ポーランド - カトヴィツェについて

カトヴィツェは、ポーランド南部にあるラヴァ川沿いに位置する都市です。シロンスク県の県都で、同地方を代表する工業都市です。人口約30万人の、ポーランドでは11番目に大きい都市です。
ポーランド国立放送交響楽団の本拠地もあり、カトヴィツェ音楽院はクラシック界の名門として世界的に有名です。コンサートなどの音楽イベントだけでなく、演劇や舞台、映画のフェスティバルなども数多く開催され、文化の中心地でもあります。カトヴィツェにはシロンスク大学（Uniwersytet lski w Katowicach）をはじめ、シロンスク医科大学、シロンスク工科大学を含めた20以上の高等教育機関があり、100,000人以上の学生が学ぶ、科学教育の中心地でもあります。30キロメートル南東には、アウシュヴィッツ強制収容所が残されているオシフィエンチム（ドイツ語名「アウシュヴィッツ」）があります。
中世前期のスラヴ人集落が起源と考えられています。18世紀半ばを通して、この地域に豊富な石炭が発見されてから発展しました。ポーランドのピャスト朝によって統治されたあと、ハプスブルク家の支配下に置かれました。18世紀半ばに、オーストリア継承戦争ののち、プロイセン王国によって獲得されました。この地域に住んでいたのは、長きにわたってポーランド人がほとんどでしたが、18世紀後半からは、多くのドイツ人またはプロイセンの職人、商人、芸術家たちがこの地域に定住し始めます。また、同じころに初のユダヤ人入植者の流入もありました。
19世紀前半の集中的な工業化により、この地域にあった工場や農場は、製鉄所、鉱山、鋳造所、職人の工房に変わりました。これにより、企業の設立と都市の急速な成長につながりました。この工業化が進んだ同時期にあたる1847年には、カトヴィツェに最初の鉄道システムが登場しました。第一次世界大戦の勃発は、鉄鋼業の繁栄のため、町にとっては有利なものでした。ドイツの敗北の後は第二ポーランド共和国に併合されました。1921年にポーランド軍がカトヴィツェに入り、ポーランド政権が支配権を握ります。ドイツ人が多く移住していましたが、第二次世界大戦が終わるまで活気のあるドイツのコミュニティが残っていました。大戦後、ポーランド領へと復帰しました。
市内にはローカル鉄道、バスや路面電車が走っています。1894年から運行されているシレジア都市間を結ぶ路面電車は、世界最大の路面電車システムのひとつとして知られています。ヨーロッパの中央部に位置する鉄道、道路網の要所ともなっており、ベルリンやプラハ、ワルシャワ、クラクフ、シュチェチン、グディニアなどとを結ぶ国際列車も走っています。ヨーロッパ周辺国へのアクセスがとてもよく、移動が非常に便利です。市内中心部から約30kmのところにはカトヴィツェ国際空港があり、オーストリアのウィーンなど、周辺のヨーロッパ主要都市へのフライトもあります。
湿潤大陸性気候に区分され、夏季の日中平均気温は17度前後、冬季は最高気温が零下であるため、非常に寒くなります。
カトヴィツェにある、数ある観光スポットの中から特に人気の観光名所をいくつかご紹介します。
・シレジア美術館（Muzeum lskie）
1929年に設立されたあと、1940年にナチスによって建物が取り壊され、1984年に復元されました。2015年に、旧カトヴィツェ鉱山跡地に新しく建てられ、近代的な立派な建物となりました。ポーランドの芸術家の作品が多く展示されており、カトヴィツェの歴史を知ることもできる美術館となっています。
・シレジア公園（Park lski）
正式名称は「文化とレクリエーションの一般的なイェジーク地方教会公園」（WojewdzkiPark Kultury i Wypoczynku im。gen。JerzegoZitka、略称WPKiW）で、高度に都市化された地域の真ん中に、産業的に荒廃した土地を復元したレクリエーション施設です。公園の面積は620ヘクタールにおよび、ニューヨークにあるセントラルパークのほぼ2倍の大きさです。
カトヴィツェには、市内中心地をメインに多くのホテルがあり、郊外にある観光スポット近くにも点在しています。観光にも便利な中心部エリアでの宿泊がおすすめですが、鉄道駅も多くあり郊外へのアクセスも簡単な都市ですので、中心地より少し離れたところでもよいでしょう。