ギリシャ - テッサロニキについて

テッサロニキはギリシャ北部に位置する都市で、エーゲ海のテルマイコス湾に臨んでいます。ギリシャの首都アテネに次ぐ規模の大都市となっており、中央マケドニアの首府でもあります。東ローマ帝国時代には、ビサンティンに君臨した都市でもありました。テッサロニキは温暖湿潤気候とステップ気候の境界付近にあり、冬は非常に寒く比較的乾燥します。冬には朝方に霧が発生することが多く、最も寒い月は1月です。雪が降ることがありますが、長く降り続くことはありません。夏は暑く、夜は湿度がやや高くなります。夏の最高気温は30℃程度で、ごくまれに40℃まで上がることもあります。夏の時期には激しい雷雨に襲われる時もあり、通常の雨は降りません。テッサロニキの歴史は古く、マケドニア王のカッサンドロスによって紀元前315年頃に創建されたと言われています。商業的にも軍事的にもこの地域の中心であったので、街の中心部には大規模な建築物が築かれました。そのためテッサロニキには歴史的な建造物が多数残されており、ギリシャを代表する観光地にもなっています。テッサロニキには、「テッサロニキの初期キリスト教とビザンティン様式の建造物群」として登録されたユネスコの世界遺産があります。アギオス・ディミトリオス聖堂やアギア・ソフィア聖堂、ロトンダ、アギイ・アポストリ聖堂などの建築物です。これらはローマ帝国や東ローマ帝国時代に建築されました。アギオス・ディミトリオス聖堂は、テッサロニキの守護聖人である聖ディミトリオスに献堂されたバシリカです。ギリシャでは最も大きなギリシャ正教会の聖堂で、1917年に火災によって焼け落ちてしまいましたが元の材料を使用して復元されています。アギオス・ディミトリオス聖堂には、6世紀から7世紀にかけて作られたモザイクもあります。アギア・ソフィア聖堂は、7世紀中期に創建された教会堂です。ドームには9世紀頃のモザイクが残されており、アプスにも12世紀頃のモザイクが残されています。オスマン帝国時代にはモスクとして使われたこともあります。現在ではキリスト教の聖堂として使われています。ロトンダは、ローマ帝国の東方正帝であったガリレウスの霊廟となる予定であった円柱形建築物です。ガリレウス自身が建造を命じましたが、霊廟として使われることはありませんでした。アギイ・アポストリ聖堂は、1314年にコンスタンティノポリスの総主教ニフォンによって建設されました。ビサンティン建築の特徴を見ることができ、内部にはフレスコ画があります。このフレスコ画は、トルコのイスタンブールにあるコーラ修道院のフレスコ画と非常に類似しています。これらの建築物や美術品は、当時の文化を感じさせてくれるものばかりです。それからテッサロニキのランドマークには、テルマイコス湾沿いに建てられているホワイトタワーや中心街のエグナティア大通りにあるガリレウスの凱旋門もあります。12世紀のビサンティン時代に建てられ、オスマン帝国時代に改築されて砦や牢獄として使われた歴史を持っています。1912年にテッサロニキがギリシャ領になった際に洗浄され、白さを取り戻したことからホワイトタワーと呼ばれるようになりました。テッサロニキにある建物の中でも人気の高い観光スポットです。ホワイトタワーの中は博物館になっており、テッサロニキの様々な歴史が展示されています。ガリレウスの凱旋門は、ローマ帝国の東方正帝のガリレウスがロトンダ等と一緒に整備した凱旋門です。当時、凱旋門は皇帝の権力を象徴するものでした。ガリレウスの凱旋門は289年から299年にかけて建設され、サーサーン朝ペルシアに勝利したガリレウスを記念するために303年に落成されています。当時の凱旋門の大半は失われてしまいましたが、北西部分の3本の柱や大理石板等が残っている状態です。その他にもテッサロニキの北部には、アノ・ポリという旧市街地があります。アノ・ポリはテッサロニキの中でも最も歴史がある地区です。テッサロニキの中では最も標高が高く、歴史ある街並みやテルマイコス湾を見渡すことができます。天気が良い日はテルマイコス湾を挟んで、100km先のオリンポスの山々が見渡せます。テッサロニキのアクロポリスもあり、ビサンティンの要塞であるヘプタピルギオン要塞やオスマン帝国・ビサンティン時代の建造物も残されています。