名称:コア渓谷とシエガ・ベルデの先史時代のロックアート遺跡群
住所:Rua do Museu | Parque Arqueológico do Vale do Côa, Vila Nova de Foz Coa 5150-610, Portugal
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/866/
西ヨーロッパのイベリア半島に位置するポルトガル共和国。首都はリスボンで、北と東にスペインと国境を接している国です。ユーラシア大陸最西端に位置しており、ヨーロッパで最初に海路で中国や日本を含む東アジアとの接触を持ちました。ポルトガルには、カラフルな建物が並ぶ可愛いらしい村、ロマンチックな雰囲気の夜景が広がる場所、オレンジ屋根が特徴的な美しい街並みなどがあり、街を歩いて回るだけでも楽しめます。そんなポルトガルには、世界遺産が15ヶ所もあるのです。数あるポルトガルの世界遺産の中から、今回は「コア渓谷とシエガ・ベルデの先史時代のロックアート遺跡群」について詳しくご紹介します。ポルトガル旅行の計画を立てる際には、ぜひ参考にしてみてくださいね!
目次
【世界遺産】コア渓谷とシエガ・ベルデの先史時代のロックアート遺跡群
コア渓谷とシエガ・ベルデの先史時代のロックアート遺跡群とは?
コア渓谷とシエガ・ベルデの先史時代のロックアート遺跡群は、1998年にポルトガルの世界遺産として単独で登録され、2010年に旧石器の彫刻が見られるスペインのシエガ・ベルデが拡大登録されました。
渓谷の岩に刻まれた岩壁画を見ることができる、コア渓谷とシエガ・ベルデの先史時代のロックアート遺跡群。この岩壁画は、紀元前2万2000年から1万年頃の旧石器時代前期以降のものだとされていて、1879年に発見されたスペインのアルタミラ洞窟壁画とほぼ同時期のものと考えられています。コア渓谷では現在22ヶ所から214の岩壁画が見つかっていて、そのうちの17ヶ所がコア渓谷先史公園に含まれています。
1980年代後半にダム建設のための事前調査で発見されたこれらの岩壁画は、屋外にある旧石器時代の岩壁画では世界最大級。具体的にはウマ、ウシ、ヤギなどの動物が描かれています。コア博物館で申し込みをすると、岩壁画を巡るガイドツアーに参加することができますよ。
コア渓谷とシエガ・ベルデの先史時代のロックアート遺跡群へのアクセス
世界遺産、コア渓谷とシエガ・ベルデの先史時代のロックアート遺跡群を観光するには、ヴィラ・ノヴァ・デ・フォス・コアという町を拠点にするのが便利です。
ヴィラ・ノヴァ・デ・フォス・コアは、首都リスボンからバスで約6時間かかります。列車を使うと、ポルトのサン・ベルト駅からポシーニョ駅まで約3時間30分です。ポシーニョ駅からは、タクシーで20分でヴィラ・ノヴァ・デ・フォス・コアに到着です。
コア渓谷とシエガ・ベルデの先史時代のロックアート遺跡群のおすすめポイント
神秘的な岩絵
ポルトガルの世界遺産コア渓谷とシエガ・ベルデの先史時代のロックアート遺跡群は、主にウマ、ウシ、ヤギなどの動物を表したものですが、人物画や抽象的な図像も存在します。
渓谷沿いの切り立った断岸に、線刻画という岩石や洞窟内部の壁面に文字などを刻む彫刻の技法を使用し、描かれています。15センチメートルから180センチメートルまで、大きさは幅広く、ほとんどが細くなだらかな美しい線で描かれています。1995年時点の研究で、これらの線刻画が描かれたのは2万年前にまでさかのぼると暫定されているんですよ!
先史時代の洞窟壁画は、コア渓谷とシエガ・ベルデ以外の場所でも多く発見されていますが、どれもコア渓谷遺跡の規模に比肩するものではありません。そのくらいこのコア渓谷とシエガ・ベルデの先史時代のロックアート遺跡は稀少なものなのです。
考古学者たちは、この場所が先史時代の人類によって聖域のようなものであったと認識しています。
コア博物館
2010年にオープンしたコア博物館では、最先端の技術を使用したコア渓谷の洞窟美術を展示しています。この博物館は、ヴァレ・ド・コア考古学公園の施設の一つで、考古学に関する実験ワークショップや教育サービスアクティビティなども提供していて、子どもから大人まで楽しめる博物館です。
博物館は、ヴィラ・ノヴァ・デ・フォス・コアの中心から東におよそ3キロメートルの場所に位置しています。また、遺跡群のガイドツアーもここで申し込みをすることができます。
◎まとめ
何万年も昔に描かれたたくさんのロックアートを見ることができ、タイムスリップしたかのような気分になれる世界遺産、コア渓谷とシエガ・ベルデのロックアート遺跡群。ぜひ足を運んでみてくださいね!