アショーカ王の仏塔!インド最古の仏教遺跡「サーンチーの仏教建築物群」

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アショーカ王の仏塔!インド最古の仏教遺跡「サーンチーの仏教建築物群」

インド中部マディヤプラデーシュ州中西部に位置するサーンチー村には、インド最古といわれる仏教遺跡が残されています。インド亜大陸をほぼ統一したアショーカ王(在位紀元前273~前232年頃)が建てたストゥーパ(仏塔)がほぼ形を変えずに残されているんですよ。歴史的にも仏教美術においても非常に重要とされている場所で、「サーンチーの仏教建築物群」として世界遺産になっています。それではサーンチーの仏教遺跡群をご紹介します。

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アショーカ王の仏塔!インド最古の仏教遺跡「サーンチーの仏教建築物群」

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サーンチーの仏教遺跡群とは?

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世界遺産「サーンチーの仏教遺跡群」は長い歴史のある仏教史において欠かせないスポットの一つとなっています。紀元前3世紀、仏教を庇護したアショーカ王が8万を越えるストゥーパ(釈迦の遺骨を安置するための仏塔)をつくりました。サーンチーには8つが建てられ、うちの3つが現存しています。やがてインド国内の仏教衰退と共に仏教建築の多くは破壊の対象となりましたが、サーンチーの遺跡群は木々に囲まれ存在を忘れられていたために破壊を免れたんです。サーンチーのストゥーパは素朴な美しさがあり必見ですよ。

サーンチーの仏教遺跡群へのアクセス

サーンチーに空港はないので成田もしくは関西空港から首都デリーまで向かい、乗り換えて州都であるボーパールまで向かいます。
ボーパールからサーンチーまではバスで所要時間約90分程です。

サーンチーの仏教遺跡群のおすすめポイント①:大ストゥーパ第1塔

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サーンチーのストゥーパ群で最も大きな大ストゥーパ第1塔は紀元前3世紀アショーカ王によって基礎が作られました。当時の作られたものは現在の半分ほどのサイズでレンガ積み。そのレンガ積みを軸として石を使って拡張し、現在残っている立派な姿に改築したと発掘調査の結果わかりました。

サーンチーのストゥーパ群の中でも最も綺麗に形を残しているのがこの大ストゥーパ第1塔で、長い年月を越えてなお堂々と小高い丘の上にそびえ立っています。塔の四方には日本の鳥居を彷彿させるトラナという門があり、ブッダに関する細かい彫刻がなされています。ブッダの誕生から入滅までの流れを見ることができますが、ブッダの姿を描くことは当時禁止されていたためブッダ自身の姿が一切ないのも興味深いです。その後の仏教衰退の中、奇跡的に形を残した大ストゥーパ第1塔は見逃すことのできないスポットですよ。

サーンチーの仏教遺跡群のおすすめポイント②:ストゥーパの塔門

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ストゥーパの前にそびえる塔門も見どころの一つ。日本の神社に見られる鳥居に似たこの石造りの門でチェックしてほしいのが、全体に施された細密かつ華麗な彫刻。その造形はインド屈指の美しさといっても過言ではありません。

東側の門にはサーンチーのシンボルの一つともいえるヤクシー像があります。ヤクシーとは森の精霊の女神。ここでは守護神として聖域を守り、また仏教の繁栄を願う象徴的な存在として塔門を飾っているといわれています。この女神像は芸術的かつ女性的なシルエットが素晴らしいです。ぜひ門の全面と背面、両側から造形美を堪能してみてくださいね。

サーンチーの仏教遺跡群の注意事項

仏教の歴史上大変重要な世界遺産「サーンチーの仏教建築物群」があるサーンチー村ですが、遺跡以外の部分はとても小さな村です。夕方にかけて人は少なくなるので、明るいうちに観光されることをおすすめします。

◎まとめ

世界遺産「サーンチーの仏教遺跡群」の魅力に迫りました。仏教発祥のインドの中でも一際存在感を放つサーンチーの仏教遺跡群は世界各国から巡礼者を集め、訪れる人々を圧倒する魅力があります。長いインドの歴史の中で紀元前にできた仏教建築が、破壊や他の宗教施設に改修などされずそのまま良い状態で残っているのはまさに奇跡。数あるインドの世界遺産の中でも欠かすことのできないスポットとなっています。


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