両備フェリーが運航する「おりんぴあ どりーむ」は、岡山県の新岡山港と香川県小豆島にある土庄港の間を結ぶカーフェリー。同じく新岡山港〜土庄港の間を航行する「にゅー おりんぴあ」と比べて一回り大きく、最大で500人の乗船が可能です。船体は、瀬戸内海を航行するフェリーには珍しい4層構造となっていて、大きなガラスが配された客室は開放的な雰囲気。世代問わず自由に移動できるように、バリアフリーに配慮されているのも特徴です。「おりんぴあ どりーむ」に乗って旅行を楽しむなら、インターネットで事前予約するのがおすすめ。段取りよく船旅をプランニングしてみてはいかがでしょうか。
2005年に運航を開始した「おりんぴあ どりーむ」は、全長66.03m、総トン数990トン。同じ航路の「にゅー おりんぴあ(全長50m、総トン数690トン)」と比べ、一回り大きいのが特徴です。定員は500人で、普通乗用車を60台搭載することが可能。運転に疲れたドライバーさんも、70分の航行時間をゆっくりと過ごすことができます。一日13往復する新岡山港~土庄港の航路のうち、「おりんぴあ どりーむ」は4~5往復運航しているので、前もって運航ダイヤをチェックしておくとよいでしょう。
「おりんぴあ どりーむ」は、日本初のクルーズトレイン「ななつ星in九州」のデザインを手掛けた水戸岡鋭治氏が、トータルデザインを担当しました。瀬戸内海の青に映える真っ白な船体は、まるで豪華客船のよう。横並びの大きな窓や180度のパノラマを望む展望席など、瀬戸内海の眺望を楽しめるように設計されています。船体は1階の車両甲板から4階の展望場所の4層構造となっていて、2階の船室には暖色を基調とした一般客席を約160席配置。水戸岡氏が得意とする木の風合いを生かした座席で、ワンランク上の船旅を満喫することができます。
観光客はもちろん、地元の方も利用する「おりんぴあ どりーむ」には、バリアフリー法に基づき、世代問わず船内で自由に過ごせる設計がなされています。段差をできる限り少なくした船内は、スムーズな移動が可能。車いすを利用する方も船旅を楽しめるように、船内中央部にはバリアフリーエレベーターが完備されています。また、トイレもバリアフリー仕様となっていて、小さな子供連れの方のためのおむつ替えシートも設置。誰もが安心して利用できる、心配りがされたフェリーです。
軽食やドリンクを楽しめるラウンジは、2階客室の後方部分にあります。うどんやカレー、ドリンク類などのメニューを提供。ガラス越しに絶景を眺めながら味わうのも、船旅ならではの楽しみですよね!なお、朝・夜の便では、ラウンジの営業が行われていないので注意してください。
2階後方部分には、小豆島や岡山のお土産などを購入できるショップも設置。ラウンジ同様、朝・夜の便は営業していませんので気をつけてください。
フェリーでは珍しい足湯が用意されているのも、「おりんぴあ どりーむ」の魅力。エンジンの余熱で沸かした足湯に入って、ほっこり気分の船旅を満喫できます。もちろん衛生管理も万全なので、安心して足湯を楽しんでくださいね!
ガラス越しに、船員さんの働く姿を見ることができる操舵室。船のメカニックに興味のある人は、一度のぞいてみてはいかがでしょうか。
4階はフリースペースとなっています。四方を海に囲まれた絶景を独占できるのも、「おりんぴあ どりーむ」の楽しみのひとつ。最速13.0ノット(時速24キロ)の速さで進むフェリーのスピードを、一番感じられる場所ではないでしょうか。また、船の操舵輪を模したモニュメントは、船長気分を味わえる人気の撮影スポットもありますよ。
足腰の悪い方や車椅子の方も船旅を楽しめるよう、バリアフリーエレベーターが設置されています。ただ、乗船に関して不安がある方は、事前に問合わせしておくとよいでしょう。
トイレは、2階後方部分にあります。男性・女性トイレのほか、バリアフリートイレあるので、車椅子の方なども安心して使えるでしょう。
「おりんぴあ どりーむ」では、朝食の用意はありません。また、ラウンジ・ショップ共に閉まっているので、乗船前に朝食を済ませておきましょう。
2階にあるラウンジで、うどんやカレー、ピラフといった軽食メニューをオーダーすることができます。目の前に広がる大海原を眺めながら食べる昼食は、きっと格別ですよ!
「おりんぴあ どりーむ」では、夕食の用意がありません。また、ラウンジ・ショップ共に営業していないので、乗船前に夕食を済ませておきましょう。
両備フェリー 新岡山ターミナルは、フェリーの出航までの時間に利用できる待合所となっています。白い木造の建物で、港にぴったりのオシャレな外観が特徴的。建物の中には売店や食堂などもあるので、待ち時間を退屈せずにのんびりと過ごすことができますよ。乗船は出航の10分前から開始しますので、それまでには乗船券を用意しておきましょう。ゆったりと過ごすことのできるフェリーでの旅は、忙しい日々の疲れを癒す旅の始まりにはぴったりの移動方法となるでしょう。
住所 | 岡山市中区新築港9-1 |
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電話番号 | 086-274-1222 |
特徴 |
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土庄港にそびえ立つガラス張りでできた、円筒形の国際両備フェリー 土庄ターミナル。ここは待合所にもなっているので、フェリーの出航時間までゆっくり待つことが可能。また周りが海に囲まれているので、停泊しているフェリーなどを眺めながら、のんびりと過ごすことができます。さらに国際両備フェリー 土庄ターミナル内はフリーWi-Fiスポットとなっているので、待ち時間を利用して観光スポットやいろんな情報を調べておくこともできますよ。
住所 | 小豆郡土庄町甲5165-201 |
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電話番号 | 0879-62-0875 |
特徴 |
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3階のナビゲーションデッキには、なんと無料で利用できる足湯が設けられています。しかも普通のお湯ではなく、海水をエンジンの余熱を利用して温めたもの。ミネラル成分たっぷりで、体の芯まで温まります。潮の香りに包まれてリラックスできるなんて、船旅ではなかなかできない体験ですよね。また、タオルは2階のショップで販売されているので、事前に購入しておきましょう。ちなみに、荒天時及び朝・夜の便では足湯は利用できません。
2階客室の中央部、バリアフリーエレベーターがある付近には、船内に訪れた乗客を出迎えるように「和」をイメージしたアートワークが配置されています。赤茶色の壁に掲げられているのは、マツやサクラなど4枚。どれも日本を代表する植物を描いた作品です。まるで美術館のような空間作りを展開しているのも、「おりんぴあ どりーむ」をトータルデザインした水戸岡氏ならではの心配り。心安らぐ美しい作品に、しばし足を止めてみるのはいかがでしょうか。
波穏やかな瀬戸内海を航行する「おりんぴあ どりーむ」は、時間帯によってそれぞれ違った景色を楽しめるのも魅力です。昇る日の光を浴びてキラキラと輝く午前の海、抜けるような青空を満喫できる午後、そして水平線に映る美しい夕陽を眺められる夕刻のひと時。年間を通して雨が少ない瀬戸内海だからこそ、眺められる景色がここにはあります。行きは4階のサンデッキで開放的な気分を。帰りは2階の展望席からのんびりと景色を眺める、など気分に合わせて過ごす場所を変えてみるのもいいですね。