名称:雲崗石窟
住所:37000 中華人民共和国山西省大同市城区武周山麓
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/1039/
大同市に位置する「雲崗石窟」の造成が始まったのは、今から1,500年前の北魏時代のこと。完成までにおよそ70年の歳月を要しましたが、鮮卑族の文化や仏教の影響、そして秦漢の時代から受け継がれてきた伝統が融合したオリジナルな様式として高い名声を得ています。そんな背景から2001年に世界遺産へ登録され、大同市の雲崗石窟は国内外から観光客が集まる世界遺産となりました。
この雲崗石窟は大同市の西16kmにある武周山南斜面に東西1kmに渡って続いています。敦煌の莫高窟や洛陽の龍門石窟などと並び、中国三大石窟のひとつでもあります!
さて、今回はそんな世界遺産、雲崗石窟の魅力をたっぷりと紹介していきます!
目次
【世界遺産】雲崗石窟とは?|高い彫刻技術と仏教思想!
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雲崗石窟とは?
雲崗石窟は北魏の時代に曇曜という僧侶が時の皇帝、文成帝に申し出たことから造営が始まりました。5人の北魏の皇帝を模した「曇曜五窟」は雲崗石窟観光の最大の見どころです。
主な石窟は53窟も確認されており、大小さまざまの仏像が50,000体も彫られています!494年の洛陽遷都まで皇帝主導で造営が続きましたが、遷都後も民間の人々によって小規模の石窟が520年ごろまで作られ続けたとされています。これらの史実から、当時の根強い仏教信仰をうかがい知ることができますね。大同市が世界に誇る世界遺産であるといえます!
そんな「雲崗石窟」は日本人との関連が深い世界遺産であることを知っていますか?20世紀初頭に大同市を訪れた建築家、伊東忠太がその存在を紹介したことが、雲崗石窟が世界中から脚光を浴びるきっかけになりました。そして日華事変の勃発により日本が大同市を占領したことで、日本人により研究、保護活動が行われました。
雲崗石窟へのアクセス
世界遺産「雲崗石窟」に近い都市の大同へは、東京成田空港から、北京か上海を経由して、約15時間ほどのフライトになります。大同空港から市内中心部へは、バスでアクセスできます。そして、路線バスの「旅游603」に乗り込み、順調に行けば30分ほどで到着します。
中国旅行に不慣れな方や不安に感じる方は、現地のオプショナルツアーに参加するといいでしょう。
雲崗石窟のおすすめポイント①:曇曜五窟
「曇曜五窟」は世界遺産登録の要因になったといえるスポットです。曇曜五窟は、観光客を魅了して止まないダイナミックな仏像が人気です。先ほども述べた通り、460年に文成帝が高僧曇曜の願いを聞き入れたことから、雲崗石窟の造営が始まりました。
現在、16~20窟と呼ばれている石窟がこの「曇曜五窟」であり、第20窟に彫られている大仏は北魏の太祖、道武帝を模しているともいわれ、雲崗石窟を最も代表する大仏として人気を博しています。アフガニスタンのガンダーラ仏の影響を受けている13.75mの大仏はがっちりとした体格に右側がはだけた袈裟を着用していて、のっぺりとした顔に高い鼻が特徴的です。
また、19窟にある本尊坐仏は優しい顔をしていたりと、それぞれの仏像をじっくりと比べてみるのも興味深い世界遺産観光となることでしょう!
雲崗石窟のおすすめポイント②:1~15窟の石窟群
470年前後から494年ごろに造営されたのが1~15窟の石窟群です。5窟と6窟の前にそびえる木造楼閣は清の時代に建設されたものですが、北魏時代にはすべての石窟の前にこのような楼閣が構えてあったと伝えられています。
5窟の内部に、雲崗石窟で最大の高さを誇る17mの金色の釈迦牟尼坐像。この5窟は、漢民族の文化を強く受けていいます。「天上の世界」を表しているとのことで、飛天や仏の彫刻が施されている空間は荘厳な印象を受けることでしょう。
また、8窟と9窟はインドの影響を受けており、5窟とは異なる色彩をもつのが特徴です。それぞれの違いに注目して見学すると、たくさんの文化に触れることができて楽しいですよ。
雲崗石窟のおすすめポイント③:懸空寺
雲崗石窟から車で1時間30分ほどいったところにある「懸空寺」は中国の三大宗教である儒教・仏教・道教の思想を組み合わせた寺院で、5世紀の末に建立されました。
やはり、その魅力といったら、断崖に沿って並ぶ壮麗な建造物群。詩仙の異名で知られる詩人の李白は、懸空寺を見て「壮観」と岩壁に記したといわれています。懸空寺は主に6つの建物が木製の桟道で繋がっており、見物客はその桟道を歩きます。
オススメの見どころの「三教殿」には、儒教・仏教・道教のそれぞれの開祖である孔子・釈迦・老子の像が並んでいます。懸空寺ならではの景色なので、ぜひ見に行ってください。懸空寺は世界遺産には登録されていませんが、雲崗石窟とあわせて観光したいスポットですね!
◎まとめ
1500年も前の時代にこれほど大規模の石窟を作ったなんて、想像以上の労力を要したことでしょう。当時の王朝の絶大な権力や、民間人まであまねく浸透していた仏教信仰がうかがい知れます。
世界文化遺産の登録基準をすべて満たした莫高窟、そして雲崗石窟の流れを継ぐ龍門石窟とあわせて、中国の三大石窟をすべて観光する計画へのチャレンジもしてみてはどうでしょうか?ぜひ雲崗石窟の観光が思い出深くなることを願います!