鎖国から目覚めた国、アルバニアの首都ティラナのおススメ観光スポット

鎖国から目覚めた国、アルバニアの首都ティラナのおススメ観光スポット

ギリシャに隣接し、イタリアの対岸にある国アルバニア。その首都がティラナです。冷戦期には鎖国を敷いていたことでも知られています。もちろん今では観光も可能になり、激動の歴史を垣間見ることができる観光スポットがたくさんあります。

古くは古代ローマやオスマン・トルコの支配下で交易の拠点となっていたティラナは、アルバニア独立後の1925年に恒久的な首都と定められました。ティラナが都市として大きく発展するのはこれ以降のこと。オーストリアの建築家らによる都市計画のもと、整備が進められてきました。

そんな古くて新しいヨーロッパの首都ティラナのおすすめ観光スポットをご紹介します。

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鎖国から目覚めた国、アルバニアの首都ティラナのおススメ観光スポット

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1.ジャミーア・エトヘム・ベウト

ジャミーア・エトヘム・ベウトはティラナ中心部のスカンデベルグ広場のそばにあるモスクで、ティラナの市庁舎と隣接しています。1789年に建設が始まり、1823年にハッジ・エトヘム・ベイによって完成されました。イスラムのモスクらしい丸い屋根と尖った塔が特徴。外壁の装飾も美しいのですが、見どころは内部の鮮やかなフレスコ画です。イスラム教の決まりに従った服装など注意点がありますが、モスク中の観光も可能です。

第二次世界大戦後の一時期、政府の意向で無神国家の政策がとられ、ジャミーア・エトヘム・ベウトも閉鎖されていました。しかし、イスラム美術の文化的価値は認められたので、取り壊されずに済んだそうです。冷戦期を生き抜いた貴重な観光スポットなので、ぜひ見に行ってみてくださいね。

2.時計塔

ジャミーア・エトヘム・ベウトの隣に建つ時計塔は、モスクの完成後まもなく、同様にハッジ・エトヘム・ベイによって建設されました。当初はベネツィア製の鐘が時を告げる鐘楼でしたが、1920年代にドイツ製の時計を備え付けた時計塔となりました。

約30mあるこの時計塔には登ることができます。ティラナの町が一望できる観光用の高台はあまりないので、ぜひ登ってみてくださいね。観光の手始めに町全体を見渡して、大体の方向をつかんでから観光をスタートするのも良いでしょう。また、観光の最後に登ってみて、これまで訪れた観光スポットを振り返って見るのもいいかもしれませんね。ただ、夕方には閉まってしまうことが多いので、営業時間には注意してください。

3.スカンデルベク広場

スカンデルベク広場は、地図を一見して分かるティラナの中央広場です。ティラナの観光名所はこの広場のそばにあるものが多いので、迷ったときはここを目指すと良いでしょう。

スカンデルベクは、15世紀にオスマン帝国に抵抗して、一時的にアルバニアの独立を成し遂げた英雄です。ティラナの人々からも親しまれている存在で、広場には馬に乗ったスカンデルベク像とアルバニア国旗がはためいています。観光客は大体この像の周辺に集まって記念撮影をしていきますので、ぜひ忘れずに写真を撮って行って下さいね。

4.国立歴史博物館

スカンデルベグ広場の北側にある国立歴史博物館は、壁面の巨大な絵が目を引くティラナ随一の博物館。展示は基本的にはアルバニア語ですが、一部英語の部分もありますので、理解の手助けになるでしょう。

展示物は、紀元前4世紀のアルバニア最古のモザイクのほか、ローマ時代の出土品や民族衣装、美術品まで多岐にわたります。古代、中世、民族復興期、独立、第二次世界大戦、共産主義時代と年代順に並べられているので、言葉が分からなくても見応えありますよ。美しいイコンを集めたの展示室は特に見ものです。

史料はどれも、アルバニアの歴史にかかわる貴重なものばかり。時代ごとに変わっていく衣装や、武器を持って異民族と戦う様子を、地図を見ながら辿れるようになっています。3階建てでかなり充実した博物館なので、観光の際は余裕を持って行くことをおススメしますよ。

5.国立美術館

出典: commons.wikimedia.org

アルバニアの変遷を垣間見ることができる美術品が数多く収蔵されている国立美術館。国立美術館は5つのテーマに分けて作品が展示されており、リアルなタッチの絵が印象的な美術館です。キリスト教美術、第二次世界大戦以前の民族復興期の作品、戦後の社会主義時代の絵画や彫刻、現代アートなど、アルバニアの傑作コレクションが鑑賞できますよ。

オススメは、社会主義時代の作品のコーナー。シャベルやつるはしを持つ労働者、銃を構える兵士の絵など、抑圧された社会主義時代に力強く生きたアルバニアの人達の様子を絵で見ることができます。近現代の社会主義国家の絵のコレクションは、ティラナの国立美術館以外ではなかなか見られないものなので、ぜひ足を運んでみてくださいね。

6.マザー・テレサ広場

出典: commons.wikimedia.org

ティラナ市街の南部、ティラナ大学前の広場はマザー・テレサ広場と呼ばれています。貧しい人に尽くしたことで有名なマザー・テレサはマケドニアのスコピエで生まれましたが、父親がアルバニア人の独立運動家でした。ティラナの人達からもとても尊敬されていて、ティラナ・リナ空港も別名マザー・テレサ空港と呼ばれているほどです。

広場にはマザーテレサ像があり、ティラナ大学の学生や地元の人たちの憩いの場となっています。ティラナは広場や道がとても広く長いので、観光であちこち見ているとけっこう歩き疲れてしまうこともあると思いますが、そんな時はマザー・テレサの側で少し休んでみるのもいいかもしれませんね。

7.ティラナのピラミッド

スカンデルベグ広場から南へ歩いて行くと、ピラミッドのような不思議な形の建物があります。これは、第二次世界大戦後に労働党第一書記として独裁的な権力を誇った、エンヴェル・ホッジャの記念館だった建物です。今はもう、窓が割れていたり落書きがされていたり、壁がはがれていたりしていて、廃墟と言った方が近い外見です。

共産主義国としてアルバニアを無神国家にしたホッジャは、死後に自分の名前を冠した立派な記念館を建てるよう命じました。しかし、当時のあまりにひどい独裁体制の記憶から、ティラナの人たちはこの記念館に対しても複雑な思いがあるようです。今は時々子供がよじ登って遊んでいる程度で、地元の人達からは大切にされずに放置されてます。

とはいえ、アルバニアの歴史の証人という意味では、一見の価値のある観光スポットです。独裁者の記念館だけあって、ラナ川沿いの一等地にあり、ティラナ観光の途中で気楽に立ち寄ることができますよ。

◎まとめ

ティラナの市内には、ピンクや黄色、水色などカラフルな建物や壁に絵が描かれた建物が多くみられます。これはティラナの人たちによる、少しでも明るく生きていこうという工夫だそうです。今ではミステリアスな雰囲気に魅かれて、観光客も訪れるようになりました。歴史に翻弄されながらも、力強く生きるティラナの人達の前向きさに触れながら観光してみてくださいね。

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