文化都市リンツを味わい尽くせ!歴史と芸術をめぐる観光スポット15選

画像出典:trabantos

文化都市リンツを味わい尽くせ!歴史と芸術をめぐる観光スポット15選

オーストリア第三の都市リンツと聞いて、何を思い浮かべますか?町の名を冠する有名チョコレート会社を思い浮かべる人や、モーツァルトのリンツ交響曲を思い出す人、世界最古のケーキとされるリンツァートルテ発祥の地なんて答える人もいるでしょう。

日本からは遠いような身近なような不思議な距離感のリンツ。いつかは行きたい!と憧れている人も多いのではないでしょうか。今回はそんなリンツのおすすめ観光スポットを一挙に紹介。リンツへの旅行が決まっている人も、将来行きたいなあと漠然と思っている人も、ここであらかじめリンツで行くべき場所を押さえておきましょう!

目次

文化都市リンツを味わい尽くせ!歴史と芸術をめぐる観光スポット15選

目次を閉じる

1.新大聖堂

出典: commons.wikimedia.org

リンツのもっとも有名な観光スポットの1つが、1855年に建設された「新大聖堂」です。リンツ旧市街の南西部にあり、リンツに数ある教会の中でも最も大きく洗練された建築美を誇ります。

この新大聖堂で見るべきは、何といっても壮大な聖堂内のステンドグラス。リンツの町の歴史を描いたそのステンドグラスの数々は、「リンツ窓」と呼ばれています。ちなみにこの聖堂、高さが134mあるのですが、ウィーンのシュテファン大聖堂を超えそうになったことから建設途中にクレームが付き、高さを抑えて建設されたといういわくつきなのだとか。

美しく神聖な様子の聖堂は、クリスチャンでなくとも心洗われます。リフレッシュしてリンツ観光を満喫するためにも、ぜひ新大聖堂を訪れてみましょう。

2.旧大聖堂(Alter Dom)

出典: 空  / PIXTA(ピクスタ)

続いて紹介するのは、新大聖堂と対を成す「旧大聖堂」です。正式名称は「聖イグナティウス教会」で、1678年にバロック様式で建造されたイエズス会の教会です。空に向かって並んでそびえる2つの塔が印象的なこの教会は、19世紀の著名な作曲家ブルックナーが、1855年~68年までの期間オルガニストをつとめたことで有名です。

新旧2つの大聖堂に簡単にアクセスできるリンツ。両者を比べながら、リンツの歴史に思いをはせてみるのもおすすめです。美しい教会の数々は、リンツ観光のスポットとして外せませんよ。

3.マウトハウゼン強制収容所

出典: commons.wikimedia.org

リンツを訪れる観光客が、美しい観光スポットの数々のほかに向かうところがあります。それが、リンツ南東の郊外にある「マウトハウゼン強制収容所」です。

第二次世界大戦初期に、ナチスドイツの親衛隊によって設置されたナチ強制収容所の一つで、収容者が最も過酷な扱いを受けた強制収容所と言われています。1943年の一年間の収容者数約1万5000人のうち、7058人が死亡したという数字が、その過酷さを物語っています。現在は、歴史を伝えるための記念館として整備され、当時内部で行われていた拷問や人体実験の様子などの、消えない過去を今に伝えています。

万人にオススメできる観光スポットというわけではないでしょうが、リンツを訪れた多くの観光客から評価を受けている場所です。リンツの紛れもない歴史の一ページを自分の目で確かめるためにも、訪れてみてはいかがでしょう?

4.州庁舎

出典: www.flickr.com

次に紹介するリンツの観光スポットは、「州庁舎」と呼ばれる建物です。16世紀後半に建てられたルネッサンス様式の建築で、白を基調としたアーチ構造を、繰り返すように設置された柱が連なる廊下、そしてそれに面する中庭が非常に美しい建築物です。中庭には噴水もあり、優雅な雰囲気を楽しめます。

その洗練された雰囲気から、かつてはリンツ大学として使用されたことがあるというのも納得です。現在公開されているのは中庭のみで建物の内部には入れませんが、あまり観光客で混雑しておらず、落ち着いて過ごせる場所として穴場の観光スポットとなっています。

めぐりたい場所が多すぎるリンツ観光ですが、ゆっくりとした時間を味わいたいときには、気軽に州庁舎に立ち寄ってみましょう。

5.中央広場

出典: commons.wikimedia.org

リンツ観光の目印とも言うべき旧市街のまさに中心、それが「中央広場」です。広場を取り巻いてバロック様式の建物が立ち並ぶ様子が観光の雰囲気を盛り上げ、ヨーロッパらしい景色を肌で感じることができます。

この中央広場で見ておきたいのは、広場中央にある大理石でできた「聖三位一体の柱(Dreifaltigkeitssäule)」。18世紀初頭のリンツで行われたトルコ軍との戦いや、当時ヨーロッパ全土を巻き込んで流行したペストの鎮静化に感謝して、1723年に建てられた記念柱です。また、リンツの観光案内所が併設されている市庁舎や、リンツ歯科歴史博物館もこの中央広場に面しています。

リンツのおすすめ観光スポットであると同時に、そのほかの観光スポットを訪れる際の目印にもなる中央広場は、ぜひ押さえておきたいスポットですね。

6.アルス・エレクトロニカセンター

出典: commons.wikimedia.org

続いては「アルス・エレクトロニカセンター」です!…と言ってもこれが一体何なのか、疑問に感じる方も多いでしょう。アルス・エレクトロニカセンターは、リンツが誇る最先端メディアテクノロジーを体験できる未来型ミュージアムなのです。

そもそもアルス・エレクトロニカというのは、1979年に始まったコンピューターアートの祭典で、世界中のアーティストや最先端テクノロジーの専門家が注目してきました。そうした中から生まれたアートを展示しているのが、この「アルス・エレクトロニカセンター」なのです。最先端テクノロジーとアート、社会との融合から見える「未来」のための体験型アートセンターで、難解そうにも見えますが、センター内には説明員がくまなく配置されているので初心者にも安心です。

最新アートの世界に一歩足を踏み入れてみるのには絶好のチャンス。眺めているだけでも十分楽しめそうですし、リンツの観光スポットとして計画に入れてみると良いでしょう。

7.リンツ城博物館

出典: commons.wikimedia.org

続いては「リンツ城博物館」です。リンツ城は、ハプスブルク家がウィーンに次ぐ居所として整備したもので、フリードリヒ3世が神聖ローマ帝国皇帝だったころには、一時期リンツが居城に定められていました。

現在は博物館として使用されていて、正式にはオーバーエスターライヒ州立博物館と言います。他にも絵画館や植物館なども併設されていて、総合博物館の態をなしています。かつて皇帝が住んでいたお城で、リンツの歴史や芸術、自然を知ることができるなんて、なんともロマンのある観光スポットですね。

8.レントス美術館

出典: commons.wikimedia.org

「レントス美術館」は、クラシックモダンアートから現代美術までをメインとする美術館です。建物そのものも非常に美しい存在感を放っていて、リンツでは要チェックの観光スポットです。

街の中心を流れるドナウ川沿いに建てられており、中央が空洞となったガラス張り長方形のフォルムが非常に印象的です。美術館の名前になっているレントスとはリンツの古い呼び名で、その現代的な建築と古風な名前の対比が何とも言えず良い雰囲気を醸し出しています。館内には、クリムトをはじめとする貴重な美術品も多数展示されているんですよ。

リンツの絵画はなべてレントスにあり、と言われるほどのコレクションを誇るレントス美術館。リンツの芸術観光にはもってこいです。

9.リンツ植物園

出典: commons.wikimedia.org

リンツは緑の多い町でもあります。リンツの自然を味わうついでに見ておいていただきたいのが、この「リンツ植物園」です。

市街地の南西に位置するリンツ植物園は、なんとヨーロッパで最も美しい庭園配置の一つに数えられてもいるんですよ。4.2haの敷地の中に、1万種もの植物が植えられているそうです。また、5つの温室に分けられていることから、サボテンコレクションや蘭科コレクションなど多彩なコレクション展示を実現しています。

建築物や博物館、美術館などを見て回ったら気分を変えて、ヨーロッパトップクラスの植物園を見に行くのもよさそうですね。

10.ザンクト・フローリアン修道院

出典: commons.wikimedia.org

リンツ市街地中心部から南東へ約13キロメートル。そこにある修道院が、長年多くの人々の関心を集めてきました。リンツに教会はたくさんあるのに、街から離れたこの修道院が人気なのは一体なぜでしょう。

その答えは、19世紀の偉大な作曲家アントン・ブルックナーが埋葬されているからです。かつてブルックナーは、この修道院の少年合唱団に所属しており、そうした縁からこの修道院が埋葬先に選ばれたようです。修道院の名は、ローマ帝国時代の聖人フロリアンヌにちなんでいます。敷地内には、4世紀に建てられたローマ時代の壁の一部も残っているのですが、現在の建物がいつ建てられたのかは、はっきりとはわかっていないそうです。

深い歴史をその土地に刻むザンクトフローリアン修道院。リンツ中心部からは少し距離がありますが、時間があれば訪れたいリンツの観光スポットですね。

11.ペストリンクベルク山岳鉄道

出典: commons.wikimedia.org

リンツは、オーストリアの山岳観光地として名高いチロル地方やザルツカンマーグート地方からは離れていますが、実は名物の山岳鉄道があるんです。それが、リンツ市街の北西を登るペストリンクベルク鉄道です。

ペストリンクベルク鉄道は、粘着式の山岳鉄道としてはヨーロッパでもっとも急な勾配の路線として知られています。2008年には市街地を走る路面電車とも接続し、観光客にはたいへん便利になりました。車内はリニューアルされたもので、木製をベースとした座席になっているなどおしゃれな雰囲気。路面電車の車両がぐんぐん山を登っていくようすはとても珍しいので、乗っているだけで観光になりますよ。

山頂にはペストリンクベルク巡礼教会があり、目の前にはリンツ市街とドナウ川流域の景色が広がります。リンツの市街観光でトラムに乗ったその足で、ちょっと山の上の観光にも出かけてみましょう。

12.ブルックナーハウス

出典: commons.wikimedia.org

これまでのスポットにも何度も登場している作曲家ブルックナー。リンツを語るうえで彼は欠かせません。そんなブルックナーの生誕150周年を記念して建設されたのが、レントス美術館の西にある劇場「ブルックナーハウス」です。

1974年がブルックナー生誕150周年だったことから、新たなリンツの街の顔として建てられました。弧を描くような形状にドナウ川に沿った面はガラス張りと、美しいデザインの建築です。ここの大ホールでは毎年秋にブルックナー音楽祭が開催され、かつては巨匠カラヤンもタクトを振ったことで知られています。

旧大聖堂やザンクト・フローリアン修道院と合わせて、ブルックナーの足跡をめぐってみるというのも、忘れられない旅の思い出になりそうです。

13.リンツ州立劇場

出典: commons.wikimedia.org

続いて紹介するのは、200年以上の歴史をもつというリンツ州立劇場です。2013年には、新たに歌劇場(Musiktheater Linz)がオープン。新旧の顔をもつ劇場として、観光におすすめです。

特に新しくできた歌劇場はモダンな外観が美しく、リンツの芸術への愛を垣間見ることができます。過去には日本人の演出家による講演も行われており、公演情報をチェックしてから訪問することをオススメします。

日本よりも格段に演劇との距離が近いリンツを、ぜひ肌で感じてみてくださいね。

14.南駅市場

出典: commons.wikimedia.org

海外に行って気になることの一つは、現地の人々のリアルな生活がどのようなものなのか、ということではないでしょうか。そんな時には、現地の市場に行ってみましょう。ここリンツでおすすめの市場は、南駅市場(Südbahnhofmarkt)です。

いわゆる朝市で、毎週土曜日の午前中に開かれる市場です。地元ならではの食材からお菓子屋日用品まで、実際に地元の人が使っているものが売られていて、見ているだけでも楽しめます。公式のWEBサイトもあり、サイトの写真も美しいものがそろっています。リンツの人々のリアルな生活を垣間見れる南駅市場。日程を確認して訪れてみてください。

ちなみに、かつてあった南駅(Südbahnhof)は駅舎を残すのみで、現在の鉄道駅からは少々離れているのでご注意ください。

15.ドナウ川クルーズ

出典: www.flickr.com

最後にご紹介するリンツ観光のおすすめスポットは、ドナウ川クルーズです。リンツの街の中心にはドナウ川が流れていて、河川敷は市民の憩いの場となっています。川沿いではこれまでに紹介してきた美しい建築の数々を見ることができ、旅のまとめには最適です。

遊覧船乗り場はリンツのレントス美術館のすぐそばなので、気軽に利用できます。船内は広く、コーヒーやビールなどを飲みながら、ドナウ川とリンツの街の景色を眺めることができますよ。

◎まとめ

リンツのおすすめ観光スポットを15か所選んで紹介しました。リンツは2009年に欧州文化首都に選ばれただけあり、芸術や文化の面でとても魅力的なスポットにあふれています。近代的なアートから何百年と使われている文化的な建築まで、幅の広い文化を目の当たりにすることができますよ。

それだけに、文化や芸術について少しでも予習してから行けば、リンツ観光を何倍も楽しむことができます。ぜひとも自分の感性に響く観光スポットを見つけて、リンツ観光をより良いものにしてくださいね。

国内のエリア一覧

海外のエリア一覧

カテゴリー一覧

リンツでおすすめの記事

リンツのアクセスランキング