名称:福建土楼
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/1113/
中国の福建省に独特の円形住宅が点在する場所があります。これが世界遺産「福建土楼」で、福建省の西部と南部の山中に点在する漢民族の伝統的な民家建築です。宋元時期から造られ始めたと考えらえている福建土楼は、大きいものだと何十世帯も暮らしているのだとか。
円形だけではなく四角形もあるこの民家は、土壁に瓦屋根が美しく中国の歴史感じるとても魅力的で珍しい建築物となっています。
現在、交通の面から観光客は比較的少なく、現地の人々は昔と変わらない生活が続いています。そんな歴史ある漢民族の民家、世界遺産「福建土楼」をご紹介しましょう!
目次
【世界遺産】福建土楼とは?|見たこともない円形住宅!?
福建土楼とは?
世界遺産「福建土楼」は、福建省西部と南部の山中に点在する円や四角などの住宅で、中央に空間があるのが特徴的な漢民族の民家です。福建省永定県や南靖県、華安県などに点在しており、一部は近くの都市アモンからツアーが出ています。
しかし、現在でも住民以外は近寄ることがなかなか難しいような山奥にあるものもあり、世界遺産では珍しく観光地化があまり進んでいない名所です。
土楼は、宋元時期から見られ始め、地震や防火、獣や外敵の襲来に備えてこのような形態になったと言われています。また、この住宅は円形や四角形が多くみられ、それぞれ円楼、方楼と言います。
大きいもので何十世帯が一緒に暮らすことができ、数ヶ月は籠城しても暮らせるよう、この中には生活に必要なものが詰まっています。最下層が食事・調理場、2階は倉庫、3階より上が居住場所として利用されるのが一般的です。
土楼は、厚い土壁や石垣と木の骨格から作られており、土楼に一つある門には鉄板で補強されています。随所に籠城としての工夫が施されている守りの家屋です。内部の階段や扉、上階にある渡り廊下には木が使われ温かい雰囲気があります。特に扉には中国らしい素敵な彫刻が施されています。
福建土楼へのアクセス
福建土楼は、点在しているので一度に全てを回るには移動にとても時間がかかります。そのため、以下のおすすめポイントを参考に、行く場所を限定して行くのが良いでしょう。
車でしか行くことができませんので、厦門からのオプショナルツアーでの参加が便利です。厦門から初渓土楼群は片道約4時間、華安土楼までは片道約2時半のツアーが人気です。厦門までは、直行便で成田から4時間半ほど、関空からだと3時間半ほどで到着します。
福建の土楼のおすすめポイント
初渓土楼群
福建土楼の中で福建省永定県にある見応えのある土楼群が、この初渓土楼群です。初渓土楼群は、この世界遺産の中でも土楼の数の多さが魅力の場所。円楼、方楼の両方を見ることができ、土楼で街が作られている情緒ある場所です。
初渓土楼群にある円楼は、円の中心に小さな一軒家のお家が建っているという構造のものが多く、その中でも最大の集慶楼という土楼には、観光客向けの宿泊部屋もあります。見学だけでも土楼の2階や3階に上がることができますので、土楼の世界に浸ることができますよ。中国提灯がとても味わい深く、いい雰囲気にしています。
この土楼群を見る日帰りツアーもありますが、行くのに時間がかかりますので1泊するのがいいでしょう。その際は、ぜひ世界遺産の土楼内に宿泊してみてください!現地の人の生活が体験できる貴重な機会です。福建省のお茶やグルメを楽しんだり、夕暮れや朝焼けの土楼はとても美しいですよ!
二宜楼
福建土楼の中で福建省華安県にある二宜楼は、この世界遺産最大の土楼で直径は70mほどで4階建になっています。これは200年前に建てられたもので、保存状態が良いことでも知られており、観光には人気がある場所です。
二宜楼は、内部の住居などを見学することができる貴重な場所。内部は土壁ときれいに積まれた瓦、扉の飾り彫がとても美しく、中国文化の魅力を感じます。この二宜楼がある村にはこの他にあと2つ土楼があります。1つは、博物館になっている南陽楼という円楼、その隣に立つ東陽楼という方楼です。
博物館では、漢民族について知ることができます。また、ここは厦門から車で2時間ほどと、福建の中でも比較的行きやすい場所にあるため、日帰りツアーが人気です。土楼自体は少ない場所ですが、この世界遺産のことがよくわかる場所ですよ!
◎まとめ
世界遺産「福建土楼」をご紹介しましたが、いかがでしたか?中国の世界遺産の中でも観光地化されていない場所の残る名所ですが、今回紹介したようなツアーが出ているところはお土産物が売られていたり、土楼内に宿泊できるようになっていたりと観光客をもてなすように変化しています。
この世界遺産でのむ福建省のお茶は、最高ですよ!中国映画の中のような、古き良き漢民族の民家を楽しんでみませんか?