インドネシア - マナドについて

マナドは、インドネシア中部のスラウェシ島の都市であり、植民地時代にはセレベス島と呼ばれたスラウェシ島のミナハサ半島の最北端に位置する北スラウェシ州の州都です。マナドは、17世紀から約350年にわたりオランダの植民地であったことからプロテスタント・キリスト教徒が市民の大半を占めており、ブラジルのコルコバードに次ぐ大きさを誇る「チトラランドのキリスト像」がランドマークとなっている一方で、中国仏教の寺院「萬興宮」もあります。チトラランドのキリスト像は、イスラム教徒が大半を占めるインドネシアにおいては希有な存在であり、ただ単に立っている立像ではなく、天に向かって手を広げ天恵を請うような壮大なキリスト像です。チトラランドのキリスト像は、高い建築物のない住宅地に建設されたアームのような土台に設置されているので宙に浮かんでいるキリスト像であり、「BIGBENTOWERMANADO」の方から見上げるとまるで天使のように飛んでいるように見えます。
萬興宮は、清朝後期の1812年に華僑によって建立された東部インドネシアで最も古い仏教寺院であり、赤を基調としたこじんまりとした建物が印象的です。旧正月には、前夜にバロンサイが門徒の家々を一軒一軒訪問し、当日はバロンサイやカラフルな山車が盛大に練り歩くパレードに加え大道芸が行われます。
マナドは、シンガポールのチャンギ国際空港やフィリピン共和国のフランシスコ・バンゴイ国際空港などと直行便が就航しているトランジットが良いことに加えて、ドロップオフを飾る美しいサンゴ礁が有名な「ブナケン海洋国立公園」やミミックオクトパスに遭遇できる「レンベ海峡」などのダイビングスポットが豊富なことから世界中のダイバーが集う都市です。マナドは、周辺海域の水深約120m〜200mで回遊するインドネシア・シーラカンスの姿を日本の水族館関係者が撮影しており、マナド市民の台所「パサール・ブルスハティ」や「パサール・ウンパッリマ」などの海鮮市場で切り身にされたインドネシア・シーラカンスが販売されいたこともある都市です。パサール・ウンパッリマは、新鮮海鮮を一手に担う海鮮市場ですが、パサール地区の泥棒市や屋台の撤去に始まる都市化計画で対岸に移設される一方で移設されたことで衛生的かつ安全な海鮮市場となっています。パサール・ブルスハティは、マナド港に隣接するマナド最大の伝統的な海鮮市場ですが、ダイビングスポットが豊富なブナケン島へはも隣接するジェンキ川の桟橋から渡ることができます。
ブナケン海洋国立公園は、公園名称となっている「ブナケン島」に加えて「シラデン島」と「メナドトゥア島」及び「マンテハゲ島」と「ナイン島」など大小5つの島で構成され、水深1,566mのマナド湾のドロップオフは70種類以上のサンゴ礁と2,500種類以上の魚に出会うことができる海洋国立公園です。ブナケン海洋国立公園には、世界的に有名なダイビングスポットが20箇所ありますが、ブナケン島にはサチコポイントやフクイポイントなどのダイビングスポットが12箇所存在します。ブナケン島周辺海域は、年間平均海水温が27度〜29度と1年中ダイビングを楽しむことができ、透明度も15m前後と高くヘアリーフロッグフィッシュやレオパードフランダーなどの希少な魚に出会えるダイビングスポットです。
北スラウェシ州立博物館は、地質学や考古学に始まり言語や技術まで10種類のカテゴリーに及ぶ3,000点以上の収蔵品があり、各カテゴリーで厳選された約500点を無料で見学できる州立博物館です。北スラウェシ州立博物館は、1階では先住民の像と古代遺跡など目を引くオブジェが目白押しの庭園だけでなく、先史時代の動物や人間の移動などこの地域の先史時代の営みがジオラマとして展示されています。通路には、マリア・ワランダ・マラミスやサム・ラトゥランギなどこの地方出身の英雄たちの歴史的遺物や英雄像が展示されている博物館です。
マナドは、フィリピン共和国やシンガポールと直行便が就航しているサム・ラトゥランギ国際空港が玄関口となるので空港周辺も宿泊地域としてはおすすめですが、空港から中心市街まで約13kmとミクロレットで約30分なので海沿いの「ボレファール」や「マナド・タウン・スクエア」周辺の方が宿泊施設が多く利便性も高いのでおすすめです。スディルマン通りは、2009年のホテル建設ラッシュで4つ星の世界的なブランドのホテルからリーズナブルなホテルまで数多くあり、マナドの中では治安も良いので宿泊地域としておすすめです。