皇帝のパワーを感じる世界遺産「北京と瀋陽の明・清朝皇宮群」をご紹介

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皇帝のパワーを感じる世界遺産「北京と瀋陽の明・清朝皇宮群」をご紹介

中国には登録数50を超える多くの世界遺産があります。「万里の長城」や「秦の始皇帝陵」など、中国4000年の歴史を感じることができる世界遺産がたくさんあります。その中でも、格調高い宮廷文化に触れることができる世界遺産が「北京と瀋陽の明・清朝皇宮群」です。北京の皇宮は現在は「故宮」と呼ばれており、明や清の時代には「紫禁城」と呼ばれ、皇帝の宮殿がありました。

この北京の「故宮」と清王朝発祥の地に築かれた瀋陽の「故宮」をあわせて「北京と瀋陽の明・清朝皇宮群」として世界遺産に登録されています。今回は中国皇帝から中国の歴史や文化を知ることができる世界遺産「北京と瀋陽の明・清朝皇宮群」をご紹介します。

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皇帝のパワーを感じる世界遺産「北京と瀋陽の明・清朝皇宮群」をご紹介

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北京と瀋陽の明・清朝皇宮群とは?

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1987年に世界遺産に登録された北京にある現在の「故宮博物院」はかつて「紫禁城」と呼ばれていました。
「紫禁城」は1420年に明の初代皇帝、永楽帝によって、14年の歳月をかけて造られた巨大な宮殿。1912年に清朝最後の皇帝、愛新覚羅溥儀が退位するまでおよそ500年にわたり24代の皇帝が居住し、広大な中国を統治し続けた、まさに中国の歴史の表舞台となった場所でした。

2004年には清朝の太祖ヌルハチによって築かれた瀋陽の故宮も含めて「北京と瀋陽の明・清朝皇宮群」として世界遺産に登録されました。

北京の故宮は、その圧倒的なスケールと景観設計、内部の家具や芸術作品の素晴らしさに明、清王朝の富と権力の凄まじさを感じます。また瀋陽の故宮では清王朝の成り立ちから発展の歴史、中国北部の満州族や蒙古族などの異なる伝統文化の特徴を感じられます。

中国の歴史では数多の王朝が生まれては滅んでいきましたが、現存する皇帝の宮殿は北京と瀋陽の2か所のみになっており、世界遺産として貴重な歴史を今に伝えています。

北京と瀋陽の明・清朝皇宮群へのアクセス

・北京の故宮
成田→北京は直行便で約4時間
北京首都国際空港から地下鉄空港線で「東直門」で乗り換え地下鉄1号線で「建国門」さらに乗り換え「天安門西駅」または「天安門東駅」で下車してすぐ。

・瀋陽の故宮 
北京→瀋陽…飛行機で約1時間30分。
瀋陽桃仙空港から「瀋陽駅」までバスで60分。瀋陽駅からは約10分で最寄駅の地下鉄「中街駅」に到着します。瀋陽故宮博物院までは中街駅から徒歩10分ほど。

北京と瀋陽の明・清朝皇宮群のおすすめポイント①:故宮博物院

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かつて紫禁城と呼ばれた明清の皇帝の宮殿には故宮博物院という博物館があります。ここでは、中国4000年の歴史の中で生み出された、約150万点もの書や絵画などの文化財を収蔵しています。

その中でも有名なのが「清明上河図」。北宋末期の時代に描かれたとされ、その後も多くの類作が作られました。この絵は、開封の街を往来する人々の姿を描いたもので、当時の風習や文化を知る上で、貴重な価値があります。さらに、活気のある街ながら、麗しい空気が漂っているようなようすもポイントです。

他にも、春秋時代に使われていた青銅器や、数々の王朝で超一級とされる書や絵画などが展示されています。また、皇帝が儀式の際に着用していた礼服も展示。煌びやかな装飾にも一つ一つ意味があり、中国文化の奥深さを感じることでしょう。

北京と瀋陽の明・清朝皇宮群のおすすめポイント②:壮大な宮殿の数々

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北京の中心にある壮大な宮殿、紫禁城。昔は民の出入りを禁じた紫禁城も、今では世界遺産として「故宮博物院」に名を改め、多くの観光客が訪れています。

世界遺産「故宮」は、敷地面積は72万5千㎡を占める世界最大の木造宮殿です。外側から天安門、端門、午門を抜け、さらに太和門を越えるとやっと故宮の心臓部「太和殿」にたどり着きます。この太和殿のあるのが「外朝」と呼ばれるエリア。ここには、「前三殿」と称される太和殿、中和殿、保和殿があり、故宮を訪れた人は必ずといっていいほど、見学していくスポットです。北京観光で忙しくても、この3つの宮殿だけは観光して行ってくださいね!

世界遺産「故宮」の中でも、必見といえば太和殿の中に見える皇帝の玉座でしょう!金を散りばめた柱に囲まれた玉座には全面に金箔が貼られ、繊細な龍の彫刻がほどこされています。龍は皇帝のシンボルで、太和殿だけで1万2千の龍が彫られています。玉座の上には龍の玉があり、天に認められていない皇帝が玉座に座れば、玉が落下して皇帝を滅ぼすという伝説が残っています。

太和殿などがある外朝では、政務が執り行われたのに対し、皇帝の住居として使用されたのが内廷です。皇帝の寝室として使われた、乾清宮や養心殿などたくさんの宮殿があり、皇帝の生活を垣間見ることができますよ。

中国皇帝の権力や財力を感じることができる故宮では、中国のしきたりや文化などを知ることができるんですね。ぜひ、じっくり見学してください。

北京と瀋陽の明・清朝皇宮群のおすすめポイント②:瀋陽故宮

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中国遼寧省瀋陽市にある世界遺産「瀋陽故宮」は北京の故宮の12分の1の大きさではあるものの、300以上の部屋があり、70以上の建物が建ち並ぶ壮大な宮殿です。

16世紀後半に半農半猟民族であった女真族(じょしんぞく)の首長ヌルハチが周辺部族を統合して満州に後金王国を建国しました。ヌルハチの姓は愛新覚羅といい、明王朝の後に長く続く清王朝の初代皇帝となりました。

世界遺産「瀋陽故宮」は、ヌルハチ亡き後を継ぎ、国号を清と改めた第二代皇帝ホンタイジによって1636年に築き上げたものといわれています。満州族、蒙古族、漢族の建築様式が融合した建物が並び、特に瀋陽故宮のシンボル的な建物「大政殿」は、八角二層の形状で、張殿式と呼ばれる独特な建築様式を用いており、騎馬民族でもあった女真族の移動式テント「ゲル」に似せて造られたものだと考えられています。このように、瀋陽故宮の多くの建物は、異なる建築様式を持つ複数の民族の文化が徐々に融合した独特で貴重なものとして世界文化遺産に登録されました。

実は瀋陽にも故宮博物院があり、清朝の宝物を中心に様々な書や絵画などが展示されています。瀋陽に訪れたときは、瀋陽の故宮博物院も見逃せませんね!

北京と瀋陽の明・清朝皇宮群についての注意事項

故宮博物院の入場チケットの購入にはパスポートの提示が必要となります。休館日は月曜日です。

瀋陽の故宮は夏と冬で、開館時間が異なります。夏は8時~18時、冬は9時~16時30分です。また、瀋陽の故宮は月曜日の午前中は閉館しており、13時から開館します。

@まとめ

世界遺産「北京と瀋陽の明・清朝皇宮群」をご紹介しました!悠久の歴史と皇帝のパワーを知ることができるので、ぜひ中国を観光される際には、訪れて欲しい観光スポットです。

北京の故宮は、壮大なスケールの世界遺産なので、事前に歴史の勉強をしてから訪れるとより深く楽しめると思います!西太后や宣統帝溥儀といった人物のエピソードを知っておくと、まさにドラマや映画の世界を感じることができますよ。

天安門広場から故宮へ、中国の中世から近代の歴史の表舞台を実際に歩いてみると、その迫力を肌で感じられそうですね。

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