名称:ドナウ・デルタ
住所:Maliuc - sat Vulturu, Tulcea 064535 ルーマニア
公式・関連サイトURL:http://www.romaniatabi.jp/unesco/danubedelta.php
東ヨーロッパにあるルーマニアは、ハンガリーやブルガリア隣接し、東側は黒海に面した国。ルーマニアの国境を流れるドナウ川は、長さが約2,850㎞にもなるヨーロッパで2番目に大きい川です。この川はドイツのシュヴァルツヴァルトとよばれる森林地帯から始まり、オーストリアやハンガリー、ルーマニアなど約10ヶ国を経由して、最後はウクライナの国境から黒海に注がれます。
ルーマニアの流域で大河となったドナウ川は、ヨーロッパで最も大きい三角州であるドナウ・デルタを作り出しました。ルーマニアには、ユネスコの世界遺産に登録されているものが何件かありますが、自然遺産は、このドナウ・デルタ一件のみ。そんな素晴らしい世界遺産、ドナウ・デルタの見どころをご紹介します。
目次
ヨーロッパの大河ドナウ川!ルーマニアの世界遺産ドナウ・デルタの魅力
ドナウ・デルタとは?
出典: Biro Iosif Ionut/shutterstock
ドナウ川は、ルーマニア国内でいくつもの支流に分岐したり、途中でまた合流したりしてどんどん光景が変わっていきます。そして黒海に流れ着く前にキリア川や、聖ゲオゲル川、スリナ川の3つの間で、大きな三角州を作り出します。この一帯をドナウ・デルタと呼び、ほとんど人の手が加えられていません。ありのままの自然そのものの状態で存在しています。
ドナウ・デルタは、1991年に世界遺産に登録されましたが、生物保護区にも指定されました。世界中から無数の鳥が産卵にやってくるほどの大自然地帯です。その面積は、東京都の約2倍にも及び、そのうち陸地は1割強にすぎません。丘や沼、湖ができて、生物が住みやすいような自然環境を作り出しています。
ドナウ・デルタへのアクセス
首都ブカレストから、ドナウ・デルタの中核となる都市、トゥルチャまで列車で行きます。直通の特急列車が1日1便出ており、およそ6時間30分でトゥルチャに到着。特急列車を利用しない場合には、普通列車に乗りメドジディアで乗り換えてください。
トゥルチャからは、船でスリナを目指します。NAVROM DELTA社の大型船、もしくは高速船のハイドロ・フォイルの2種類があります。列車、船とも本数が少なく、一日1便しか出ていないので、乗るときは事前に時間を調べてから利用してくださいね。
ドナウ・デルタのおすすめポイント2
生物の楽園
出典: Porojnicu Stelian/shutterstock
世界遺産ドナウ・デルタは、京都府と同じぐらいの面積を誇る、ヨーロッパ最大の湿地帯。300種類以上の鳥類が生息し、90種類の魚や1800種類の昆虫も活動しています。動物だけではなく、植物もたくさん繁殖しており、ドナウ・デルタには世界最大級の群生地があります。ここは、ありとあらゆる生き物が湿地帯の恩恵を受け、命を育んでいく、まさに生物の楽園。
こうして生物たちが繁殖する自然環境が世界遺産にふさわしいと認められたことで世界遺産の登録になりました。豊かな大自然をドナウ・デルタで感じて下さいね。
ドナウ・デルタの夕陽
出典: Porojnicu Stelian/shutterstock
ドナウ・デルタで見逃せない光景といえば、なんといっても美しい夕陽。海のような広いドナウ川に沈む夕陽は、壮大で息を吞む美しさです。長い歴史によって形成された独特な地形は、様々な変化も楽しめますよ。
ぜひ、ゆっくりと眺めてみてはいかがでしょうか。
ドナウ・デルタの注意事項
世界遺産のドナウ・デルタを楽しむためには、川下りがおすすめです。スリナからドナウ川の川下りが楽しめまるので、ツアーで参加してみてはいかがでしょうか。ドナウ川から眺める景色は、格別ですよ。
◎まとめ
世界遺産に登録されている美しい自然地帯、ドナウデルタ。世界遺産に登録されてから、トゥルチャでは管理が厳しくなり魚を取ることは禁止になったそうですが、密猟が絶えないそうです。汚染水や公害の問題もあり、以前存在していた湿原の8割ほどが消えてしまいました。
貴重な動植物の楽園であるドナウ・デルタがいつまでも存在できるように、自然の保護が重要課題ですね!ぜひ、ルーマニアの自然の宝庫、世界遺産ドナウ・デルタを訪れてみて下さい。