名称:紅河ハニ棚田群
住所:中華人民共和国雲南省紅河ハニ族イ族自治州元陽県
公式・関連サイトURL:http://www.cnta-osaka.jp/news/2013/1483
雲南省紅河の元陽県に位置する「紅河ハニ棚田群」は、素晴らしい絶景が評価され2013年に世界文化遺産として登録されました。ハニ族が1,000年以上の長い歳月をかけて作り出した棚田の総面積は約5,4000ヘクタールと世界最大の棚田群です。
被写体としての美しさが反響を呼び、世界中からカメラマンが訪れる世界遺産としても有名です。この記事では雲南省の世界遺産「紅河ハニ棚田群の文化的景観」について紹介していきます!
目次
【世界遺産】紅河ハニ棚田群の文化的景観とは?|ハニ族の壮大な大地の彫刻!
紅河ハニ棚田群の文化的景観とは?
自然を巧みに利用しながら牛と手作業で作り上げた棚田は、3,000段以上にも及ぶ唯一無二の世界遺産です。雲南省の紅河地区に移住してきたハニ族が8世紀ごろから作りはじめました。紅河ハニ棚田群は主に覇達景区、老虎嘴景区、多依樹景区の3つから成っていて、それぞれ独自の景観です。
そんな棚田は森や霧などの自然環境を取り込み、用水路を整備した「灌漑農法」として機能しています。森に降り注いだ雨が田園を通り川へと流れ込み、海へと注いだ後にまた森へ雨として戻ってくるよう巨大な循環システムが成り立っているのも素晴らしいです。
またハニ族には自然保護の概念も深く根付いていて、紅河地区一帯の天然林は水の保全のために守られていたり、必要な場所には植樹も行っています。多様生を保つため生活の糧になる棚田では、各種水棲生物も育てられていますよ。こういった脈々と受け継がれてきた無数の知恵が、世界遺産に選ばれるほどの景観を産み出して長年維持されてきました。
紅河ハニ棚田群へのアクセス
紅河ハニ棚田群は昆明からバスで約300キロメートルのところにあります。昆明から紅河ハニ棚田群の観光拠点となる新街までの所要時間は約6時間です。
また、昆明から蒙自まで列車を利用することもできます。所要時間は約4時間。蒙自駅へ到着したらバスターミナルまで行き、新街までのバスに乗り換えましょう。
紅河ハニ棚田群のおすすめポイント①:景観の美しさ
紅河ハニ棚田群の「文化的景観」と登録されているように、この世界遺産の最大のポイントは景色の美しさにあります。誰もが息を呑む絶景が待っていると言っても過言ではないでしょう。紅河地区の気候は雨季と乾季にはっきりと分かれていますが、稲作など農業が盛んなのはもちろん雨季。観光客にとってオススメな時期は、棚田に農作物がなくなる11月から4月の乾季の時期です。
棚田の水面に光が反射し空が映り込みとも表現される幻想的な景色が目の前に現れます。また、気温が下がる春節のころは雲海がよく現れることでも有名なので朝早く出かけてみてはどうでしょうか?朝日は多依樹景区、日没は覇達と老虎嘴景区で見る景色が人気です。乾季の中ごろには桜や桃、木綿などが赤や白に咲き乱れ棚田に彩りを加えます。いつ訪れてもすばらしい世界遺産ですよ。
紅河ハニ棚田群のおすすめポイント②:ハニ族の文化
素晴らしい棚田を作り上げたハニ族の文化を垣間見ることも、紅河ハニ棚田群観光のポイントです。実は日本人との関連性も最近指摘され、「ハニ族は日本人のルーツの1つである」という研究結果も存在しています。実際にハニ族で古くから伝わる歌が日本の民謡とそっくりだったり、豆を発酵させた食品があったり、民族衣装が弥生時代の衣装と似通っていたりと類似点が数多くありますよ。
現在ハニ族の伝統的な暮らしが残る場所は減少していますが、観光客が村の内部を見学できる村も紅河地区などには存在しています。ハニ族は農作関連の祭日が多くあることでも有名です。
中でも「長街宴」と呼ばれている最大のお祭りは、観光客にも開放されているものがあり、おもてなしの文化を持つハニ族を知ることができる貴重なイベントになっています。世界遺産の棚田を楽しむと共に、それを作り維持してきた人々の文化も一緒に体験してみましょう!
◎まとめ
雲南省の世界遺産「紅河ハニ棚田群の文化的景」について紹介しました。1,000年もの間、引き継がれてきた暮らしが生み出した景観はまさに世界遺産にふさわしいでしょう。
四季折々、時間帯によっても違う顔を見せるので、訪れた際にはじっくり腰を据えて鑑賞してみてください。