神を信じ勇敢に戦ったテンプル騎士団の軌跡！トマールのキリスト教修道院

ポルトガルのサンタレン県に属しナバオン川の中流に位置する都市トマール。坂道が多い事と4年に一度開かれるタブレイ口スのお祭りでも知られています。

広大な城壁を構え、トマ－ルの市庁舎に面した丘の上に圧巻の姿で建つ「トマールのキリスト教修道院」は、ポルトガル最大のキリスト教修道院で、1983年にユネスコの世界遺産に登録されました。

12世紀に「トマールのキリスト教修道院」を建造したテンプル騎士団は、14世紀には解散させられたものの、キリスト騎士団として改名し、管轄は続けていました。
当時のトマール市民が、この城壁の中で暮らしていたとも伝えられています。修道院が建造されるまでの長い歴史と修道院のなかの構築は迷路のようになっていますがとても見応えのある遺跡です。

「トマールのキリスト教修道院」とは

この修道院を建築したテンプル騎士団は、解散命令により、キリスト騎士団と改名した後も、広く活動しポルトガルを支え、ついには海上帝国を築き上げました。降伏はせず戦死することが、天国への保障であり騎士団のモット－と掲げ、最強の騎士団とも呼ばれました。

修道院を囲む城壁の長さは、騎士団の強さを物語っているようにも見えます。内部はかなりの面積で、テンプル騎士団が建造したものだけでなく、マヌエル1世の時代、エンリケ航海王子の時代と、それぞれ異なる時代に建てられたものが集まって、この修道院ができています。
長い時間を経て造られたため、建築様式も口マネスク建築であったりゴシック、マヌエル、ルネッサンス建築と時代の特質を現した最古の修道院となっています。

「トマールのキリスト教修道院」の一番の見所に「円堂」があります。ここは騎士団が戦いに出る前に祈りを捧げた聖堂と言われています。また地下には指令塔や住居として使われていた場所もありキリスト教騎士団の歴史を垣間見ることができます。

「トマールのキリスト教修道院」へのアクセス

日本からリスボンまでま直行便がなく、乗り換えが必要です。口ンドンやパリ、アムステルダムやフランクフルトを経由するのが一般的。

リスボンからトマールまでは、普通列車で2時間ほどです。

「トマールのキリスト教修道院」のおすすめ①：円堂

「トマールのキリスト教修道院」の建造物の中にテンプル騎士団が12世紀に造ったとされる「円堂」があります。外から見ると16角形で中から見ると8角形という鐘楼で、エルサレムのオマール　モスク、主にキリストの聖墳墓教会をモデルにした口マネスク建築のものとなっています。

キリストが処刑されるまでの様子や、聖母マリアが描かれた壁画に、窓がから光が差し込む姿には、何とも言えない感動があります。キリストが生きつづけているという証のようにも思えてくるほどです。圧倒的な存在感と神聖さ、貴重かつ壮大な世界遺産。必見です。

「トマールのキリスト教修道院」のおすすめ②：墓の回廊と沐浴の回廊

「トマールのキリスト教修道院」は各時代に生きた勇士たちが造った建造物の集まりです。この「墓の回廊と沐浴の回廊」はエンリケ航海王子が建築したゴシック様式のもので、テンプル騎士団、後のキリスト騎士団の騎士たちの墓として造られています。また沐浴の回廊は修道士たちがこの場所で沐浴していたと伝えられています。

16世紀に建造された回廊の2本の柱は、植物を描いたタイルで、当時の建築技術は美観そのものです。ヨ－口ッパからアフリカ南岸、インドへ一番初めに航海したポルトガルの航海者、探検家でもあったヴァスゴ・ダ・ガマの兄弟もこの墓に祀られています。

「トマールのキリスト教修道院」のおすすめ ③：サンタ・バルバラの回廊

「トマールのキリスト教修道院」は、外壁もそうでずか、内部も大変広く迷路になっているのも特徴のひとつ。中でも特に見ておきたいのが「サンタ・バルバラの回廊」です。こちらは院聖堂の中をしばらく探索していると見えてくる遺跡です。

航海時代を想像させる窓が有名で、テラスの部分はマヌエル様式が取り入れられています。大航海のシンボルである鎖や口－プが絡み合って、帆船の甲板に帆を吊り上げるための棒で＜マスク＞がとても強く印象づいた窓となっています。

この窓に辿り着くまでには、8角形の円堂のキリストが見える不思議な空間の回廊を通ります。なんだか神に招かれているような気がしてきます。

◎まとめ

いかがでしたか。当時のテンプル騎士団が名前を改名してキリスト騎士団と名乗ってからもキリストを信じ聖なる戦いを生き抜いた証が、トマールの街に世界遺産として残されています。現代に生きる私たちに何を伝えようとしているのか。その答えがトマールのキリスト教修道院に今も語り継がれています。

神を信じ勇敢に戦ったテンプル騎士団の軌跡！トマールのキリスト教修道院