タイ - ウドーンターニーについて

ウドーンターニーはサンスクリット語で「北の町」という意味を持つタイの都市で、バンコクから国内線で1時間ほどの距離に位置しています。イサーン地方の交通の要所となる地区で、農業地帯に囲まれた商業都市の中心地でもあります。コーラート台地の中央部に位置しますが、タイ全体と同様冬でも27度位の気温で、真夏には40度を超える日もあるので、夏に訪れる方は暑さ対策をしたほうが良いでしょう。ラオスとの国境近くの川の手前にはペンションがあり、1976年までベトナム戦争のためのアメリカ軍の基地があった関係で、アメリカからの観光客も少なくありません。メコン川沿いにはラオス式寺院のワット・マハート（ナコーンノム）もあり、ラオスとの橋は映画でも有名になった橋として年間を通じて多く人が訪れています。ウドーンターニーのランドマークと言えば、1992年に世界文化遺産に登録されたバーンチエン遺跡で、ウドーンターニーの中心部から東へ約50km弱の距離にあり、紀元前2500年から2000年前にさかのぼる青銅器時代の貴重な遺跡として有名です。隣接するバーンチエン国立博物館では、1960年代から1970年代の発掘当時に大発見と騒がれた貴重な出土品を真近に見る事ができます。また、ウドーンターニーの西部に位置する広大なプー・プラ・バート歴史公園は、9～11世紀に仏教の祭事場として使われていました。公園内では、浸食作用によって自然にできた奇岩や、岩肌に赤い塗料で描かれた人物や牛などの壁画を見ることができ、一見の価値があります。市内からは車で1時間位の距離で、イーサンマーケットやノンプアマーケットからバスを利用することもできますが、地理に不安な方は車のチャーターなどを利用するとよいでしょう。ウドーンターニーと言えば、ここ数年日本でも知られるようになったタレー・ブア・デーンと呼ばれる紅い睡蓮の湖があります。市内から南東へ約43Kmの所に位置するクンパワピー群の中央にあり、毎年12月から2月上旬までの乾季の時期に、早朝から午前中にかけて水面が紅い睡蓮で埋め尽くされ、幻想的な景色を見る事ができます。湖ではボートをチャーターすると群生しているスポットまで案内してもらえますが、ボートは時期によってはないこともあるので、事前に調べてから出かけると良いでしょう。シーズン中の1月半ばには、地元を上げてタレー・ブア・デーンのお祭りが催され、東北部ならではの民謡音楽ポーンラーンの演奏をはじめ、ムエタイやセパクタクローの試合などがあり、賑やかなひと時を迎えます。ウドーンターニーには、見るだけでも貴重なモロッコデザインのホテルがありますが、おすすめはウドーンターニーの第一バスターミナルのすぐ近くにあるホテルで、アクセスや立地条件が良く、ホテルとしての施設も充実しています。ウドーンターニーでは中心地に銀行や映画館、ボーリング場、スーパーマーケットを併設している商業施設があり、このエリアでは日本食を購入することも可能です。ホテルによってはブールやトレーニングジムが無料で利用できる所や、朝食ビュッフェやレストランも備わっています。また、食文化としては、タイ全国で人気を誇るイサーン（東北）料理があり、ガイヤーンというイサーン風焼き鳥をはじめ、青パパイヤのソムタム、豚肉の炙り焼き、牛挽肉のラープ、餅米を蒸したカオニャオなど、本場の味を楽しむのもおすすめです。ウドーンターニーはラオスとの国境近くにあるため、滞在日数に余裕があれば、一度ラオスへ入って、またタイへ戻る旅程を組む人も多く、2つの国を行き来できる拠点になっており、ラオスの文化の影響が色濃くでている地区としても特徴があります。乾燥した気候を特徴とするウドーンターニーは、農業地区としての発展だけではなく、アメリカやラオスの影響を受けた街でもあり、年配の人には英語を話せる人も少なくありません。また、農業地区のマーケットなどでは金色の車のプレートをよく見かけますが、このプレートはラオスの国のプレートで、商業地区だけではなく街中でも頻繁に見られます。昨今は、日本人の定住者が少しずつ増えてきている地区でもあり、隣接のノンカーイ地区とともに大きな発展を遂げてきました。数年前までは、ウドーンターニーよりもノンカーイという方が伝わりやすかったようですが、今では紅い睡蓮の湖や遺跡などが有名になり、知名度が上がっています。タイはバンコクの発展が著しかったために、バンコクのみに滞在する人が多かったのですが、1時間ほど飛行機に乗れば、ウドーンターニーに行くことができるので、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょう。