神秘的な芸術作品!ルーマニアの世界遺産モルドヴィア地方の教会群

画像出典:Balate Dorin/shutterstock

神秘的な芸術作品!ルーマニアの世界遺産モルドヴィア地方の教会群

ルーマニアの首都ブカレストから400km程北に行ったモルドヴィアは、のどかな田園風景が広がる地方です。今も町を馬車が行き来するような地方都市でありながら、ヨーロッパで最も美しいと言われる世界遺産を見ようと多くの観光客がこのモルドヴィアを訪れます。

世界遺産は、モルドヴィア地方に点在する8つの教会や修道院が観光の対象で、それぞれの教会に個性や見所が満載。中でも有名なのが「ヴォロネッツ修道院」です。内壁はもちろん外壁まで美しいフレスコ画で埋め尽くされ、見る者を圧倒させます。その他にも壁画の背景の赤が美しい「フモール修道院」などがあり、美術館のような建築物がたくさんありますよ。山間の気候の厳しい立地にありながら、500年以上もの間風雪に耐えて守り抜いてきた、美しいモルドヴィア地方の世界遺産群をご紹介します。

目次

神秘的な芸術作品!ルーマニアの世界遺産モルドヴィア地方の教会群

モルドヴィア地方の教会群とは?

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ルーマニア北部モルドヴィア地方のブコヴィナという山間部には、中世に造られた修道院や教会が点在しています。15世紀から16世紀にかけてこの地方にあったモルドヴィア公国は、常にオスマン帝国の侵略の脅威にさらされていました。そんなオスマン帝国に抵抗し屈しなかったシュテファン大公ら代々の領主が戦争に勝利する度に、記念として教会を建てていったのがはじまり。それらの教会や修道院7つが1993年に世界遺産として認定されました。その後、2010年に「復活教会」も追加で世界遺産に認定されています。

過酷な日々を送り毎日不安と隣り合わせの生活をしていたモルドヴィア地方の人々にとって、これらの教会は祈りの場所であり心の拠り所であったとても重要なところ。そのため字が読めない人でも理解できるように、聖書の場面や聖人の生涯を描いた壁画が外壁いっぱいにある美しい修道院もあります。保存状態や芸術性も非常に高く、それらが認められて世界遺産となったのは納得できますね。500年以上経った今日でも輝きを失わず、多くの人々を魅了させるルーマニアを代表する世界遺産です。

モルドヴィア地方の教会群へのアクセス

ルーマニアの首都ブカレストから、列車でモルドヴィアに最も近いスチャバまで車で6時間半程です。またはブカレストからスチャバまでは飛行機で約1時間。スチャバからこの教会群の場所までは、電車で1時間少しですが、それぞれの教会や修道院が離れている為、電車やバスでは本数も少なく駅から歩く距離もあり不便です。多くの教会を観光するには、レンタカーまたはタクシーをチャーターしていくことをお薦めします。

モルドヴィア地方の教会群のお薦めポイント2

ヴォロネッツ修道院

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「モルドヴィア地方の教会群」という世界遺産を代表する教会が、ヴォロネッツ修道院です。この修道院にある教会を見ずには、この地方の世界遺産を見たとは言えない教会。

1488年にモルドヴィア公国のシュテファン大公が、約4か月という短期間で建設したもので、三つ葉の形をしている当時の典型的なスタイルを持つ教会です。ビザンチン様式とゴシック様式を融合した教会の外側には、聖書の場面などを描いた壁画で埋め尽くされています。特筆すべきはその色彩!青を基調としたフレスコ画は「ヴォロネッツの青」とも呼ばれる独特の青色で、500年も時が経っていることを感じさせない美しさと迫力があります。

また特に見逃せないのが西側の壁一面に描かれた「最後の審判」の壁画。「東欧のシスティーナ礼拝堂」とも呼ばれるほどの傑作で、色鮮やかなその壁画はまさに世界遺産として後世に残すべく芸術作品ですよ。

その他の修道院、教会

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モルドヴィア教会群では、ヴォロネッツ以外にも世界遺産に認定されている教会や修道院があります。青色の壁画が美しいヴォロネッツ修道院に対して、1535年に完成した「フモール修道院」は、「聖ニコラエ」といわれる壁画の背景の赤が美しいと有名。また大きな塔がそびえ壁画の完成までに5年を要したという「モルドヴィッツァ修道院」にある「コンスタンチノープルの包囲」は、オスマン帝国に絶対屈しないという、モルドヴィア地方の村人の強い意志が描かれている一見の価値ある作品です。

十字架をモチーフにした絵が多い「アルボレ修道院」や、2010年に追加で世界遺産に登録され「スチェヴィツァ修道院」などがあります。そしてなんと日本のユネスコ基金と芝浦大学の協力の元、壁画が保全修復されたプロボタ修道院などの見違えて美しくなった壁画も一見の価値ありですよ。

モルドヴィア地方の教会群を訪れる際の注意点

世界遺産であるそれぞれの教会や修道院は今も活動をしており、また敬虔なルーマニア正教の人々が祈りを捧げ心の拠り所としている大事な場所です。観光の際は祈祷の邪魔をせず静かに見学するよう心がけて下さい。

また、モルドヴィア地方の教会を周る際はタクシーをチャーターするかレンタカーをお薦めします。電車やバスの場合、本数が少ないので応用に世界遺産の教会群を満喫するのがむずかしいですよ。

◎まとめ

ルーマニアのモルドヴィア地方の教会群はいかがでしたか。ルーマニアというとドラキュラというイメージですが、実は中世から残る素晴らしい世界遺産が沢山残っている国。西欧の教会のような華美さはありませんが、素晴らしい壁画は見る者を感動させます。そしてこれらは有名な画家によるものだけではなく地元の村人が書いた壁画等もあります。ルーマニアの人々の篤い信仰心を感じる世界遺産の教会群ですよ。

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