パラグアイ - アスンシオンについて

アスンシオンは南米パラグアイの中部に位置するパラグアイの首都で、国内唯一の特別区を形成しています。市街中心部にはいくつかの高層ビルが見られますが、比較的その規模は小さく、2000年代初頭には世界一物価の安い都市として数年連続で選ばれています。
アスンシオンは、かつて1530年代にブエノスアイレスからラプラタ川を上り現在のボリビアを目指した遠征中に建設された都市で、主にブエノスアイレスからの移住者によって街としての基礎が築かれました。以降、隣国であるボリビア、ブラジル、アルゼンチンに通じる水流拠点となるその立地が認められ、スペイン人による植民地開拓の重要拠点となってきました。
スペイン人との協力体制を敷いた原住民グアラニー族はその文化を後世にも残し続けてきましたが、1864年から6年間続いたパラグアイ戦争によって多くの同志を失うことになりました。その後世界大戦や内戦、独裁政権などによって国内の政情は不安定な状態が続きましたが、現在のアスンシオンは、かつてグアラニー族がそうしてきたように、周辺各国との調和と協力を進め、国内の安定を守っています。
アスンシオンは温暖湿潤気候と熱帯気候に属しており、暑い夏と温暖な冬に特徴づけられています。最も暑くなる12月から1月は最高平均気温が33℃を超え、湿度も高くなるため熱中症などへの注意が必要です。最も涼しくなるのは5月から6月で、最高気温は25℃前後、最低気温は18℃程です。

アスンシオンの中心はセントロと呼ばれる市街地です。その中でもランドマーク的存在になっているのが英雄霊廟などを有する広場で、観光の拠点としてだけでなく住民の憩いの場にもなっており、のんびちりとした時間が流れています。アスンシオン周辺の名所をいくつかご紹介します。
・英雄霊廟
パラグアイの国を築くために犠牲となった英雄たちが眠る霊廟で、アスンシオンを代表する観光地になっています。アスンシオンやパラグアイの歴史を象徴する重要な建造物で、国内外からの訪問者が訪れています。施設は衛兵によって守られており、時間帯によっては衛兵交代の様子を見学することもできます。
・独立の家博物館
パラグアイの独立に関する史料や展示物が保管されている博物館です。規模は小さく30-40分程度で見学することができますが、時代を象徴する貴重な遺産が良い状態で展示されています。敷地内にはよく手入れされた中庭があり、散歩を楽しむことができます。
・政府宮殿
パラグアイ川のほとりに立つ大統領官邸です。内部見学はできませんが、敷地内の建物を眺めるだけでも十分楽しむことができる豪華さを誇ります。宮殿はパリを模倣して建造されたと言われており、アスンシオンの他の地区とは一線を画した厳かな雰囲気を醸し出しています。夜にはライトアップが行われ、昼間とはまた違った美しさを見せてくれます。
・パセオラガレリア
2016年にオープンしたばかりのアスンシオン最大のショッピングモールです。モール内には地元食材や生活用品の揃う大型スーパー、パラグアイ料理を楽しむことのできるフードコート、映画館などが入っており、各種エンターテイメントを楽しむことができます。
・バロ博物館
パラグアイ各地の芸術作品が展示されており、国独自の文化やアートに触れることのできる博物館です。年間を通し様々な企画展が開催されており、いつ行っても新鮮な作品と出会うことができます。館内には地元の作家による工芸品やアート作品の販売も行われているので、世界で一つだけの作品を手に取ることもできます。
・コスタデラアスンシオン
パラグアイ川沿いに作られた人工ビーチで、アスンシオン屈指の癒しスポットになっています。散歩やジョギングを楽しむ地元の方々と一緒にのんびりと散策してみたり、ビーチを眺めながら休憩してみるのもよいでしょう。毎週日曜日には様々なイベントも開催されています。

多くの宿泊施設は市内中心部に集中しています。周辺には商店やレストランなどの施設も多く、滞在に不便を感じることはほとんどありません。空港からは少し離れており、タクシーで30分程移動する必要があります。
アスンシオンは比較的穏やかでのんびりとした都市として知られていますが、近年の経済低迷や失業者の増加などに伴い、市街地でもひったくりやスリなどの軽犯罪が報告されています。チャカリータ地区などの貧民街と呼ばれるエリアへの立ち入りは避けることはもちろん、安全な地域でも人気の少ない路地や建物の裏などを通行しないように心がけましょう。