インド - インドールについて

インドールは、インドの中部にあるマディヤ・プラデーシュ州にある都市です。インドール県の県都として機能しています。都市面積は214平方km、人口が約196万人とインドール県内で最も多い人口を有している都市です。インドールがある北インド平野は温帯夏雨気候に属している地域で、年間の平均気温が約32度もあります。特に5月がもっとも気温が高くなる時期で、最高気温が45度を超すこともあります。厳しい暑さは3月から9月まで続き、さらに7月から9月の雨季は湿度も上がってムシムシとした天気です。インドールの市内を流れるガンジス川は雨季には氾濫することも多くなるため、川の流域にある住居は高床式になっているのが特徴で、浸水被害を最小限に食い止める工夫がなされています。インドール県は国内でもっとも広い面積を持つ都市であるため、地域内でも気候区分が大きく異なります。北部地域が属する気候区分は湿潤寒冷気候で、標高3000m級のヒマラヤ山地の麓に位置することから、年の平均気温が約18度と低いのが特徴です。冬場は連日氷点下となる日々が続き、積雪や路面の凍結で度々道路が通行止めになることもあります。
インドールの主要産業は綿花、トウモロコシ、ジャガイモ栽培が中心の農業となっていて、南部と西部に広大な綿花畑とトウモロコシ農園が広がっています。一方、北部の山間部ではジャガイモが栽培されており、それぞれの気候に合った作物を生産していることが分かります。なお、綿花の栽培は、インドが世界第1位の生産量を誇っていて、主にインドールが総生産量の大半を担っている一大産地です。
この地域はインド国内で人々が多く訪れる避暑地として活用されていて、2000年以降は大型ホテルや商業施設が次々に整備されました。国内だけでなく海外からの観光客の受け入れが活発です。
インドールの主なランドマークは、「マディア・プラージュ国際空港」「インドール駅」「ラージャスターンの丘陵城塞群」「大チョーラ朝寺院群」「チャットラ市場」の5カ所です。「マディア・プラージュ国際空港」は1981年に開港した空港で、インド中央部の空の玄関口として機能しています。1日26往復の航空機しか離発着していない小規模な空港ですが、首都ニューデリーにある国内最大のインディラ・ガンディー国際空港と結ばれているため、多くの観光客が利用する施設です。国際線はモンゴル・ブータン・カンボジア・ラオスの4カ国への便があり、各国のハブ空港としても利用されています。「インドール駅」は1946年に開業した駅で、全長310kmの長距離鉄道であるインド国鉄の沿線にあります。「インドール駅」の駅舎は1901年に建設されたもので、当時のインドを植民地にしていたフランスが建造しました。真っ白な花崗岩で造られた駅舎は一際目立ち、インドールを代表するランドマークになっています。1日150本の列車が乗り入れる規模の大きな駅で、観光客だけでなく市民も多く行き交う場所です。「ラージャンスターンの丘陵城塞群」は1620年代に建造された城塞で、2001年にユネスコ世界遺産に登録されました。オスマン帝国の極東支配地であったインドールに築かれた、約520ヘクタールもの広大な敷地に築かれている石造りの城塞になっています。内部は一般公開されており自由に見学することが可能で、インドールでもっとも有名な観光スポットです。「大チョーラ朝寺院群」は街の南西部にある1500年初期のヒンドゥー教寺院で、1987年に世界文化遺産に指定されました。近代都市として整備されているインドールの中心部にある歴史遺産で、ヒンドゥー教の最高神であるシヴァやガネーシャなどの姿を模した壁画を街中からでも見ることができる場所です。観光スポットではあるものの、現在も僧侶たちが寺院内で暮らしているため、内部には自由に出入りをすることはできません。一般観光客が立ち入れるのは正面玄関と庭や伽藍のみですが、歴史がある建造物からはヒンドゥー教の神秘的な空間を体感することができます。「チャットラ市場」はインドールの中心部にある市場で、市内でおすすめの観光地域にもなっています。ここではインドールの地域内で生産されている果物や野菜など、さまざまな食べ物が販売されていて、郷土料理を味わえる飲食店も軒を連ねており、ぜひ訪れてみたい場所です。市民の台所として機能していますが食べ歩きを楽しむ観光客も多く、インドの食文化を十分に満喫できるスポットです。