南アフリカ - ポートエリザベスについて

ポートエリザベスは、南アフリカ共和国の東ケープ州南部に位置するネルソン・マンデラ・ベイの一地区です。アフリカ大陸の最南端の大都市で、東ケープ州最大の都市であり、東ケープ州の観光の拠点ともなっています。「風の町」とも呼ばれています。ポートエリザベス周辺はビーチがとても充実しており、美しいビーチが広がるビーチリゾート地として有名な都市です。ウォータースポーツがとても盛んなことでも知られています。1年中楽しめるホエールウォッチングの地としても有名です。
少なくとも1万年前に現在のアルゴア湾周辺地域にサンの先祖が最初に定住しました。約2,000年前、彼らはコーサ族の祖先である農民集団により徐々に同化され、北からこの地域に移住しました。この地域を訪れた最初のヨーロッパ人は、1488年にアルゴア湾のセントクロア島に上陸したポルトガルの探検家バルトロメウ・ディアスと、1497年近くにバード島に注目したバスコダガマによる航海とされています。かつてはポルトガルがインドの主要な貿易ポイントであるゴアとの貿易を強化したエリアでした。
この地域はその後、ケープ植民地の一部となります。1652年のオランダ東インド会社による入植から、1910年の南アフリカ連合の形成に至るまでさまざまな歴史がありました。1799年、ナポレオン戦争中にイギリスが最初に占領したとき、フランス軍の上陸を阻止することを目的としたフレデリック要塞と呼ばれる石の要塞を建設し、のちにポートエリザベスとなった地域を監督するものとなりました。現在は記念碑として保存されています。1820年に、ケープ植民地とコーサ人居住地域の国境地域を強化するために、ケープ植民地政府により募集された約4,000人のイギリス人入植者によって開発が進みました。
「ポートエリザベス」の地名は、ケープ植民地の総督代理であったルファネ・ドンキン卿が、前任地で亡くなったエリザベス夫人をしのんで命名されたものです。
西岸海洋性気候に区分され、年間を通し温暖で穏やかな気候です。湿度が低く雨は少なく、とても乾燥しています。南半球に位置しているので、日本と季節が逆です。
街の中心部にポートエリザベス国際空港があり、アクセスがとても便利ですが、国際線のフライトの運航がないため、ヨハネスブルグ、ケープタウン、ダーバンのいずれかの国際空港を経由し、ポートエリザベス行きの国内便に乗り換える必要があります。ポートエリザベス鉄道駅からは、近郊都市を含むローカル鉄道と、ヨハネスブルグなどとを結ぶ長距離鉄道が運行されており、自動車での移動が必要となる南アフリカの中では交通の便のよい都市です。
ケープ海岸沿いにある、「ガーデン・ルート」として知られる西ケープ州のウィットサンドから東ケープ州のチチカマストームズ川の境界まで伸びる300キロメートルにもおよぶ海岸に位置し、美しいビーチでとても有名です。キングス・ビーチやホビー・ビーチは特に人気のあるビーチです。
・ドンキン保護区（Donkin Reserve）
ポートエリザベスの地名の由来となった、ケープ植民地のルファネ・ドンキン総督代理と、彼の妻エリザベスを記念して建設されたピラミッドと灯台があります。街のランドマークとしても有名な人気観光スポットです。
・クラッガ・カンマ・ゲーム・パーク（Kragga Kamma Game Park）
東ケープ州のネルソンマンデラベイ市にある保護区です。広大で美しい大自然の中にいる野生動物を楽しむことができ、敷地内にはロッジもあり、バーベキューも楽しめるなど施設が充実しており、子供連れの家族にもとても人気のある観光名所です。
ビーチ沿いにはホテルが多くあり、高級ホテルも数多くあります。このほかにも、主要観光名所付近や鉄道駅、空港近くにもさまざまな価格帯のホテルがありますので、市内で訪れる予定の場所近くのホテルがおすすめです。
南アフリカは、概して治安のよくない国ですが、ポートエリザベスは大都市である上、世界中から多くの観光客がやってくる都市です。銃による犯罪も見られ、場所によっては昼間でも危険なところもありますので、特に女性の一人歩きは避けましょう。外出時や観光時は、スリやひったくりに十分注意してください。また、移動にはタクシーやレンタカーも多く使われますが、タクシーを利用する際はホテルのフロントに手配してもらうなどして、信頼できるタクシー以外の使用には気をつけましょう。