名称:マルタの巨石神殿群(Megalithic Temples of Malta)
公式・関連サイトURL:http://www.mtajapan.com/heritage.html
「マルタの巨石神殿群」は、地中海に浮かぶマルタ共和国のマルタ島とゴゾ島にある世界遺産です。エジプトのピラミッドなどよりもはるかに古い年代につくられた人類最古の石造建築物として、考古学上非常に貴重な遺跡といわれています。
いつ頃、どのような民族が、何のために、など謎が多いマルタ共和国の石造建築物。現在確認されているだけでも30以上あり、その中の6つが世界遺産として認定されています。中には60トンを超す巨石もあり、機械もない時代にどのように運んで積み上げたのか?ほとんど解明されていないというミステリアスな世界遺産。
美しいリゾート地・マルタ共和国のロマンあふれる世界遺産、巨石神殿群をご紹介しましょう。
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マルタの巨石神殿群【マルタ共和国の世界遺産】地中海の古代文明ミステリー!
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マルタの巨石神殿群とは?
南ヨーロッパの地中海に浮かぶマルタ共和国は温暖な気候、美しい海が魅力的なリゾートアイランド。そんな小さなマルタ共和国には発掘された神殿群だけで20以上、崩れてしまった神殿群も合わせると40近くもの巨石神殿が見つかっています。
マルタ島の隣にある小さな島・ゴゾ島にある遺跡ジュガンディーヤ神殿が1980年に世界遺産に登録され、その後1992年にマルタ島にあるタルシーン、イムナイドラ、ハジャーイム、スコルバ、タハージュラの5つの神殿が追加で登録されました。これらの神殿が建造されたのは、紀元前4500年から前2000年の間といわれています。
いまだにその多くが謎に包まれていますが、左右対称に何トンもの巨石を隙間なく積み上げたり、季節の太陽の向きに合わせて建設されていたりと、古代の技術力の高さに驚かされる世界遺産。多くの神殿の出入り次は夏至か冬至、または春分秋分の日の出の方向を向いています。
マルタの巨石神殿群へのアクセス
日本からマルタへの直行便はなくヨーロッパ主要国で乗り継ぐ必要があります。一番近いのはイタリアのローマからの航空便で約1時半ほどです。
各巨石群は島の各地にあるので、全部を一度に見て周りたい場合はタクシーをチャーターするかレンタカーが便利です。また公共交通機関なら遺跡まで首都のバレッタからそれぞれバスがあります。
離島であるゴゾ島のジュガンディーヤ遺跡は、マルタ島からフェリーでゴゾ島へ行きその後バスを乗り継ぐ必要があります。
マルタの巨石神殿群のお薦めポイント①:ジュガンディーヤ神殿
マルタ共和国のゴゾ島は面積67平方キロ、人口わずか7000人にも満たない小さな島ですが、ここマルタ共和国の巨石神殿群で一番最初に世界遺産に登録された「ジュガンディーヤ神殿」があります。
ジュガンディーヤ神殿は紀元前3600年頃に建造されたと考えられており、世界遺産となった6つの神殿の中で最古、かつ最も保存状態がいい神殿です。マルタ語で「巨人の塔」を意味するジュガンディーヤ。その名の通り巨人が造ったという伝承がゴゾ島に伝わっている神殿なんですよ。
2つの神殿から構成され、全体像はクローバー形をしていたと考えられています。豊穣神を祀っていたとか、礼拝所だったといった諸説ありますがどれも正確なところはわかっていません。
所々に残る人工的な丸い穴の跡や、地面に落ちている球形の物体など、どのように使われていたのか想像力を掻き立てられます。人類最古の石造建築物ジュガンディーヤ神殿をぜひ訪れてみてください。
名称:ジュガンティーヤ神殿(Ggantija Prehistoric Temple)
住所:Triq John Otto Bayer, Ix-Xagħra, マルタ
マルタの巨石神殿群のお薦めポイント②:タルシーン神殿
マルタ島の南パオラという町の住宅街にある、世界遺産の巨石神殿群の一つ「タルシーン神殿」。このタルシーン神殿は世界遺産のマルタ島の巨石神殿群の中でも後期紀元前3000年前後に造られたと考えられ、他の神殿より堅い材質の石を使用しているため多くの興味深い物が残っています。
タルシーン神殿には、祭壇ではと思わせる石組みがあったり、かなり高度な技術を要したのではと思わせる渦巻きや動物の彫刻が石に浮彫されているんです。
なかでも注目すべきは、約2.7mにもなる巨大な石を使った「Fat Lady」と呼ばれる彫刻。この像は上半身が欠けていて男性か女性か不明ですが、でっぷりと太い足とお尻は「大地母神」の信仰のあらわれだといわれています。
太古の人々の息遣いが聞こえてきそうな世界遺産ですね。
名称:タルシーン神殿(Tarxien Temple and Museum)
住所:Triq It Tempji Neolitici, Ħal Tarxien TXN 1063 マルタ
マルタの巨石神殿群を訪れる際の注意点
地中海に浮かぶマルタ共和国では、かなり強い日中の日差しには注意が必要です。
巨石神殿群の観光は殆どが屋外で、日陰のないような道を長時間歩くこともあります。テントで上部のみ覆われている神殿もありますが、夏は日焼けや熱中症対策、冬には防寒対策をしっかりしてから観光してください。
また、巨石神殿群の中には舗装がきちんとされておらず、石が多く散乱して歩きにくい場所もたくさんあるので、歩きやすい靴で行くのがオススメ。くれぐれも、海水浴のついでだからとビーチサンダルなどで行かないようにしてくださいね。
◎【世界遺産】マルタの巨石神殿群まとめ
世界遺産、マルタの巨石神殿群をご紹介しました。小さな島に人類最古の石造建築物が大量にあるというミステリー、考古学的ロマンを感じずにはいられませんね。風光明媚なマルタ島とゴゾ島の観光を楽しむのと同時に、古代文明の謎を探求しにぜひ訪れてみてくださいね。