名称:ヌエストラ・セニョーラ・デル・ピラール聖堂 / Basilica de Nuestra Senora del Pilar
住所:Plaza del Pilar, s/n. 50003, Zaragoza, Spain
公式URL:https://catedraldezaragoza.es/basilica/
情熱の国スペインの礎を築いたアラゴン王国の古都、サラゴサ。マドリードとバルセロナのほぼ中間に位置し、高速鉄道を利用すればわずか1時間半でアクセスできる利便性を誇ります。
地中海に注ぐエブロ川の中流に位置するこの都市は、古代ローマ時代から栄え、イスラム、キリスト教の文化が交錯して発展しました。街のシンボルである世界遺産のムデハル建築や、聖堂や美術館に作品を残したスペインを代表する画家ゴヤが生まれ育った地としても知られています。
今回はそんな美しき古都サラゴサの魅力を、おすすめ観光スポット10選でご紹介します。
目次
【スペイン古都】サラゴサ観光スポット10選!世界遺産とゴヤの街
1. ヌエストラ・セニョーラ・デル・ピラール聖堂
「ヌエストラ・セニョーラ・デル・ピラール聖堂(聖母ピラール教会)」はサラゴサの街のシンボルであり、聖母マリア信仰の中心です。聖母マリアが使徒サンティアゴの前に現れたとされる伝説に基づく、「聖母に初めて捧げられた教会」として知られています。
17世紀から18世紀にかけて建造された建物は、壮麗なバロック様式。空に向かってそびえ立つ複数のドームと塔が、エブロ川沿いの景色を優雅に彩ります。
内部の芸術的価値は極めて高く、特にサラゴサ出身の巨匠、フランシスコ・デ・ゴヤが描いた美しいフレスコ画は必見。堂内の広大さと装飾は、圧巻の豪華さです。
エレベーターで塔の上階に昇ると、展望台からピラール広場やエブロ川、そしてサラゴサの歴史的な街並みを一望できます。サラゴサを訪れるなら、歴史と芸術、信仰が凝縮されたヌエストラ・セニョーラ・デル・ピラール聖堂は外せません。
2. ピラール広場
エブロ川のほとり、旧市街の中心に位置する「ピラール広場」は、その壮大なスケールから「サラゴサのリビングルーム」とも呼ばれる街の心臓部です。
広場には、前述のヌエストラ・セニョーラ・デル・ピラール聖堂をはじめ、世界遺産のラ・セオ大聖堂、優美な市庁舎、ルネサンス様式の旧取引所ラ・ロンハといった荘厳な歴史的建造物が集結しています。
また、広場の一端には、新大陸発見500周年を記念して造られた「フエンテ・デ・ラ・イスパニダード(ヒスパニックの泉)」というユニークな彫刻噴水があります。南米大陸の形を模したこの噴水は、広場にモダンなアクセントを加えています。
ピラール広場は、市民や観光客が集う憩いの場であり、ゆっくりと散策したり、美しい建物を背景に記念写真を撮ったりするのに最適。サラゴサの歴史的景観の美しさと、市民の活気を感じられる、街歩きのスタート地点です。
名称:ピラール広場 / Plaza del Pilar
住所:Plaza Pilar Ntra. Sra. s/n. 50003 Zaragoza, Spain
3. サン・サルバドール大聖堂(ラ・セオ)
ピラール広場の東側に隣接し、「ラ・セオ」の愛称で市民に親しまれる「サン・サルバドール大聖堂」。最大の魅力は、その壮大な歴史と多様な建築様式の融合です。
かつて西ゴート族の聖堂やイスラム教のモスクがあった地に、12世紀以降、ロマネスク、ゴシック、ムデハル、ルネサンス、バロックといった異なる時代と文化の要素が積み重ねられてきました。
特に、イスラム教徒の建築技術が取り入れられたムデハル様式の、繊細で幾何学的な装飾は必見。サラゴサの「アラゴン州のムデハル建築」の一部として、世界遺産にも登録されています。
また、大聖堂内にある「タペストリー美術館」には、15世紀から18世紀にかけてのフランドル地方のタペストリーが豊富に収蔵されており、その質の高さとコレクションの規模は世界的に評価されています。
名称:サン・サルバドール大聖堂(ラ・セオ)/ Catedral del Salvador / La Seo
住所:Palaza de La Seo, Zaragoza, Spain
公式URL:https://catedraldezaragoza.es/la-seo-catedral-del-salvador/
名称:タペストリー美術館 / Museo de Tapices
公式URL:https://catedraldezaragoza.es/la-seo-catedral-del-salvador/museo-de-tapices/
4. アルハフェリア宮殿
サラゴサ旧市街のすぐ西側に位置する「アルハフェリア宮殿」は、かつてタイファ時代のイスラム教徒の王によって築かれた、イベリア半島に残る貴重なイスラム支配時代の宮殿です。
ムデハル様式とは、キリスト教支配下でありながら、イスラム文化の建築技術や装飾様式を取り入れて発展したスペイン独自の様式のこと。宮殿の外観に並ぶ円形の防御塔からもわかる通り、この建物は単なる王宮ではなく、要塞としての役割も果たしていました。
しかし一歩足を踏み入れると、その厳格な外観とは対照的に、イスラムとキリスト教の文化が見事に融合した独特の美しさに圧倒されます。特に、きらびやかな格天井や、細密な漆喰装飾の繊細な技術と豪華さは目を奪われるばかり。この宮殿も、サラゴサの世界遺産「アラゴン州のムデハル建築」の一部に登録されています。
この壮麗な歴史的遺産は、現在もアラゴン州議会の議事堂として使用されている点もユニーク。旧市街から徒歩圏内で、サラゴサの多文化的な歴史を肌で感じられる必訪のスポットです。
名称:アルハフェリア宮殿 / Palacio de la Aljaferia
住所:Calle de los Diputados s/n 50071 Zaragoza, Spain
公式・関連サイトURL:https://www.spain.info/en/places-of-interest/palace-aljaferia/
5. サン・パブロ教会
ピラール広場から西へ少し歩いた場所に位置するサン・パブロ教会は、知る人ぞ知るおすすめのスポット。中心部の喧騒から離れているので、比較的静かに世界遺産の建築と芸術を堪能することができます。
ゴシック・ムデハル様式が特徴で、特に1343年に建てられた八角形のレンガ造りの塔は、その幾何学的な美しさが印象的。イスラムの建築技術がキリスト教建築に融合したムデハル様式の粋を感じることができます。
内部の見どころは、ルネサンス期スペインの偉大な彫刻家であるダミアン・フォルメントが手掛けた壮麗なアルターピース(祭壇衝立)です。精巧な装刻が施されたこの作品は、一見の価値があります。
13世紀後半から建設が始まったこの教会も、ラ・セオ大聖堂やアルハフェリア宮殿と並び、サラゴサの「アラゴン州のムデハル建築」として世界遺産に登録されています。
名称:サン・パブロ教会 / Iglesia de San Pablo(Church of San Pablo)
住所:Calle San Pablo, 42 Zaragoza (Aragon)
公式・関連サイトURL:https://sanpablozaragoza.org/
6. ラ・ロンハ
ピラール広場に面した北東部に建つ「ラ・ロンハ」は、16世紀中旬にサラゴサの商品取引所として建設された、重厚で美しいルネサンス様式の建物です。
この建物が建設されるまで、商人たちはラ・セオ大聖堂など宗教施設内で取引を行っていました。ラ・ロンハは、都市の商業活動を正式な公共の場に集約させるという歴史的な役割を担い、サラゴサが商業都市として発展する上で重要な一歩となりました。
外観はレンガ造りの均整の取れたファサードが特徴的。内部も非常に美しく、現在は主にエキシビションホール(展示場)として活用されています。
歴史的背景と共に、ルネサンス建築の傑作として高く評価されているラ・ロンハ。ピラール広場散策の際には、ぜひ立ち寄ってみてください。
名称:ラ・ロンハ / La Lonja
住所:Plaza del Pilar, s/n. 50003, Zaragoza, Spain
公式・関連サイトURL:https://www.spain.info/es/lugares-interes/lonja-zaragoza/
7. ピエドラ橋
サラゴサ旧市街を流れるエブロ川に架かる「ピエドラ橋」は、街の歴史的景観を形作る美しい石造りの橋です。12世紀に起源を持ち、15世紀にゴシック様式で再建された後、度重なる洪水被害を乗り越え修復が重ねられてきた、まさにサラゴサの歴史を見守ってきた存在です。
この橋は、橋の端にサラゴサのシンボルであるライオンの彫像が四隅に配されていることから、「ライオン橋」と呼ばれることもあります。
ピエドラ橋が観光客に大人気となる最大の理由は、ここがサラゴサ随一のフォトスポットであることです。
エブロ川の水面に映るピエドラ橋とヌエストラ・セニョーラ・デル・ピラール聖堂のコラボレーションは壮観!特に夕暮れ時、黄金色に輝く聖堂と空が水面に映り込む様子は、まるで絵葉書のような美しさです。ゆっくりと橋を渡りながら、サラゴサで最高のベストショットを狙ってみましょう。
名称:ピエドラ橋 / Puente de piedra
住所:53003 Zaragoza, Spain
公式・関連サイトURL:https://x.gd/QMDnl
8. カエサルアウグスタ劇場博物館
サラゴサのルーツである古代ローマ時代の歴史に触れられるのが、この「カエサルアウグスタ劇場博物館」です。サラゴサの旧称である「カエサルアウグスタ」は、紀元前後にローマ皇帝アウグストゥスによって創設された植民市でした。
博物館最大の見どころは、紀元1世紀に建造され、約6000人を収容したとされる石造りの巨大な劇場跡。都市の地下に眠っていた古代の遺跡が、現代の市街地で目の当たりにできるのは、まさに古都サラゴサならではの体験です。
館内には、劇場跡の修復・展示と合わせて、発掘調査で出土したローマ帝国時代の貴重な遺品も公開されています。
また、この劇場以外にも、サラゴサ市内には古代ローマ時代の浴場や集会場、城壁の跡が残されています。ローマ帝国時代のサラゴサに思いを馳せ、歴史ロマンに浸ってみてください。
名称:カエサルアウグスタ劇場博物館 / Museo del Teatro de Caesaraugusta
住所:Calle San Jorge 12, 50001 Zaragoza, Spain
公式・関連サイトURL:https://www.zaragoza.es/sede/portal/museos/teatro/
9. サラゴサ博物館
出典: By Jzh2074 - Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=65713654 (CC BY-SA 4.0)
これまでに2度の万博が開催されたサラゴサ。1908年に行われた最初の万博で使用されたパビリオンの建物が、「サラゴサ博物館」として利用されています。
館内は「考古学」と「美術」の2つのセクションに分かれており、見応え抜群。考古学セクションでは、先史時代からイスラム支配時代までにサラゴサ周辺で発見された遺物や、アルハフェリア宮殿に関連する出土品など、貴重なコレクションを鑑賞できます。
一方、美術セクションには、サラゴサ出身の巨匠フランシスコ・デ・ゴヤの作品をはじめ、12世紀のゴシック絵画から現代美術まで幅広い作品が展示されています。ゴヤの代表作を間近に鑑賞できる点も大きな魅力です。
サラゴサの歴史と文化、そして芸術の粋が凝縮されたサラゴサ博物館。サラゴサの奥深さを味わえる、注目のスポットです。
名称:サラゴサ博物館 / Museo de Zaragoza
住所:Plaza de los Sitios, 6, 50001 Zaragoza
公式・関連サイトURL:http://www.museodezaragoza.es/
※2025年10月現在、改修工事のため休館しています。最新情報は公式サイトでご確認ください。
10. アルフォンソ1世通り
最後にご紹介するのは、サラゴサで最も賑わうメインストリート「アルフォンソ1世通り」です。
アルフォンソ1世通りは、ピラール広場から旧市街を抜けて、コソ通りを結んでいます。両側にはおしゃれなショップやレストラン、カフェなどが軒を連ね、地元の人々や観光客でにぎわっています。夕暮れ時は通り全体がロマンティックな雰囲気に包まれ、最高のフォトスポットとして大人気です。
街歩きを楽しんだら「トゥボ地区(バル街)」へ
出典: By Jahidalgoaloy - Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=48532962 (CC BY-SA 4.0)
アルフォンソ1世通りの東側に、サラゴサ屈指の美食エリア「トゥボ地区」があります。
街歩きの後に、サラゴサの陽気な夜を満喫するならここがおすすめ。細い路地にバルが密集するこの地区では、アラゴン地方のタパスやピンチョスを心ゆくまで堪能できます。
名称:アルフォンソ1世通り~トゥボ地区 / Calle de Alfonso I(El Tubo)
住所:スペイン 〒50003 サラゴサ カスコ・アンティグオ
公式・関連サイトURL:https://x.gd/hlFa2
◎サラゴサへのアクセス情報
サラゴサは、スペインの主要都市であるマドリードとバルセロナのほぼ中間に位置しています。
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マドリード、またはバルセロナから高速鉄道を利用すれば、快適かつスピーディにアクセスでき、日帰り観光も十分に可能です。
| 出発地 | 所要時間(最速) |
|---|---|
| マドリード(アトーチャ駅発) | 約1時間15分~1時間30分 |
| バルセロナ(サンツ駅発) | 約1時間20分~1時間30分 |
利用できる高速鉄道は3種類。「AVE」は、最も快適さとサービスが充実したスペイン国鉄の上位ブランド。「Avlo」と「iryo」はリーズナブルです。
サラゴサの「デリシアス駅(Zaragoza Delicias)」から旧市街へは、バスやタクシーで移動できます。