名称:Singapore Botanic Gardens
住所:1 Cluny Road, Singapore, 259569
公式・関連サイトURL:https://www.sbg.org.sg/
シンガポールで植物園といえば「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」を思い浮かべる方が多いですよね。
ここはシンガポールの一大観光拠点となった「マリーナ・ベイ・サンズ」の隣に誕生した植物園で、人工の大木「スーパーツリー」があることでも有名です。木と木の間に架けられたつり橋「スカイウェイ」や夜のライトアップなど、見どころがたくさんあります。
そんな最先端技術を駆使して造られた近代的なガーデンも良いですが、シンガポールの自然あふれる本来の姿を見てみたいと思いませんか?
今回ご紹介する「シンガポール植物園(Singapore Botanic Gardens)」は、シンガポール最古の原生林であり長きにわたって愛されてきた市民の憩いの場です。また、ランの交配やゴム産業に関する研究を行い、シンガポールの発展に多大なる影響を与えた重要な場所でもあります。
植物好きの方はもちろん、そうでない方もきっと楽しめますよ!
それでは、世界遺産「シンガポール植物園」の魅力についてご紹介していきましょう。
目次
シンガポールが誇る唯一の世界遺産!歴史あるシンガポール植物園
シンガポール植物園とは?
シンガポール創設の父と呼ばれるラッフルズ卿は、植物の研究に熱心であったことで知られています。
2015年に世界遺産に登録された「シンガポール植物園(Singapore Botanic Gardens)」も、元々は彼が栽培に関する研究を行うため開園した植物園でした。実験的に造られたこの植物園は1829年に一旦閉園してしまうのですが、30年の時を経た1859年に現在の「シンガポール植物園」としてオープンしたのです。
シンガポールと言えば、国花でもある蘭の花が有名ですよね。敷地内にある「ナショナル・オーキッド・ガーデン(National Orchid Garden)」では、長年にわたってランの交配に関する研究を行っており、ここにはなんと2000種以上もの交配種が存在するのだとか。シンガポールの在来種であり、世界最大とも言われる「タイガー・オーキッド」が自生する姿も見られますよ!
世界市場に出回るランの約15%がシンガポール産であることは有名な話ですが、主な輸出品の中には天然ゴムもあります。この天然ゴム無くして、シンガポール経済を語ることはまず出来ないでしょう。
始まりは1877年。ロンドンの世界遺産「キュー・ガーデン」からゴムの苗木22本が持ち込まれると共に、初代園長となるリドリー氏がやって来ます。
一度ゴム園の経営に失敗している彼は、様々なプラテーションを周りながらゴムの木を育てる研究を開始。10年以上にも及ぶ研究の結果、ついにゴムの木を傷つけずに樹液のみを採取する方法を見つけ出します。
効率の良いゴムの生産技術が開発されたことによりマレー半島全域は活気づき、東南アジア諸国はこれを機に経済的に大きく繁栄するようになりました。
このように、シンガポール植物園は自然豊かな観光スポットとしてだけではなく、シンガポールが歩んできた歴史を象徴する遺跡として、また、経済の発展に大いに貢献した研究所としての功績を評価され世界遺産に登録されることとなったのです。
シンガポール植物園へのアクセス
シンガポール植物園へは、シンガポールのメインストリートと呼ばれる「オーチャード・ロード(Orchard Road)」からアクセスするのが良いでしょう。オーチャード・ロード沿いには3つのMRT駅のほか、複数のバス停がありとても便利です。
MRTを利用する場合は、オーチャード(Orchard)駅から南北線でニュートン(Newton)駅まで行き、ダウンタウン線に乗り換えてボタニック・ガーデン(Botanic Gardens)駅で下車します。
バスの場合は、オーチャード・ブルーバード(Orchard Boulevard)から7番、77番、105番、106番、123番のいずれかに乗ってボタニック・ガーデン(Botanic Gardens)を目指しましょう。
シンガポール植物園内にはいくつかのガーデンがあり、それぞれ少し距離があるので敷地内での移動が多くなります。そのため、予め目的地が決まっている場合は、各ガーデンまで直接タクシーでアクセスするのがおすすめです。また、オーチャード・ロードから少々距離はありますが、ビジターセンターやショップを併設した「タングリン・ゲート」までは徒歩で行くこともできますよ。所要時間は約20分です。
シンガポール植物園のおすすめポイント
◆ナショナル・オーキッド・ガーデン
シンガポール植物園の最大の見どころと言っても過言ではないのが、「ナショナル・オーキッド・ガーデン」!この蘭園は、シンガポール植物園が世界遺産に登録されるずっと前からシンガポールを代表する観光スポットとして人気を博してきました。
ランの展示に関しては世界最大規模を誇るという「ナショナル・オーキッド・ガーデン」には、1000以上もの原種と2000以上もの交配種が約6万株も栽培されています。温かい場所でしか育てることができないランですが、赤道直下に位置する南国シンガポールではなんと野外にも咲いているんですよ。あちらこちらにフォトスポットが設置されているので、ぜひとっておきの1枚を写真に収めてみましょう。
「VIPオーキッド・ガーデン」では、園内で独自に交配させたランに有名人の名前を付けて展示しています。南アフリカの元大統領ネルソン・マンデラ氏や、香港スターのジャッキー・チェーン、故・ダイアナ元妃など、どのランもそれぞれのイメージにぴったり。バラエティー豊かで見ていて飽きません。
シンガポール植物園では唯一の有料スポットでありますが、これは訪れる価値がありますよ!
ぜひお気に入りのランを見つけてみてくださいね。
◆レインフォレスト
シンガポール植物園が長い年月をかけて育くみ続けてきた自然の姿。それこそがまさに「レインフォレスト(Rainforest)」です。レインフォレストはシンガポールに残る最古の原生林の一つで、日本では観葉植物として人気のパキラやちょっと珍しい巨大なシダなど、約300種類もの植物が生い茂っています。
近年ますます開発が進むシンガポールでは緑がとっても貴重!レインフォレストでは、そんな自然を求めて住み着いた野生の鳥やリスの可愛い姿を見ることも出来ます。ちゃんとトレイルが設置されているので、小さなお子様や年配の方でも安心して楽しめますよ。熱帯雨林で森林浴をしながら歩けば、きっと旅の疲れも吹き飛ぶでしょう。
説明を聞きながらのんびり回りたい方は、ぜひ日本語ガイドツアーに参加してみてください。広い敷地内でも、特におすすめのスポットを厳選して案内してもらえます。日本で見る姿とは比べ物にならないほど大きく成長した野生植物や、熱帯雨林ならではの珍しい植物などとにかく見どころ満載!2015年に世界遺産に登録されてからは年々観光客も増えているため、ガイドツアーは事前予約がおすすめです。
シンガポール植物園見学の際の注意事項
約63ヘクタールもの敷地面積を有するシンガポール植物園は、一周するだけでも3時間はかかると言われる程とにかく広大!中にはぬかるんでいる場所もあるので、歩きやすいスニーカーを着用しましょう。
また、季節問わず草木が生い茂って植物園では蚊よけ対策が必須。常夏のシンガポールは気温・湿度ともに高めなので、熱中症対策を万全にすることをおすすめします。
◎まとめ
シンガポールは小さな国ながらも、ショッピングやグルメ、アミューズメントパークと観光を楽しめる要素がたっぷり詰まった魅力あふれる国です。街中に出ると煌びやかなアートや最新の科学技術など、近代的な国際都市としての姿についつい目が向いてしまいがちですが、豊かな自然もたくさん残っていますよ!
約160年にも及ぶ歴史を持つ世界遺産「シンガポール植物園」は、シンガポールの歴史を語る上でも欠かせない場所です。散策も楽しめるのでぜひ家族で訪れてみてくださいね。