名称:Historic Centre of Santa Cruz de Mompox
住所:Mompos, Departamento de Bolívar, Colombia
公式・関連サイトURL:https://worldheritagesite.xyz/santa-cruz-de-mompox/
コロンビア北部のマグダレナ川中流に、スペイン植民地時代の街並みの残るサンタ・クルス・デ・モンポスがあります。人口約3万人の小さな町で、旧市街全外が世界遺産に登録されています。先住民インディヘナや征服者であるスペイン人、そしてスペイン人が連れてきたアフリカ人と、多様な文化が入り交じった魅力溢れる観光都市です。
またモンポスは、ラテンアメリカの「解放者」として知られるシモン・ボリバルのお気に入りの街でもありました。英雄をも魅了した世界遺産サンタ・クルス・デ・モンポスの見どころをご紹介します。
目次
英雄も魅了された!コロンビアの世界遺産サンタ・クルス・デ・モンポス
サンタ・クルス・デ・モンポスの歴史地区とは
世界遺産の町サンタ・クルス・デ・モンポスは、1537年にスペイン人によって建設されました。都市名のサンタ・クルスは当時のカルタヘナ総督、そしてモンポスは先住民キンバヤ人の地元首長の名前に由来しています。モンポスは、コロンビア中部の物資が集積マグダレナ川の河港として発展しました。
1812年、ベネズエラ独立運動に身を投じていたシモン・ボリバルは、劣勢に立たされてモンポスに身を寄せます。ここで400人ほどの兵を募ったボリバルは、カルタヘナで徹底抗戦を誓うカルタヘナ宣言を発表し、翌年にはカラカスを攻め落としました。ボリバルは後に、「もし私の人生がカラカスのおかげならば、私の栄光はモンポスのおかげである」と語ったといわれています。
20世紀に入るころには、マグダレナ川の流路が変わり、交易都市の地位は現在の本流沿いにあるマガングエに移りました。モンポスは急速に衰退し、現在は静かな地方の観光都市となっています。
サンタ・クルス・デ・モンポスへのアクセス
サンタ・クルス・デ・モンポスの最寄りの空港は、カルタヘナにあるラファエル・ヌニェス国際空港です。首都ボゴタのほか、アトランタやマイアミ、ニューヨークなどとの間にも国際便があるので、日本から乗り継ぎ1回で行くことも可能です。
カルタヘナからモンポスまでは、車で片道3〜4時間です。コロンビアの首都ボゴダから日本語対応可能のツアーも出ているので、こちらを利用するのもおすすめです。
サンタ・クルス・デ・モンポスの歴史地区のおすすめポイント
1. サンタ・バルバラ聖堂
出典: takawildcats / PIXTA(ピクスタ)
サンタ・クルス・デ・モンポスの歴史地区はこじんまりとした小さな世界遺産なのですが、歴史的な教会が6つも存在します。それぞれオレンジや黄色、茶色や白などカラフルな外観をしているので、散策しているだけで楽しくなりますよ。
なかでもサンタ・バルバラ聖堂は最も古く、1613年に建てられた教会です。かぼちゃの中身のような濃い黄色が特徴で、サンタ・クルス・デ・モンポスを代表するモチーフとしてもよく見られます。この色は「コロニアル調の黄色」と呼ばれ、よく見ると場所によって濃さが違うんですよ。外壁に描かれた葉っぱのイラストがとても可愛らしいので注目してみてください。
可愛らしい教会ですが、敷地内には砲台が設置されていて驚かされます。これはスペイン植民地時代に、先住民を監視する要塞としての役割を兼ね備えていたことによるもの。植民地開発が始まった当時の名残が見られる、貴重な世界遺産スポットです。
2. 旧市場と広場
マグダレナ川とともに栄えた世界遺産サンタ・クルス・デ・モンポスの歴史地区には、今でも河港の町の名残を見ることができます。もともと水害対策として盛り土をした上に建設されているモンポスの河岸には、マーケットとして使われていた建物が残されています。
今では川を貨物の運搬に使うことはありませんが、モンポスの人たちは今でも川や池に囲まれた世界遺産の街を「島」と呼んでいるそうです。やはりこのマーケットも、他の建物同様まるでアイシングで作ったお菓子と見間違えるほどの可愛らしい色と造りをしています。
サンタ・クルス・デ・モンポスの歴史地区の注意事項
コロンビアを含む中南米では、蚊を媒介して患うジカウイルスが流行していました。2016年時点で、発生件数が激減しているとの公式発表が出されています。しかしながら念のため、妊婦や妊娠を予定している方は注意が必要です。
まとめ
2018年現在、サンタ・クルス・デ・モンポスのあるボリーバル県南部には外務省の海外危険情報レベル2が発令されています。これは、不要不急の渡航を中止するよう要請するものです。
この地域では非合法武装集団の活動が確認されています。外国人を狙った身代金目的の誘拐などの危険があるので、十分な安全を確保できない状態での渡航はやめてください。