最古の古代文明発祥の地！？ヴァンの歴史をナマで感じる観光スポット8選

学校で勉強した古代文明を覚えていますか？エジプト文明、メソポタミア文明、インダス文明、黄河文明を世界4大文明として勉強したことを覚えている方も多いでしょう。しかし近年、メソポタミア文明より前にパレスチナを中心に文明が発達していたのではないか、と言われているのです。

その中心地のひとつがトルコの東に位置する国境の街、ヴァンです。この街周辺の一帯は紀元前4000年ごろ世界最古の都市文明が花開いた地であると言われています。そうした証拠になりえるような貴重な数多くの遺跡や建築物が発見され、現在も研究が続けられているんです。

今回は古代から続く歴史を受け継ぐ街、ヴァンのおすすめ観光スポットをご紹介します！

1.ヴァン湖（Lake Van）

ヴァンの観光スポットとして真っ先に挙げられるのが、この「ヴァン湖」と呼ばれる湖です。

この湖はトルコ共和国最大の湖で、その面積はなんと琵琶湖の7倍という巨大さを誇っています。その特徴は湖であるにもかかわらず塩水であること。そのため湖水は強アルカリ性となっており、その結果快晴の日には湖水がトルコブルーをして見え、非常に美しい景観が見られます。ただし濃度の違いや天候によっては違う色に見えることもあるとか。泳ぐこともできるため挑戦したい方はしてみてもいいかもしれませんね。湖でとれた魚料理をいただくこともでき、地元の生活を垣間見ることもできそうです。ヴァン市内からは離れているのでミニバスを利用して訪れるのが便利です。

長い間連綿と受け継がれてきた土地の生活を知り、ヴァンの魅力を発見できそうな観光スポットです。

2.アクダマル島（Akdamar Island）

次に紹介するのはヴァン湖に浮かぶ島、アクダマル島です。

このアクダマル島には10世紀に建造された教会が残っており、当時の姿をとどめている島として人気が高いヴァンの観光スポットとなっています。島からの周囲のロケーションも素晴らしく、貴重な環境が残っています。島へはヴァン湖の桟橋から観光船を使ってわたります。島には売店がないためあらかじめ飲料・食料を用意しておく必要があるとのことで情報収集と持ち物の準備には注意が必要です。

ヴァンを訪れた観光客の多くが訪問する島であり、外せない観光スポットですね。

3.ホーリークロス教会（Holy Cross Church）

ヴァン湖に浮かぶ島、アクダマル島に残る10世紀の教会、それが次に紹介する「ホーリークロス教会」です。

この教会はアルメニア教会と呼ばれるアルメニア人によるキリスト教の宗派の一つの信仰に基づいて建てられており、石造りの非常に独特でかつ美しい形状の教会になっています。いわゆる一般的にイメージするようなヨーロッパの教会とは見た目がかなり違ったものとなっており、建物の外部にはアダムとイヴから始まった物語の彫刻がしつらえられているなど細部まで美しい作りになっていて見ていて飽きることがありません。非常に保存状態もよく、その美しさには感動を覚えること間違いなしです。

現代の我々にとってなじみの深いキリスト教、その原始的な部分を垣間見ることができる貴重な教会と言えますね。必見です。

4.ヴァン城（Van Castle）

「ヴァン城」はヴァンを象徴する観光スポット。ヴァンの街の中心から約5キロメートル、ミニバスで15分ほど、その後徒歩で20分ほど行くと到着します。ヴァンの市内からも見えるその城は、こちらもいわゆる西洋的な城ではなく、山の石をそのまま削って作ったような、周囲の地形にそのまま溶け込んだようななんとも独特な味わいのある様子の城です。ここでしか見られない景色であり、人と自然の調和をも感じさせてくれるスポットです。

紀元前834年にウラルトゥ王国のサルドゥール１世が建てたとされるヴァン城。ヴァンの歴史を存分に感じさせてくれる太古の観光スポットで、雄大さをぜひ体感してください。

5.ムラディエの滝（Muradiye Selalesi）

ヴァンで歴史以外の観光スポットといえばここ、ムラディエの滝でしょう。

平坦な大地に突如現れる「ムラディエの滝」は、初めて見るものを圧倒します。まず驚くのはその水量です。現地ではこの水量を利用して水力発電も行われているとのことで、地元の生活を支える重要な資源であることもわかります。一本の水の流れではなく、幾本にも別れながらごうごうと落ちる水の様子は非常に美しく、写真を撮るにも最適です。また滝の上流部には吊り橋もかけられており、そこから見る滝の景色も迫力満点です。

雄大な歴史を支えてきた雄大な自然で、思わず息をのんでしまいそうです。ぜひ生で見てみたい観光スポットですね。

6.古代ウラルトゥ王国遺跡

つぎに紹介する観光スポットは、まさに古代文明の存在を証明する驚きの遺跡、古代ウラルトゥ王国遺跡です。

ウラルトゥ王国は紀元前7世紀の要塞都市として栄えた王国です。紀元前に生きた人々の生活の跡が今も残っていることがそもそも驚きですが、遠くから眺めると遺跡があるはずの場所はただの茶色の大地やはげ山にしか見えません。しかし近づくにつれその全貌を表していきます。当時の都市の大半は土に埋まっているのですが、穀物倉庫が見えたり少し掘れば当時の小麦の粒がそのまま出ると言われています。そして必見なのが寺院跡。くさび形文字が掘られた石が現存し、間近で鑑賞することができるんですよ。

まるで探検家・発掘家になったかのような気分を味わえる、ヴァンでイチオシの観光スポットです。

7.ホシャップ城（Hosap Castle）

ヴァンの街にはもう一つ城があります。それがこの「ホシャップ城」です。

1643年に建設され地元の豪族の宮殿としても長年機能してきたこのホシャップ城。イランとの国境にも近く、城に向かう道の途中にもトルコ語のアルファベットと違う、イランの文字を何度も目にすることになります。入り口には鎖につながれたライオンのレリーフ（彫刻）が刻まれており、中には当時使われた水道管も見ることができます。近年の発掘では250年前のチーズも出土していたりと、当時から非常に文化的なレベルが高かった街の様子がうかがえますね。また城下にはクルド人の村を目にすることができ、城を含めた全体のロケーションも非常に美しい地域です。

ヴァンの街の観光スポットとして、歴史をめぐるにはぴったりのスポットです。ヴァン城との比較も面白そうですね。

8.ヴァン猫ハウス

ヴァンの観光スポットとして最後に紹介するのは、「ヴァン猫ハウス」です。

世界各地に広く分布しているネコですが、例にもれずヴァンにもネコが生息しています。しかしここヴァンのネコはほかのネコとは少し違う特徴を持っています。それは、両目の色が違う「オッドアイ」と呼ばれる目の色をしているのです。片方が青、もう片方が琥珀色という組み合わせで、非常に美しい吸い込まれそうな目をしています。世界でもオッドアイのネコは珍しく、この猫を見るために訪れる人も後を絶たないのだとか。ユジュンジュ・ユル大学構内にあるそのヴァン猫ハウスはヴァン市内からミニバスに乗って向かうことができます。現地ではお土産も売っていて真っ白なヴァン猫をモデルにしたグッズが買えるのだとか。

ネコ好きな方も、旅の記念に見ておきたい方も、ぜひこの一風変わった観光スポットに足を運んでみてはいかがでしょう。

◎まとめ

いかがでしたか？かつて古代文明が栄えたヴァンの街の歴史をナマで感じることのできるおすすめの観光スポットを8つ選んでみました。文明が生まれては新たなものに取って代わられていく歴史の中で、他の街ではなかなか見ることのないような貴重なものがいくつも残っているのがヴァンの街の魅力ともいえるでしょう。ヴァン猫など地域に特有のものが根付いた背景にはもしかするとこうした長い時間をかけて培われた歴史があるのかもしれません。
人間の文明のスタート地点の一つを見るという刺激的な旅の選択肢として、ヴァンを選んでみてはいかがでしょう？

最古の古代文明発祥の地！？ヴァンの歴史をナマで感じる観光スポット8選