名称:アスワン・ハイ・ダム
住所:Manteqet as Sad Al Aali, Qism Aswan
カイロから南へ約900km、スーダンとの国境近くにあるアスワンはナイル川の東流域にあり、1年を通して太陽が輝き乾燥していることが特徴です。一番の魅力はその美しい自然とナイル川に点在する島々、およびそこに残された遺跡群です。ルクソールとアスワン間を運航するナイル川クルーズや、ナセル湖クルーズ、アブシンベル神殿観光の拠点として多くの観光客がアスワンに訪れています。
古代エジプトの魅力溢れる神殿や、ナイル川の絶景など魅力が尽きないアスワン。そんなアスワンでのお勧めスポットを12ヵ所に絞ってお届けします!
目次
ナイル川の恵み豊かな交易の地◎アスワンお勧め観光スポット12選!
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1.アスワン・ハイ・ダム
アスワン・ハイ・ダムはアスワンを代表する有名観光地です。高さ111m、全長3830mという規模を誇り、1970年に完成しました。
ダム工事によってアブシンベル神殿などの遺跡が水没するため、遺跡を守ろうという運動が世界的に発生し、ユネスコが中心になって資金を集め、これらの遺跡を移転し水没を免れたのは有名な話ですよね。当初、エジプト政府はそのまま水没させてしまう計画だったというから驚きます。近くには完成記念塔もあるので合わせて観光して下さいね!
2.切りかけのオベリスク
切りかけのオベリスクとも、未完のオベリスクとも言われるこの場所は、アスワンで有名な観光スポットです。アスワンは質の良い花崗岩の産地で、ここで切り出された花崗岩がピラミッドや神殿を作る為にナイル川増水時にエジプト各地に運ばれたというから驚きです!
中でもオベリスクは、ファラオの為だけに作られる物で、一枚岩から作るのが習わしでした。ここに横たわるオベリスクは、切り出しの途中にひびが入ってしまい使えなかったので、放置された物だと考えられています。長さは約41.75m重量1168tと推定され、もし完成していれば現存する中で最大の大きさを誇るオベリスクとなっていました。
しかし未完成のままでも、その迫力は圧巻!古代のロマンを感じることができますよ。
名称:切りかけのオベリスク
住所:Qism Aswan, Sheyakhah Oula
3.ナセル湖
ナセル湖は、アスワン・ハイ・ダム建設により、ナイル川上流の水位が上がった為に出来た全長500kmの人造湖で、大きさは琵琶湖の約7.5倍もあります。ナセル湖から供給される水は不足がちの農業用水を安定させ、砂漠の緑化にも役立っていますが、その一方で、気候が変わり、ナイル川の生態系を崩してしまった、という批判もあります。
エジプトでクルーズと言えばナイル川クルーズですが、もっとマニアックな遺跡巡りをしたい、ワンランク上のクルーズをしたい、という主にエジプト旅行リピーターに人気上昇中なのが、ナセル湖クルーズです。アスワンを出発し、陸路では行きにくい場所にある遺跡を巡りながらのクルーズで、最終日のハイライトはかの有名なアブシンベル神殿観光!アブシンベル神殿のすぐそばに停泊して観光し、そのまま一泊するので、ライトアップはもちろんの事、翌朝の日の出とアブシンベル神殿という贅沢な景色も堪能できますよ。
名称:ナセル湖
4.フィラエ島
アスワン郊外にあるフィラエ神殿は、ナイル川に浮かぶアギルキア島にある遺跡。一番の見どころは古代エジプトにおける有名な女神の一人であるイシス神を奉ったイシス神殿です。エジプト航空のマークでもある、ハヤブサの頭を持つホルス神はイシス女神の子供であり、この地で産まれたと言われています。
また他にもトラヤヌス帝のキオスクやハトホル神殿などがあり、「フィラエ島からアブシンベル神殿までのヌビア遺跡群」として1979年に世界遺産に登録されています。夜には美しくライトアップされ「音と光のショー」も開催されるので必見ですよ!
名称:フィラエ島
住所:Philae, Egypt
5.エレファンティネ島
ナイル川の中州にあるエレファンティネ島は全長約1.5kmの細長い島です。たくさんのホテルがありますが、多くの観光客は宿泊のみで、島内を観光する事はあまりありません。でも散策にとても楽しい島なのでぜひゆっくりと周ってみるのをおすすめします。
一番の見どころは、牡羊の頭を持つ古代エジプトの創造神クヌムを祀るクヌム神殿。かなり崩れてしまっているので、その全体図を想像するのは難しいですが、残された基礎部分から、かなり大きく立派な神殿だった事がわかります。ナイル川の水位を測ったナイルメーターも残されています。この遺跡から発掘された遺物は隣のアスワン博物館に展示されています。
名称:エレファンティネ島
住所:Qism Aswan, Egypt
6.アスワン植物園
ナイル川に浮かぶキッチナー島は、エジプトがイギリスに支配されていた時代のイギリス将校キッチナーが住んでいた島です。植物が好きだったキッチナーは、エジプトだけではなく、アフリカ、インド、遠くはアジアからも珍しい植物を集め、島全体を植物園のように作り上げました。それが今はアスワン植物園として観光用に公開されています。ファルーカ(帆掛け船)か、ボートに乗って上陸すると、もうそこが植物園。特にヤシの木は珍しい種類が多いと言われています。
一番のお勧めは何といっても暑さの和らいだサンセットです。ナイル川から吹く涼しい風の中、サンダルウッドやジャスミンの香りに包まれてのんびりする贅沢な時間が過ごせますよ!
名称:アスワンボタニカルガーデン
住所:Sheyakhah Oula, Qism Aswan
7.セヘル島
ナイル川に浮かぶ島めぐりの最後は、セヘル島です。セヘル島は、ナイル川の増水を見張る役目だったアヌキス神の住む場所とされ、その神殿があったそうです。あちこちに花崗岩が積み重ねられている岩山があるので近づいて見て見ましょう。岩には古代の神々やヒエログリフなどが彫られています。
山の上のほうにある「飢饉の石碑」が有名で、そこには、サッカーラの階段ピラミッドで有名なジョセル王が干ばつが終わった事を感謝して土地を送った、という文面が書かれているそうです。200以上の岩壁画があり、古代エジプトの歴史好きにはたまらない場所ですが、観光客の数は比較的少なめなのでゆっくりと観光することができますよ。
名称:セヘル島
住所:Qism Aswan, Egypt
8.コム・オンボ神殿
アスワンから北に50kmほどの場所にある町、コム・オンボにあるコム・オンボ神殿も、アスワン周辺では欠かせない観光スポットのひとつ。
古代エジプト王朝末期のプトレマイオス朝時代に建てられたこの神殿には珍しい特徴があります。それは、ハヤブサの頭で体は人間のハロエリス神と、ワニの頭のセベク神の二つの神を同じ神殿で祭っている点です。そのため、この神殿は、入口も部屋も奥にある至聖所も左右二つに分かれた、左右対称の二重構造になっています。
この神殿に献上されていたワニのミイラも発見され、併設のワニの博物館に展示されているのであわせて観光してみてくださいね。
名称:コム・オンボ神殿
住所:Nagoa Ash Shatb, Markaz Deraw
公式・関連サイトURL:http://www.sca-egypt.org/eng/SITE_Kom_Ombo.htm
9.ヌビア村
アスワンから南の地方をヌビア地方と呼び、そこに住む人々をヌビア人と呼びます。顔は浅黒く縮れた髪の毛、アラビア語ではなくヌビア語を話す誇り高き人達で、アスワン観光中に、ファルーカの船頭さんや、ヌビアンダンスショー、土産物店などさまざまな場所で出会うことができます。
もっとヌビアの人達の暮らしを知りたいと思う方は、アスワンに何か所かあるヌビア村に行って見ましょう!ヌビア村の家々はカラフルにペイントされいて、壁に絵が描かれている家もあります。ヌビア人には独特の風習があり、玄関に魔除けとしてワニの剥製を飾っていたり、生きたワニを飼っている家もあります。何軒かの家は観光客用に公開して、手作りのお土産を売っているので、ヌビアの生活スタイルを間近に見る事も出来ますよ。
名称:ヌビア村
10.ヌビア博物館
50000平方メートルという広大な敷地にあるヌビア博物館は、1997年に建てられた近代的な博物館。ヌビア博物館は、ヌビアの地形や地質から始まって、先史時代、ファラオ時代、クシュ王国時代、ローマ時代、キリスト教時代、イスラーム時代、現代、ヌビアの文化など時代に沿った展示がされていて分かりやすいと観光客にも評判です。カイロの考古学博物館から運ばれた遺物も合わせて3000点以上が収蔵されています。
特に先史時代のコレクションが充実していて、船やガゼルやキリンなどの動物が描かれた岩絵、使われていた土器や矢じり、アクセサリー、当時の埋葬方法の再現などがなかなか興味深いんですよ。館内の写真撮影が出来るのも嬉しいですね。またギフトショップも充実しているので覗いてみてください。広大な庭にはオベリスクの展示などもあり見どころいっぱいの人気観光スポットです。
名称:ヌビア博物館
住所:ASheyakhah Oula, Qism Aswan
公式・関連サイトURL:http://www.visitaswan.info/nubianmuseum.aspx
11.オールドカタラクトホテル
アスワンで一番有名なホテルは、今も昔もオールドカタラクトホテルでしょう。1899年にイギリス人トーマス・クックにより建てられたこのホテルは、イギリスのチャーチル首相、サッチャー首相、ダイアナ妃、ツタンカーメンの墓を発掘したハワード・カーターなど多くの著名人が訪れています。このホテルを有名にしているのは、ミステリー作家のアガサクリスティで、かの有名な「ナイル川殺人事件」はこのホテルに滞在して執筆しました。滞在していた部屋はアガサクリスティルームと銘板がつけられて、現在でも宿泊することができます。
修復を終えて、歴史的に重要なホテルだけが名乗れるというレジェンドホテルに格上げされ、現在の正式名称は「ソフィテルレジェンド・オールドカタラクトホテル」となっています。ぜひ一度ここに宿泊して、贅を尽くす旅を満喫してみてくださいね。
名称:オールドカタラクトホテル
住所:Abtal El Tahrir Street
公式・関連サイトURL:http://m.sofitel.com/gb/hotel-1666-sofitel-legend-old-cataract-aswan/index.shtml
12.アスワンスーク
アスワンらしいお土産を買いたいならばアスワンスークに行きましょう!地元の人や観光客でいつも賑わっており、食料品からお土産まであらゆるものが揃っていますが、なかでも目立つのがスパイスの種類の多さ。粒のままの黒胡椒、ドライバジルやドライミントなどは無難なのでお土産にピッタリですね。量り売りなので少量でも買えますし、値段も決まっているので観光客にも安心です。
もう一つ特筆すべきなのはヌビアの人達の作った民芸品です。カラフルな色遣いの帽子や小物類、土人形などカイロでは見かけないようなお土産品がたくさんありますよ。値下げ交渉にも応じてくれるので、気軽にチャレンジしてみましょう。
名称:アスワンスーク
◎まとめ
いかがでしたか?エジプトの観光地の中でもアスワンには優しくて素朴な人が多く、観光客に優しい町です。見所もたくさんあるので、是非たっぷり時間を取って観光して下さいね。ただし夏はとても暑くて日差しが強く、40度を超える中での遺跡巡りはちょっと大変かも知れません。アスワン観光のお勧めは3月、4月の春頃と言われていますが、真夏を避ければどの季節でも快適に過ごせますよ。
ナイル川沿いには大型のホテルが立ち並び、ナイル川から外れると安宿や中級宿が並びます。ナイル川の中州のホテルに宿泊すると、毎回ボートで移動するので色んな時間のナイル川の景色を味わえるのでお得かもしれません。
カイロからはのアクセスは、国内線飛行機で約1時間半、列車だと約12時間。ぜひエジプト観光の際にはアスワンにも訪れてみてください。