ルーマニア - コンスタンツァについて

コンスタンツァはルーマニアにある黒海に面した都市です。この地は紀元前7世紀にギリシャ人からの植民地として歴史が始まりました。
ローマ帝国時代には詩人のオヴィディウスが、初代皇帝のオクタヴィアヌスを怒らせてしまいこの地に追放されています。4世紀に入ると、ローマ皇帝のコンスタンティヌス1世がコンスタンツァと命名しました。この名前は妹の名にちなんでいるといわれています。
15世紀になるとオスマン帝国の統治下に置かれるようになりました。その影響でこの地は衰退していったとされています。
ルーマニアに帰還されるまでには、19世紀にロシア帝国とオスマン帝国の戦争がはじまります。国際的にも多大な影響が出るとして、ベルリン会議がかけられ、無事ルーマニアの都市として生まれ変わりました。
ルーマニアになってからは、街はどんどん繁栄していきます。また2009年には、日本と欧州連合の国際援助がされ、約225㎞にもおよぶ鉄道の改修工事が行われました。
今は、ヨーロッパきってのリゾート地として名をとどめており、世界中のセレブから愛されている観光地になりました。

数々の支配下に置かれたコンスタンツァには、あらゆる時代の歴史的建造物が多く残っています。それに匹敵するのがビーチです。観光にもバカンスにも最適なコンスタンツァには、ランドマークがたくさんあります。
聖ペトロ聖パウロ大聖堂
1883年に建築が始まり、2年足らずで完成したルーマニア正教の教会です。現在の姿は修復されたもので、第二次世界大戦で被害を受けました。戦後5年の年月で当時の姿が復元されたのです。
外観が特徴的で、グレコロマン様式で作られています。35mの塔は、聖ペトロ聖パウロ大聖堂の代名詞ともいえます。内部は見事な宗教画で天井にまで描かれています。豪華な装飾と複数のイコンはとくに見ものです。
国立歴史考古学博物館
歴史的にも価値のあるオヴィディウ広場にある国立歴史考古学博物館は、おもに古代史を集めた展示品が多くあります。ギリシャ人による植民地時代の出土品もあり、2世紀に制作された彫像「グルコンの大蛇」は希少価値が高い展示品です。
コンスタンツァの歴史がわかる作りとなっており、ローマ帝国時代、オスマン帝国時代などそれぞれの支配下に置かれたときの碑文や調度品があります。
コンスタンツァ・カジノ
廃墟となっているカジノ跡ですが、観光のランドマークとして人気を集めています。1904年に建設が開始され、1910年に完成しました。建設当初は、ルーマニアの建築様式で建てられる計画でしたが、当時流行していたアールヌーボー様式デザインを取り入れています。
外観もカジノ施設らしく豪華ですが、内部も華やかな印象を与えています。カジノは行われていませんが、観光スポットとして内部見学は可能です。
大モスク
オスマン帝国時代に建てられた大モスクは、旧市街のランドマークとしてひときわ目を引きます。世界中にあるモスクの中でも、華やかさや派手さはありませんが、独特な色合いを保っているのが特徴です。内部はイスラム教徒でなくても見学は可能です。絨毯の美しさは、外観とは違って豪華さもあります。
大モスクにあるミレットは、自由に登ることができ、コンスタンツァの街並みと黒海を一望できるビューポイントにもなっています。
モザイク博物館
ローマ帝国の支配下に置かれていた紀元前6世紀頃に描かれたモザイク画が発見され、それを囲むようにして建てられたのがモザイク博物館です。床のモザイク画はヨーロッパでも最大規模を誇っています。
見学する場所から実際のモザイク画を見るには、肉眼で見るには難しいのが難点です。双眼鏡などがあると、はっきり見ることができます。
ママイアビーチ
コンスタンツァでもっとも有名なビーチになります。砂浜は約8㎞と長く続いており、黒海を一望できるパノラマ景色です。波が穏やかで高くないのが特徴の黒海は、小さなお子様にもおすすめのです。
ママイアビーチの近くには、美容治療ができる施設やレストランにバーなどあらゆる施設が揃っています。またこの地方では泥パックが有名で、全身に泥を塗る美容方法が女性に人気を集めています。

ビーチリゾートとして名高いコンスタンツァは、ビーチ沿いに宿泊施設が集中しています。目の前の黒海を見渡せるホテルはとくに人気です。観光メインに動きたい場合は、街の中心部に宿泊すると便利でしょう。