名称:Kernave(ケルナヴェ古代遺跡)
住所:Kerniaus g.6,Lietuva(ケルナヴェ聖堂)
公式・関連サイトURL:http://www.kernave.org/index_en.html
バルト三国の最も南に位置するリトアニアの世界文化遺産は4箇所。そのうちの一つがケルナヴェ古代遺跡です。
ケルナヴェはリトアニアの首都ヴィリニュスから北西にある街で、広大なケルナヴェ国立文化保護区がケルナヴェ古代遺跡として2004年に世界遺産として認定されています。ケルナヴェ古代遺跡は、リトアニアの自然を育むネリス川の渓谷にあり、緑豊かな丘の城塞から眺める景色が最高に気持ちの良い場所。ヴィリニュスから近いとあって、リトアニアに訪れた際に気軽に立ち寄りやすい世界遺産です。旧石器時代から集落があったという貴重な歴史が残されている「ケルナヴェ古代遺跡」をご紹介します。
目次
自然ともにある古代遺跡!リトアニアの世界遺産ケルナヴェ古代遺跡
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ケルナヴェ古代遺跡とは
出典: Evaldas Liutkus / flickr (CC BY 2.0)
世界遺産ケルナヴェ古代遺跡の始まりは紀元前、旧石器時代にまで遡ります。ケルナヴェ古代遺跡の土地からは旧石器時代後期から中世までの住居跡が発掘されたほか、5箇所の丘の要塞やキリスト教が生まれる以前の時代の伝統を伝える歴史的な遺物が数々発見されました。そのため「リトアニアのトロイ」と呼ばれているほど、考古学的に価値の高い場所なんです。
現在は数百名のみが暮らす小さな街ですが、ケルナヴェは中世時代のリトアニア大公国の首都が置かれていた由緒ある街でした。丘の上には当時、木造の城が築かれていたと伝えられています。残念ながら中世時代の城や城下町は14世紀後半、ドイツからのチュートン騎士団によって破壊されてしまいました。それからケルナヴェ古代遺跡は土の下で長い間眠り続け、再び発掘されました。
当時の歴史を伝える希少な世界遺産として保存され、現在も研究が続けられています。ネリス川と渓谷そして四季折々の自然を感じさせる景観が素晴らしく、年間を通して多くの観光客が訪れる人気のレジャースポットでもあります。またケルナヴェでは毎年夏になると伝統的な夏至祭が行われるため、世界遺産と合わせて参加できれば、より古代遺跡の雰囲気を楽しめそうですね。
ケルナヴェ古代遺跡へのアクセス
世界遺産ケルナヴェ古代遺跡へはリトアニアの首都ヴィリニュスからバスで向かいましょう。バスターミナルの乗り場は青10番と11番で、料金は乗車時に運転手に直接支払います。所要時間は約1時間ほど。車内アナウンスはないので、あらかじめ運転手さんに、ケルナヴェ古代遺跡で降りたい旨を伝えておくと到着時に教えてくれますよ。
周囲にはケルナヴェ古代遺跡以外にはあまり何もないエリアで、往復ともにバスの本数は少なめ。バスの時刻表はしっかり確認しておきましょう。
忙しないのがイヤという方は、あらかじめタクシーをチャーターしておくという方法も安心ですね。
ケルナヴェ古代遺跡おすすめポイント①:ケルナヴェ聖母マリア教会
世界遺産を示すユネスコの看板を過ぎると、訪れる人を出迎えてくれるのが立派な佇まいのケルナヴェ聖母マリア教会です。ケルナヴェ古代遺跡見学のスタートはこの教会からがオススメですよ。赤レンガのケルナヴェ聖母マリア教会は、1910年から10年間の時間を費やして建設されました。ネオゴシック様式の美しい建築様式が特徴的で、まさにケルナヴェ古代遺跡の顔といえる存在感。聖堂内には数々の聖遺物やステンドグラスが保存されています。
現在の教会の隣の敷地にはかつて旧聖堂がありました。1420年に建てられたとされている旧聖堂の礎は1739年に発掘され、今も教会のそばに残され静かにケルナヴェの地を見守っています。このケルナヴェ聖母マリア教会と旧聖堂の礎も含めて「ケルナヴェの古代遺跡」として世界遺産に登録されています。
ケルナヴェ古代遺跡おすすめポイント②:小さな木造の礼拝堂
ケルナヴェ聖母マリア教会のそばにひっそりと佇む小さな礼拝堂も、世界遺産ケルナヴェ古代遺跡の象徴的な存在です。三角屋根がかわいらしい礼拝堂は、リトアニアならではの伝統的な建築様式。この礼拝堂は元々13世紀末に別の土地に建てられていたものが、この地に移築されたと伝わっています。礼拝堂の背景に広がる大自然の風景美を楽しみましょう。
また「リトアニアの十字架の手工芸とその象徴」として世界無形文化遺産に登録されている、リトアニア独特の十字架のデザインもぜひチェックを。ケルナヴェ古代遺跡の出土品を展示している考古学歴史博物館に行くと、さらに詳しい遺跡の歴史に触れることができますよ。
ケルナヴェ古代遺跡区の注意事項
世界遺産ケルナヴェ古代遺跡の全エリアの入場は11月から3月までの開園時間は10時から16時までで、日曜と月曜がお休みです。また4月から10月までは10時から18時までが開園時間となり、月曜と火曜がお休み。そのほか年間を通じて、リトアニアの祝日はお休みです。
要塞跡の丘には遊歩道があり、歩道以外の丘の斜面を下ることは世界遺産の保存上禁止されています。また火器の使用も禁止されていますのでご注意ください。
◎まとめ
リトアニアの世界遺産ケルナヴェ古代遺跡をご紹介しました。ヴィリニュスからバスで手軽に行けるので、リトアニアを訪れた際は足を伸ばしてぜひ郊外の旅をお楽しみください。ケルナヴェと合わせてリトアニアの美しい湖畔リゾート、トラカイへ行くのもオススメですよ。
リトアニアは森や湖がたくさんあり、どの地方でも自然が身近に感じられます。ベストシーズンは日照時間の長くなる夏。程よい気候の中での世界遺産散歩は気持ちがいいですよ。