは、残念ながら治安の関係上行かないでくださいと言わざるを得ません。しかし、いつかこの貴重な遺跡に行ければいいですね。

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