名称:コトルの自然と文化歴史地域(Natural and Culturo-Historical Region of Kotor)
住所:Stari grad, Kotor Municipality, Montenegro
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/125/
バルカン半島西部、アドリア海に面した共和制国家のモンテネグロは、大自然に恵まれた美しい国。世界遺産に登録されているドゥルミトル国立公園や、280種を超える鳥類が生息し「渡り鳥の飛行場」ともいわれるスカダル湖などが有名です。
そんなモンテネグロでもう1つ登録されている世界遺産が、城塞都市として知られる「コトル」です。美しい景観とともに歴史や文化に触れることができ、観光スポットとして人気がある世界遺産コトルの自然や文化、歴史についてご紹介します。
目次
モンテネグロの世界遺産、城塞都市コトルの自然と文化歴史地域を歩く旅
コトルの自然と文化歴史地域とは?
アドリア海東岸にあるモンテネグロのコトル湾は、珍しいほど複雑に入り組んだ地形が特徴的。そのコトル湾の最深部南端に位置しているのが、今回ご紹介する世界遺産の街、コトルです。
ビザンチン帝国、セルビア、ヴェネツィア共和国などに支配されながらも繁栄してきたコトル。中世の面影が残る町並みや石畳が美しい旧市街には、ヴェネツィアの影響を受けた城壁や建築物が残っています。また、ローマ・カトリックとギリシャ正教会の文化圏が重なっているコトルには両方の教会が建てられています。
そんなコトルは4つの教会、城壁、海洋博物館、1602年に建てられた中央広場の大時計など代表的な見どころと、歴史上重要な建築様式や建築物群、文化、伝統、美しい景観などが評価され、1979年に「コトルの自然と文化歴史地域」として世界文化遺産に登録されました。
コトルの自然と文化歴史地域へのアクセス
クロアチアからほど近いコトルの街は、ドゥブロヴニクの南東約60kmに位置しています。ドゥブロヴニクから車なら約2時間、バスやフェリーでもアクセスできます。美しい海を眺めながらコトル湾を巡るクルーズツアーや、クロアチアからの日帰りツアーに参加するのもおすすめです。
コトルの自然と文化歴史地域のおすすめポイント①:コトル城壁
ヴェネツィア共和国によって築城された総延長約4.5kmのコトル城壁は、モンテネグロで外せない観光スポットのひとつ。コトルの旧市街地で中世の町並みを楽しむだけでなく、ぜひ裏山を登り、標高約260mの城壁の頂上からコトルの絶景を見渡してみてください。
裏山の要塞への入口を入ると石の階段が続いています。頂上までの所要時間は約1時間。赤レンガの建物や海の絶景を見ながら登れておすすめなので、時間がある方はぜひチャレンジしてみてください。
頂上からの景色は一気に疲れも吹き飛ぶほどの美しさ!どこを撮ってもプロのような美しい写真が撮れる人気の写真撮影スポットです。頂上まで登るのは少し大変、と思う方でも大丈夫!途中からでも十分きれいな景色を見ることができますよ。
コトルの自然と文化歴史地域のおすすめポイント②:トリプン大聖堂
1166年に建てられたローマ・カトリック教会の「聖トリプン大聖堂」は、コトルで最も有名な教会のひとつ。コトルの守護聖人である聖トリプンを祀る教会で、正面ファサードには、黄金色に輝くコトルの街の模型も持った聖トリプンの像が掲げられています。アプスを含め身廊は全長約35m、幅約17m。ロマネスク様式の特徴的な柱や装飾が施されている石でできた天蓋などがとても美しい建物です。
左の塔に「809」という数字が書かれているのは、809年に前身の教会が建てられたため。2階の聖遺物展示室には、ヴェネツィアの商人がイスタンブールから運び込んだと伝わる貴重な遺物が収められています。
1967年や1979年の大地震により、聖トリプン大聖堂をはじめコトルの街全体も大きな被害を受けましたが、ユネスコの支援のもと復興が進んでいます。聖トリプン大聖堂の支柱は、古い寺院からモノリスの支柱を用いて復元されています。昔の壁画も部分的に残っているのでチェックしてみてください。2階のバルコニーからは、広場などコトルの美しい街並みを見渡せますよ。
◎まとめ
美しい海と緑あふれる山々、赤レンガの町並みや歴史的な古い建物が立ち並んでいるコトルでは、街を散歩して景色を眺めるだけでも癒されます。こぢんまりした街なので旧市街地の散策だけなら時間はかかりませんが、コトルに行くならぜひ頂上の城跡まで登って、世界遺産の絶景を自分の目でみてみたいもの。
昼は美しい青空とヴェネツィアの影響が残る街並みの風景を楽しめて、夜はライトアップされた美しい夜景を見ることができますよ。豪華客船なども訪れる魅力的な湾岸都市コトルで美しい世界遺産を満喫してくださいね。