ロシア - ハバロフスクについて

ハバロフスクはロシア極東部の都市で、ハバロフスク地方の中心都市です。機械や金属工業、木材業が発達しており人口は2019年の国勢調査によると62万人弱とされています。
首都のモスクワからはかなり遠く、シベリア鉄道経由で約8500kmの距離に位置し7時間の時差があります。一方でアムール川の対岸にある中国の領土からは20kmの場所にあり、このアムール川とウスリー川の合流地点にある大ウスリー島は中ソ国境紛争の重要な係争地となっていた場所です。
人口50万以上の都市の中で世界で最も寒い都市のひとつとされ、1月には平均気温がマイナス19.8度にもなり、零下30度を下回ることもあり、2011年にはマイナス40.0度を記録したほど。一方で7月の平均気温は21.3度で毎日30度を超えることもあり、2010年には36.4度を記録。寒暖差が非常に大きく著しい大陸性気候といえます。
日本からのアクセスは3時間で時差も1時間。気軽にヨーロッパの雰囲気が味わえる海外旅行先としても注目されています。ロシア正教の教会や大聖堂は美しく、ロシア文化を彷彿とさせるたまねぎ型の屋根が特徴。凛としたその姿に深い歴史を感じることができるでしょう。
そんなハバロフスクのおすすめのスポットをご紹介します。
・スパソ・ブレオブラジェンスキー大聖堂
ロシアらしいたまねぎの形をした屋根が象徴的な美しい大聖堂。金色の屋根と白い壁、正面から見ると線対称なフォルムで神聖で静かな美を感じる建造物です。エリア一帯も厳かな雰囲気で包まれていて宗教施設や修道院などが集まっています。ロシア正教の建造物を体感したいのであればおすすめのスポットです。
サンクトペテルブルグやモスクワなどはもっとカラフルな美しさがありますが、こちらの大聖堂は非常に静かな美しさが印象的。2001年に建てられた大聖堂で地面から屋根の上のポールまでの高さはなんと95メートルあり、極東ロシアでは最も大きな大聖堂です。上のホールには約2000人、下のホールには約1500人を収容できる広さがあります。
・ウスペンスキー教会
こちらの教会はハバロフスクのランドマークとして非常に親しまれているロシア正教の教会。目抜き通りの南端、アムール川を望む高台の広場にあります。教会の前には広場があり、地元の人々や観光客の憩いの場となっています。色鮮やかな外観はソ連崩壊後に再建されたときのデザインであり、人々の気持ちがそのまま投影されたかのよう。元の教会はスターリン時代に宗教的な弾圧により破壊されました。現在の独特のデザインは他のヨーロッパではなかなか見られないでしょう。
教会の前にはアムール川沿いの遊歩道があるので散策するのもおすすめ。周りには緑の美しい公園が整備されていて、かつての紛争からは想像がつかないほど閑静なスポットです。
・ハバロフスク駅
ハバロフスク駅はかつてシベリア鉄道の実質的な始発駅で当時は多くの乗客で賑わっていた場所で、シベリア鉄道の重要拠点として利用されていました。ユジノサハリンスクやウラジオストクへの定期航路ができるまではシベリア地方の唯一の玄関口だったのです。
シベリア鉄道はユーラシア大陸を約1週間もの時間をかけて横断する鉄道ですが、気軽にシベリア鉄道体験がしたい方は、ハバロフスク駅からウラジオストクまで1泊の日程で行ける「オケアン号」も発着しているのでおすすめです。
・セントラルマーケット
ハバロフスクでお土産を買うなら品揃えが豊富なセントラルマーケットがおすすめ。食料品から衣料品までさまざまな商品が入手できます。ヨーロッパやアジアの商品もあり、ハバロフスクで一番大きなショッピングエリアとして賑わっています。散策だけでも十分に楽しめる活気のあるエリアで、本場のピロシキなども購入でき旅の楽しさを満喫できるでしょう。
よくある海外市場での呼び込みなどがなく定価制なのも快適です。中央にある屋内施設では生鮮食品も購入でき、クレジットカードを利用できるお店も多くあります。

ハバロフスクのおすすめの宿泊エリアは市内中心部かアムール川沿いのエリア。駅から近い中心部であれば市内観光がしやすく、いろいろな観光地へのアクセスも便利です。劇場や博物館などに足を運びやすいでしょう。
アムール川沿いであれば客室の窓から湖畔の景色を眺められるので美しい風景と共に心地良い宿泊ができるでしょう。冬になると川が凍って白くなり、暖かい客室から眺めるのも贅沢なひとときとなります。