南アフリカ - キンバリーについて

キンバリーは、南アフリカ共和国中部に位置する、北ケープ州の州都です。19世紀にダイヤモンドが発見されて以来、世界最大のダイヤモンド鉱山としても有名です。世界中の人々がダイヤモンドを求めて、この地に押し寄せました。南アフリカのゴールドラッシュ、ダイヤモンドラッシュの歴史の中でも、欠かすことのできない重要な地域です。現在も、ダイヤモンドの産地、加工地として世界的に知られています。
もともとキンバリーは、ボーア人の独立国オレンジ自由国領で、「ニューリッシュ」と呼ばれていました。1871年にダイヤモンドが発見され、イギリスの侵攻をうけ激しい戦いを繰り広げたのちに、ケープ植民地となりました。初代イギリス植民地大臣の名前にちなんでつけられたのが、「キンバリー」という地名です。
気候は夏が長くて暑く、冬は寒く短いです。年間を通じて雨が少なく、晴れた日が続きます。気温は、2℃から32℃までの間で変化します。旅行に最適な時期は、暑すぎず、寒すぎない12月頃から3月頃です。
キンバリーは、ダイヤモンド鉱山として繁栄しました。その歴史を身近に体感できる観光地が、いくつもあります。代表するランドマークといえば、ビッグホールです。有名なダイヤモンド採掘地を目的に、この地を訪れる人がほとんどです。ただ、ここには、南アフリカの歴史や芸術を学べる博物館や美術館も点在しています。国内線専用のキンバリー空港があり、南アフリカの豪華寝台列車ブルートレインの停車地にもなっていて、他の都市への移動にも便利です。キンバリーの名所をいくつかご紹介しましょう。
・ビッグホール
直径約500m、深さ200mもの大きな穴、青緑色の水をたたえた神秘的なビッグホール。これこそが、世界最大級のダイヤモンド採掘跡地です。1871年から1914年に閉山されるまで、5万人もの鉱夫が鉱山を掘り進めました。人の手で掘られた巨大な穴が、南アフリカのダイヤモンドラッシュ時代の熱狂ぶりを伝えます。地下水や雨水がたまり美しい湖のようになった現在は、歴史を伝える観光地としても人気です。近くの展望台からは、迫力のある景観を一望できます。
・キンバリー鉱山博物館
ビッグホールに隣接しているキンバリー鉱山博物館は、ビッグホールとともに外せない観光スポットです。敷地内には19世紀当時の街並みが再現され、当時の雰囲気を体感できます。鉱山博物館には、採掘の歴史の資料や採掘道具も展示されています。また、最初に発見された「ユーレカ」というダイヤモンドや、世界最大級のダイヤモンドの原石も見逃せません。
・マクレガー博物館
ダイヤモンド王セシル・ジョン・ローズの家が、博物館として公開されています。展示内容がとても豊富で、南アフリカの自然や民族の歴史、宗教、アパルトヘイトなどについても詳しく学べる博物館です。
・ウィリアム・ハンフリー美術館ギャラリー
ウィリアム・ハンフリー・美術館ギャラリーは、キンバリーの中心部にある美術館です。南アフリカの芸術品のほかにも、ヨーロッパから東洋までの充実した展示物が並び、南アフリカの歴史とともに豊かな芸術と文化に触れるスポットとしても人気です。
・マガースフォンテーン古戦場
イギリスとボーア人が、南アフリカの土地をめぐって戦ったボーア戦争の跡地です。激しい戦いのあった古戦場に、戦没者供養碑や資料館が建てられました。ボーア人がイギリス軍に大打撃を与えた「マガースフォンテーン」の戦い。その戦いで使われた武器や大砲など、歴史を語る資料が資料館に展示されています。
キンバリーの中心部のシビックセンターやメモリアルロード周辺には、名の知られたホテルが集まっています。南アフリカの郷土料理を楽しめるレストランや、屋外プールを利用できるホテル、無料WiFiからクリーニングまで設備やサービスの整ったホテルなどもあります。ビッグホールや博物館など観光地への移動にも便利です。防犯上からも、きちんと鍵のかかる安全で設備の整ったホテルへの宿泊をおススメします。
サッカーやラグビーでも人気があがり、魅力的な自然と歴史を楽しみに訪れる観光客も多い国です。一方で、犯罪も多発しています。日中でも一人で行動しない、また夜遅くや早朝の外出は控えるほうが賢明です。観光に出かけた先でも、スリやひったくりに気をつけて、貴重品は身から離さないなど身の回りに注意してください。海外で過ごす際に必要な基本的な安全対策をとりつつ、現地でしか味わうことのできない大自然や文化や歴史を、ぜひ楽しんでください。