名称:デリーのフマーユーン廟
住所:Mathura Road, Oppo. Nizamuddin Police Station, Nizamuddin East, New Delhi, Delhi 110013
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/232/
インドの首都デリーのヤムナー川のほとりに、デリー観光のハイライトとなる「フマユーン廟」があります。ムガル帝国の第2代皇帝フマユーンの墓廟です。後にムガル帝国第5代皇帝が亡き妻のために建てたインド建築の傑作である世界遺産のタージマハルの建設に大きな影響を与えたと言われる霊廟です。
インド初のペルシャ系イスラム建築の墓廟は、皇帝フマユーンをはじめ総勢150人ほどの王家の人たち、宮廷人が眠っている巨大な霊廟であり、その建築美も大きな見どころです。では、デリー観光で絶対に外せない世界遺産「デリーのフマユーン廟」をご紹介します!
目次
タージマハルのモデルとなった世界遺産~デリーのフマユーン廟
デリーのフマユーン廟とは?
世界遺産「デリーのフマユーン廟」はムガル帝国第2代皇帝フマユーンの墓廟と庭園で構成され、1993年に世界遺産に登録されました。庭園も建物も左右対称で造られていて「庭園の中の廟」と言われています。
門を二つ抜けてフマユーン廟が目に飛び込んできますが、中央のメインドームから全く左右対称の赤砂岩の建築物がもたらす美しさと安定感は見ごたえ十分。4面どこから見ても同じ外観に見えるように設計されているのが、ペルシャ系イスラム建築のこの墓廟の特徴です!
「デリーのフマユーン廟」は2層建築になっており、下層である基壇は一辺が長さ約95m、高さ約7mあります。この基壇に上層部の廟がのせられています。外観は赤砂岩と白大理石が組み合わされて幾何学模様が施されていてゴージャスで、内装は打って変わってシンプルな空間でいくつかの棺が置かれているだけです。
タージマハルは第5代皇帝シャー・ジャハーンが愛妃(奥様)のために建てた墓廟ですが、フマユーン廟は王妃が亡き王様のために建てられました。ペルシャ様式の美しいこの墓廟はムガル建築の始まりとも言われています。
デリーのフマユーン廟へのアクセス
フマユーン廟は、ニューデリーの中心であるコンノートプレイスから南東に行ったエリア、 ハザラト・ニザームウッディーン駅からおよそ500mに位置しています。 バスはニューデリー駅の西側から出ている181番バスなどが ハザラト・ニザームウッディーン駅まで行きます。
オートリキシャ(三輪タクシー)を利用して宿泊付近から直接フマユーン廟に行くのが一番シンプルですが、デリーのリキシャは悪質なドライバーも多いのでしっかりと金銭交渉をできるかどうかで、オートリキシャで行くか鉄道かバスで行くか判断しましょう!
デリーのフマユーン廟のおすすめポイント2
1.霊廟の建築
皇帝フマユーンのお妃が建てた世界遺産「デリーのフマユーン廟」は同時代に建てられた他のペルシャ建築物と共通要素が多いとも言われますが、過去の廟建築にはフマユーン廟のような上層建築は見られませんでした。この上層建築の墓廟の流れを汲んでいるのがあの有名な世界遺産「タージマハル」なのです。四方のどこから見ても同じ形に見えるように設計されているデリーにある墓廟にあって、唯一単数しかない外殻ドームは総白大理石でできています。
ドーム屋根の周囲には柱で支えられた傘のような形状の小塔がインドの雰囲気を醸し出していますが、これは各所にヒンドゥー的装飾が施されていて、ドームやアーチなどの主要部のペルシャ様式と融合して独特の美しさを生み出しています。世界遺産のデリーの墓廟は偶像崇拝を禁するイスラム教のもとに建設されているので、崇拝対象となるものではなく幾何学模様が装飾として多用されているのもポイントです!
2.四分庭園
デリーのフマユーン廟の周囲にはおよそ10ヘクタールにも及ぶ広大な庭園が広がり、ペルシア的なチャハルバーグ(四分庭園)となっています。つまり、庭園を4区画の正方形に区切り、水路や園路が格子状に作られ、この庭園もどの面も同じように見えるよう設計されています。
四分庭園もペルシャ式庭園と似ており、この様式の庭園はそれまでやはりインドには存在しないものでした。従来のヒンドゥー建築やインドで発展したイスラム建築とは違う様式の庭園がインドのデリーに造られました。その後チャハルバーグ形式の庭園の造りは、アーグラ城塞やタージ・マハルなどムガル帝国を代表する建造物の庭園造りにおいて主流となり、やはりそれら世界遺産の見どころとなっています。
◎まとめ
いかがでしたか。ムガル帝国の皇帝フマユーンは皇帝として大きな実績を残すことなく、戦いにおいて大敗し国外亡命生活を長く送った後、事故で亡くなるという悲劇の人生を送った皇帝でした。それでも、愛する王妃のおかげでこの墓廟に眠り後世にはこの世界遺産ゆえ、名の知れた皇帝となったのです!では、この美しいムガル美術の傑作、タージマハルのモデルになった世界遺産「デリーのフマユーン廟」をぜひ訪ねてくださいね!