名称:富岡製糸場と絹産業遺産群
住所:群馬県富岡市、伊勢崎市、藤岡市、下仁田町
公式・関連サイトURL:https://worldheritage.pref.gunma.jp/tomikinu/
産業大国として知られる日本。世界中を日本の自動車メーカーの車が走り、世界中で日本の電子機器メーカーの製品が使用されています。産業用ロボットの稼働台数も世界一です。このように今日の産業技術を世界に誇る日本ですが、強みである技術力や工業力が進んだのは戦後のこと。昭和20年の終戦以降、日本の産業は急速に発展したのです。
しかし、戦前においても日本が世界に誇る技術がありました。それが生糸の大量生産技術です。長い間限られていた生糸の生産量を向上させ、世界との交流機会を生み出した場所が「富岡製糸場」でした。2014年にユネスコ世界遺産に登録された富岡製糸場と絹産業の歴史遺産、一体どんな場所なのでしょう?
目次
【富岡製糸場と絹産業遺産群】日本の技術を世界に伝えた世界遺産
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富岡製糸場と絹産業遺産群とは?
開国後の日本の主要な輸出品であった生糸。その生糸の質を向上させるため、明治政府によって器械製糸工場の建設が計画されました。そして明治5年。フランスの技術を導入し、当時世界最大級の規模を誇った富岡製糸場は、群馬県富岡市に日本初の本格的な器械製糸工場として開業しました。
生糸を大量生産する革新的な技術が生まれ、そして絹を広めることで世界との交流が生まれ、当時の日本の産業と世界との繋がりに大きく貢献した富岡製糸場。ここで生まれた技術と交流は、国民の生活や文化を豊かに向上させました。戦争の時代にも空襲を受けることなく、1987年の創業停止まで稼働し続けた富岡製糸場は、その後も一般に公開されることなく、当時の工法で修復などが行われながら大切に保管されてきました。
そして2014年に富岡製糸場のほか、富岡製糸場が進めた蚕の優良品種の開発とその普及に重要な役割を果たした3つの養蚕業関連施設によって構成される「富岡製糸場と絹産業遺産群」は、日本の近代化に大きく貢献しただけでなく、絹産業の技術革新と国際的な交流をもたらした近代化遺産としてユネスコ世界遺産への登録を果たしました。
富岡製糸場と絹産業遺産群へのアクセス
「富岡製糸場と絹産業遺産群」を構成する資産は、富岡製糸場(富岡市)・田島弥平旧宅(伊勢崎市)・高山社跡(藤岡市)・荒船風穴(下仁田町)の計4つです。
①【富岡製糸場】上信電鉄上信線上州富岡駅から徒歩約15分です。
②【田島弥平旧宅】土日祝日は東武伊勢崎線境町駅からシャトルバス(約25分)が運行していますが、平日はJR高崎線本庄駅か東武伊勢崎線境町駅からタクシー利用となります。
③【高山社跡】JR八高線群馬藤岡駅、もしくはJR八高線群馬藤岡駅からバス(約35分)で向かいましょう。
④【荒船風穴】下仁田駅から観光タクシーを利用しましょう。風穴までは30分ほどです。
富岡製糸場と絹産業遺産群のおすすめポイント①:富岡製糸場
世界遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」は4つの資産から構成されますが、やはりメインは富岡製糸場です。富岡製糸場は、近代技術による日本初の本格的な製糸工場。西欧機械製糸を導入した唯一の官営工場で、当時のまま残っている貴重な施設です。世界遺産に認定され、日本史の教科書にも登場する有名な工場なので、じっくりと見学しましょう。
マイペースに見学したい人は、携帯電話型の音声ガイド機をレンタルするかスマートフォンの専用アプリを利用するのがおすすめ。工場内のポイントごとに説明を聞くことができるので、自分のペースで見て回ることができます。
世界遺産となった富岡製糸場についてしっかり勉強したい人は、知識豊富な解説員による約40分のガイドツアーに参加しましょう。工場内を歩いて回りながら当時の様子や働き方などについて聞き、技術革新と世界との交流を生み出した時代に思いを馳せることができます。
◆建築様式
富岡製糸場は「木骨煉瓦造」と呼ばれる木の骨組みとレンガを組み合わせた建築様式により建てられています。この時代に建てられた木骨煉瓦造の建築物で当時の姿を残すものはほとんどなく、貴重な建造物として重要文化財にも指定されています。
日本の伝統的な構造といえば、柱と梁で枠組みを組む「木造」です。一方、フランスの技術を取り入れて作られた富岡製糸場は、柱と梁で軸を組み立て、柱と柱の間にレンガを積んで壁を作る構造が採用されました。これにより、西洋と日本の建築様式が融合した建造物として完成。世界遺産である富岡製糸場では、工場の内部も外部もじっくりと見学しましょう。
富岡製糸場と絹産業遺産群のおすすめポイント②:田島弥平旧宅
世界遺産登録資産のひとつ「田島弥平旧宅」は、田島弥平氏の住居兼蚕室。通風を重視した換気用越屋根が設けられているのが特徴です。
個人宅のため、庭と桑場1階のみ見学できます。
富岡製糸場と絹産業遺産群のおすすめポイント③:高山社跡
高山社は、高山長五郎氏が通風と温度管理を調和させた住居兼蚕室・養蚕教育機関。蚕の飼育法は国内はもとより海外にも広まり、「清温育(せいおんいく)」として全国標準の養蚕法となりました。
富岡製糸場と絹産業遺産群のおすすめポイント④:荒船風穴
3基の風穴を利用した、日本最大規模の蚕の卵(蚕種/さんしゅ)貯蔵施設。岩の隙間から吹き出す自然の冷気を利用し、当時年1回だった養蚕が、複数回可能になりました。傾斜地なので、動きやすい服装と歩きやすい靴で観光しましょう。
※冬季(12〜3月頃)は閉鎖
◎【富岡製糸場と絹産業遺産群】まとめ
世界遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」を紹介しました。産業機器や技術の未発達であった時代に革新的な技術で絹を特権階級だけでなく一般にも広く伝え、世界との交流や豊かさを生んだ富岡製糸場。戦後、日本は世界有数の産業国として発展しますが、大きな一歩はここから生まれていたのかもしれません。戦争の被害を受けずに当時の姿を残す工場や養蚕業者宅などを訪れ、世界遺産に認定された歴史と産業の発展を肌で感じてみませんか。
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