マダガスカル - アンツィラナナについて

アンツィラナナはインド洋に浮かぶ島国であるマダガスカルの北端にある都市です。アンツィラナナ自治州およびダイアナ地域圏の首府で、1975年まではこの都市に訪れたポルトガルの航海者にちなんだ、ディエゴ・スアレスと呼ばれていました。マダガスカルにある6つの州の内、最も北に位置しており、南西はマハンジャガ、南東にトアマシナと隣接しています。

マダガスカルの主要地域からは離れた場所に位置しており、また南部へ渡る道路網の整備が不十分であったこともあり、第二次世界大戦後では物流拠点として重視されていません。しかしながら天然の良港をもっている都市であるため、観光スポットとしても人気があります。市内にあるアラチャート空港からマダガスカル各地域への定期便が運航しており、同島内のアクセスもしやすいです。

マダガスカルはサバナ気候と呼ばれる熱帯に属した気候で、1年の中で夏の多雨となる雨季と、冬の乾燥が厳しい乾季がはっきりと分かれています。気温は1年を通して気温の年較差は少なく、1961～1990年におけるアンツィラナナの最高気温記録が39.0度と熱帯地域の中でも比較的過ごしやすい気候です。

独特な食文化を持っているこの地域では、アフリカや欧州、アジアなどが混ざったような食文化をもっています。主食はファーリとよばれる米でアジア圏と近い食文化です。キャッサバ（マニオク）の葉を臼で細かく砕いたものに豚肉と絡めたラビトゥトゥや、豚肉をトマトで煮込んだキソアンスなどが郷土料理として知られています。ファーリにのせて食べるひき肉のそぼろプティケーニャなど、日本人にもなじみやすい食文化です。

アンツィラナナでは島国ならではの美しい海と緑にあふれ、植物や動物など大自然を堪能できます。珍しい自然動物や絶景の海を堪能できる場所も多く、観光客に人気のある都市です。アンツィラナナの名所をいくつか紹介していきます。

・アンバー山国立公園
1958年年に作成されたマダガスカル初めての国立公園で、山の中にはタコノキやシダ類などこの地域ならではの植物を観ることができます。またサンフォードキツネザルやカンムリキツネザルや爬虫類、両生類、昆虫など多くの自然動物が生息しています。中でも注目なのがカメレオンで、指の爪ほどのサイズの世界一小さなカメレオンもここに生息しています。

また植物や自然動物以外に森の中にある滝や緑色をした湖など、美しいマダガスカルの自然と絶景を堪能することができるスポットです。

・アランカナ保護区
アンツィラナナの南東およそ110kｍに位置している自然保護区域で、雄大で迫力のある景色と自然動物と出会えるエリアです。ここではチンギとよばれている剣先のような奇良岩が連なるカルスト地形として有名なエリアで、石灰岩の台地が侵食されたことでできており、鍾乳洞もいろんな場所に存在しています。

カンムリキツネサルやサンフォードキツネザル、シロアシイタチキツネザルなどキツネザルが10種以上生息しているのに加え、珍しい昆虫や爬虫類なども生息しています。

・ディエゴ・スアレス湾
マダガスカル島の北端に雄大に広がるディエゴ・スアレス湾は世界で2番目に大きく、観光スポットとしても高い人気を誇っています。都市名と同様にポルトガルの航海士であるディエゴ・スアレスにちなんで名づけられています。この湾の砂浜は世界一美しいビーチといわれ、エメラルドグリーンの海岸とそこに浮かぶ小さな小島がかわいいエリアです。

・ジョフル広場
すこし高台に位置し小ぢんまりとした広場は美しい港や海を見渡すことができるエリアです。地元の方の憩いの場としても使用されており、アンツィラナナの自然とこの都市の雰囲気を堪能することができます。

この都市は観光スポットとしても人気のディエゴスアレス湾近くの市街地にホテルが多数立っており、美しいロケーションを感じながら宿泊することが可能です。また市街地より少し離れた海沿いにはコテージ風のホテルや、空港からのアクセスがしやすいメイン通り沿いにも、数多くの高級なホテルが存在しています。
市場などの人込みの多いエリアでは観光客を狙った置き引きやスリが多発しているため、防犯対策はしっかりと行って行動するようにしましょう。また日が暮れてからはなるべく人通りの少ないエリアは避けた方が安心です。クレジットカード対応の店舗もありますが、セキュリティ面を考慮して現金を準備しておくと安心です。