【世界遺産】殷墟とは?|実在が確認されている中国最初の王朝の都!

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【世界遺産】殷墟とは?|実在が確認されている中国最初の王朝の都!

殷王朝後期の都の遺跡「殷墟(いんきょ)」。ほとんどの人が、世界史の授業で一度は耳にしたことがあるはず。殷の最後の王「紂王(帝辛)」の名は、『封神演義』を知っている方にはお馴染みですね。

「殷」およびそれより以前に存在したという「夏」は、20世紀前半にこの殷墟が発見されるまでは、文献上にしかみられない幻の王朝でした。考古学的に実在が立証された最古の中国王朝の都市遺跡として、殷墟は2006年に世界遺産に登録されています。

その規模はおよそ24平方キロメートルあり、当時の成熟した文明レベルがうかがえます。また、世界四大古代文字のひとつである甲骨文字や、世界最大の青銅器である重量875キロの「司母戊鼎」など貴重な出土品も数多く見つかっています。中国のみならずアジア全体の文明史を知るうえで、欠かすことのできない世界遺産といえるでしょう。


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【世界遺産】殷墟とは?|実在が確認されている中国最初の王朝の都!

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殷墟とは?

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紀元前17世紀ごろ~紀元前1046年にかけて、約500年30代にわたって続いたとされる殷の最後の都とされているのが殷墟です。

19世紀初頭に金石学者の王懿栄が、薬局店で購入した龍骨という漢方薬の材料に甲骨文字を発見したのが、発見のきっかけといわれています。龍骨の産地が河南省安陽市の小屯村であったことから、この地で発掘が始められました。

厚いしっかりとした土台の上に木の柱や土壁、茅葺屋根などをもった建物遺構が次々に見つかり、ついにここが幻の殷の都であると断定されます。さらなる考古学の調査により、安陽市の洹水両岸に広がっていた殷墟は、緻密な設計によって建設されていたことが判明しました。

東西6km、南北4kmの範囲に、宮殿や王陵、一般人や奴隷の居住区などが整然と区画されていて、都市の外れには墓地も見つかっています。

ちなみに殷の紂王というと、妲己という美女に溺れ、「酒池肉林」や「炮烙の刑」といった悪事の限りを尽くした暴君として知られています。ですが、殷の前、夏王朝の最後の王「桀」にも同様の逸話があるため、すべてが事実ではないと考えらえています。

殷墟へのアクセス

殷墟のある安陽市は北京の西南西300kmほどのところにあります。にあり、敷地は洹河の両岸に広がっています。最寄の空港は鄭州の新鄭国際空港で、成田や関空、静岡空港から直行便が出ています。空港からは安陽市までの直通バスが出ていて、所要時間は3時間ほどです。

中国国内線は上海からは出ていますが、北京からの鄭州新鄭国際空港への飛行機はありません。北京から安陽駅までは鉄道で約6時間、北京西駅から京港旅客専用線の石武旅客専用線を利用すれば、安陽東駅まで最速約2時間20分で行けます。

ただし、安陽駅から殷墟までは歩いて行ける距離ですが、安陽東駅からはだいぶ離れています。バスやタクシーを使うことになりますが、後者の場合は料金や行き先をごまかされないよう注意する必要があります。

殷墟のおすすめポイント①:王陵

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現在博物館のある宮殿宗廟と、川を隔てた北側に位置する王陵は、中国で最も古い陵墓群として有名です。地下に掘られた墓は十数ヶ所にのぼり、全体で東西450m、南北250mに及びます。また青銅器や石器、陶器などが数多く出土しただけでなく、2000ほどの殉葬墓が発見されています。

王陵は「甲」・「亜」・「中」の形をしているものが多く、なかでも最大の王陵は15メートルの深さをもち、面積は1803平方メートルもあります。殷の王族が栄華を極めていたようすをありありと感じられるでしょう。

数ある王陵からの出土品のなかでも、最も価値の高いものの1つが「司母戊鼎」です。高さ1,33メートル・長さ1,1メートル・重さは875キログラムにも達するな巨大な青銅器で、巨大ながら緻密な模様が施されているなど、高度な鋳造技術に目を見張ります。

殷墟のおすすめポイント②:甲骨文字

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甲骨文字が発見されなければ、殷墟も見つかることはなかった、もしくは発見が遅れたことでしょう。そのくらい殷墟と甲骨文字は切り離せない関係にあります。

現在もその全貌は解明されておらず、これまでに16万枚以上の亀甲や獣骨が発掘され、そこに彫られた文字は約4500個にのぼります。その内1500文字ほどは意味が解明されていて、当時の王族が信じていた占いの内容が主に記されていたと考えられています。

また占いの吉凶だけにとどまらず、政治や文化、医学、天文の知識など、甲骨文字の記録はあらゆる分野に及んでいます。宮殿宗廟遺跡に建設されている博物館で、それらを見ることができますよ。人類最古の古文書と評されることもある甲骨文は、安陽市の殷墟観光の見どころのひとつとして忘れずに目に焼き付けておきましょう。

殷墟のおすすめポイント③:婦好墓

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婦好は、第23代殷王ある武丁の妻です。政治や軍事に携わった女性としては中国史上最初の人物で、軍を率いて何度も辺境に出征し、多くの所領を与えられたことが甲骨文に記されています。その婦好の墓と目されている墳墓が、宮殿宗廟区内にあります。

殷墟にある王族の墓のなかでは、ほぼ唯一盗掘を免れている貴重な遺跡!墓陵内からは6匹の犬のほか、16人の殉死者、440以上の青銅器、約600もの玉石器、石彫類、骨角器、約7000枚の貝貨などが出土しています。婦好墓は内部を見学することもできるので、ぜひ足を運んでみてください。

◎まとめ

殷墟は今も発掘作業が続いていて、全容が解明されていない謎の多い世界遺産です。中国文明初期の王朝として歴史的価値が高く、それゆえに世界遺産にも登録されていますが、殷墟はいまなおミステリアスな雰囲気をまとった観光名所でもあるのです。

遺跡保護のため、地上に再現された建造物は専門家の綿密な検証を経て遺跡を傷つけないようにつくられています。そのため観光スポットとしては物足りないと感じられそうな部分もありますが、世界史的に重要な遺跡ですから、その意義をかみしめつつ見学しましょう。

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