スロバキア - ブラチスラバについて

ブラチスラバは東ヨーロッパにあるスロバキア共和国の首都です。スロバキア国内で最も大きな規模を持つ都市で、現在の名称になったのは、1919年にチェコスロバキア第一共和国が建国された時でした。スロバキアの西部に位置するブラチスラバ県にある都市で、県内では西側の地域にあります。国内の政治や経済の中心地として機能している都市で、東ヨーロッパ全体でも有数の大都市として知られています。国内でも重要な役割を果たしていることから、特別市にも指定されているのです。他国との国境からも非常に近い場所にあり、オーストラリアやハンガリーが近隣にあります。このように、三つの国の国境が国の首都にあるケースは非常に珍しく、世界的に見てもブラチスラバは例外的な都市です。オーストリアの首都であるウィーンからも近い場所にあり、同国とスロバキアは古くから深い関係を持っていました。市内は5つの地区に分けられていて、それぞれの地区はさらに細かい街区に分けられています。この地域は歴史上さまざまな民族が支配した経緯があるために、現在のスロバキアの首都となる前には、さまざまな国家の首都として機能していました。国際的にも重要な都市であることから、ブラチスラバはさまざまな国際機関の拠点が置かれているのです。有名な機関としては、国際連合開発計画の欧州・CIS諸国局本部や、国際連合人口基金の東欧・中央アジア地域事務所本部、万国郵便連合の欧州委員会があります。ブラチスラバはスロバキア国内でも比較的気候が温暖な地域として知られており、降水量は一年を通してあまり多くなく、毎月の平均降水量は40ミリから60ミリ前後で、年間を通しても550ミリ程度の平均降水量になっています。夏と冬の気温の変化は大きいですが、夏の一番暑くなる時期でも平均気温は30度には届かないので、過ごしやすいのが特徴です。冬は0度近くまで平均気温が下がりますが、国内の中では比較的過ごしやすい気候です。季節の変わり目である春や秋の期間が短いのもこの都市の気候の特徴で、夏が終わると短期間で冬の季節になります。ブラチスラバのランドマーク的存在として広く知られているのが、ブラチスラバ城です。町の観光スポットとしても人気が高いことから、一年を通して多くの旅行客が訪れている場所です。城は付近を流れているドナウ川から、少し小高い場所にあり、城のある高台からはドナウ川だけでなく、市内の様子も一望することができます。この城に住んでいた有名な歴史上の人物としては、神聖ローマ帝国のマリア・テレジアです。城は敷地内の四隅に高い塔が建設されている設計になっていて、塔の姿をテーブルの足に見立て、「ひっくり返したテーブル」というニックネームが付けられています。現在の城の内部は歴史博物館になっていて、貴重な歴史的史料を館内で見ることができます。城のある高台からふもとまで坂が続いていますが、坂の傾斜は緩やかなので、歩いて城まで行くことができるでしょう。スロバキアはその他にも多くの観光名所がありますが、その中でも旅行客におすすめの地区が新市街区です。新市街区におる観光スポットとして特に有名なのが、町のシンボルにもなっているカムジークテレビ塔です。カムジークテレビ塔は新市街区にあるカムジーク山の上に建設されたテレビ塔で、テレビ放送やラジオ放送のために使われています。特にスロバキア国内のテレビ放送におけるこの施設の役割は大きく、国内の広い地域に電波を発信しています。カムジークテレビ塔の施設の一部は観光用としても使用されていて、内部には観光客が入ることも可能です。塔内には観光客が食事をとれるレストランもあり、高い場所にあるので市街の風景を眺めながら食事をすることができます。ゆっくり食事を楽しみながら、ブラチスラバの風景を楽しむと良いでしょう。市内にはそのほかにも聖マルティン大聖堂という有名な歴史的建造物があり、この場所で多くのハンガリー国王が戴冠式を行いました。旧市街区とペトルジャルカ街区を挟むドナウ川にかかっているトラス橋も市では有名な観光名所ですが、以前からあった橋は老朽化のために取り壊されたため、新しく建設された橋を見ることができます。中央広場（フラヴネー広場）が旧市街の中心地で、周囲にはカフェや露店があり、日本大使館もここにあります。広場にはユニークな像がいくつかあり、写真を撮る人で賑わっているのを見ることができるでしょう。